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私の緩やかな人生
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『私の緩やかな人生』に投稿された感想・評価

sonozy
4.0
アンゲラ・シャーネレク監督の長編3作目。
原題『Mein langsames Leben (=My Slow Life)』
英題『Passing Summer』≒過ぎゆく夏

ベルリン。夏らしい空気感漂うカフェの2人の女性。
弁護士の仕事を得たソフィーがベルリンを離れローマに行くという話を聞いているヴァレリー。
彼女は建築を学んでおり、夏期も旅に出ず、博士論文を仕上げるようだ。

主人公のヴァレリーと周囲の人々の過ぎゆく夏が描かれます。

ソフィー以外の登場人物は・・・
ヴァレリーが間借りしているマリー&アレクサンダー夫妻と娘のクララ。
クララのシッターをしている21歳の可愛らしいマリア(※ジャケ写はマリアの後ろ姿)
マリーの兄トーマスは写真家で最近離婚し、息子ルイスと定期的に会っている。
トーマスの元妻はシャーネレク監督が演じてます。
ヴァレリーの弟はドイツ南部の実家の近くで船の帆を作る会社を経営している。

サルディーニャ島へヴァカンスへ出るマリー夫妻。
結婚が近いマリア。
トーマスと付き合いだすヴァレリー。

そして、ヴァレリーの元に弟から父の重病の手紙が届く・・・

ヴァレリー役のウルシーナ・ラルディがベリーショートがお似合いで魅力的でした。

『Music』にも似たシーンが出てくる、公園の中を歩くヴァレリー、トーマス、マリー夫妻、クララをトラッキングで捉えるロングショットのシーンがとても印象的。
4.2
【鑑賞メモ】
滑り落ちる水滴。

おぉ……観れる、観れるぞ…!
個人的に「掴めねぇ」でおなじみの(?)アンゲラ・シャーネレク鑑賞三作目にして、やっと「掴める」作品に出会った。

静かな環境音とローテンション気味の会話だけで、ひと夏の日常が描かれる。
登場人物がみな、どこか鬱屈とした思いを抱えていて、それが瑞々しい夏の景色に溶け出してゆく。
淡い寂寥感というのか。

ガラスに透かしたみたいに、不思議な透明感のある光。端正な構図が映えて、美しい。

監督のスタイルは一貫してありつつも、これまで観たもののように「感情が置いていかれる」こともあまりなく、この独特なリズムに心地よく浸かって観られた気がする。
ストーリーや感情の動き(と原因)が比較的分かりやすいからだろうか。

邦題は原題(ドイツ語)の訳なんだろうけど、なんかやけにチルい。
中身は、断じてチルくはない。
tntn
-
他の作品と同様にやっぱりシャーネレクは自分には難しいという感想になるのだけど、何をやろうとしてる作家なのかは少し掴めた気がする。
博士論文の指導教授との切り返しとか切れ味するどいドラマチックな編集もする人なので、逆にそれ以外の固定ショットはかなり意図的な戦略と思われる。
『ミュージック』のラストにも見られた横移動ショットが、今作の場合結婚式というわかりやすい節目で使われている。誰か1人を中心に据えるのではなく、その場に他の誰かもいること。そしてその人達が交差し通り過ぎていくこと。
併存とすれ違いだけが描かれるので何を見れば良いのかいまいちわからなくなるけど、相互交流に重点が置かれていないと割り切って見れば良いのかもしれない。
ルームシェアという主題を描く時ですらこれなのだから、もはや作家性と言って良いと思う。(2001年の映画だからかわからないけど、家族という共同体の解体の可能性を示唆せず、ひたすら複数の家族のドラマを並置するのは今の感覚からするとむしろ珍しい。)
いわゆるモダニズム映画的なショット、断片的なナラティブだなと思うけど、『weit entfernt』『家にはいたけれど』と同じくその重いリズムを掻っ切るような場面が一瞬入る。今作の場合は、クラブでのダンス。
ヴァレリーの父親が病に倒れるというシークエンスに、プールで泳ぐお母さんのショットを長々と入れたりする意味は流石にまだ掴めない。
Friedrichstraßeが映ってテンション上がった。混沌したベルリンではなく、青々とした人気のないベルリン。

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