かつて日本には部落差別という言葉があったのだということはその昔、社会科の授業で少し学んだことがある。、そんな時こんな映画があると聞かされたのが確かこの作品の題名だった。
原作が描かれた時代は良いとしても、この手の作品をこの90年代に作るのはなかなか賛否あっただろうな！！！
今となってはこういう部落はほぼ無くなったのだと思うけど、それでもいままだその差別を受けた人の孫やひ孫は生きているのだろう。
そういう人の気持ちを考えるとなかなか感想を書きにくいのだけど、正直なところ言えば、想像していたほど壮絶な差別というという描写でもないのはほっとした。
教師でもあからさまに差別感情を出すのはちょっとゾッとしたけど、子供たちの中でもそれぞれ捉え方が違うからあからさま差別をするわけではなく、部落の子供たちもたくましくそれなりにプライドを持って生きていくその姿が逞しくて清々しかった。

日本は島国ゆえに、人種の隔たりがないので、人種差別というものがほぼ存在しなかったなず。
それなのに尚、住む場所や仕事で差別を無理やり作る人間の愚かさが虚しくて、何故こういう事が必要だったかを突き詰めようとすればするそどに人間の弱さというものにぶつかってしまった。

「えた非人」と言うのは学校で習った程度の知識でした。今でも日本各地で同和問題として差別は存在していて、深く考えさせられます。勉強にはなりました。
1908年（明治41年）奈良・小森で生まれ育った畑中誠太郎と孝二の兄弟。日露戦争で父親を亡くし、祖母と母と4人暮らし。被差別部落である小森の子供たちは教員や級友からいじめられ、大人達もことごとく差別に苦しんでいた。小森の人々の差別に苦しむ日常を描いています。



ネタバレ↓



四民平等になり、えた非人も「新平民」として呼ばれるようになった。が、名前が変わっただけで何も変わってない。
その土地に生まれたと言うだけの古くから根強い差別の数々に呆れます。
部落の者は、賃金を貰う時も裏口に行かされ、手渡しでなく、出口の石畳に賃金を置かれる。
子供達は、他の地域の生徒からのいじめの対象、教師まで暴力をふるったり、何かあると彼等のせいにする。
小学校卒業後は、進学ではなく奉公に出される。
貧しいので、娘を売り飛ばす、トンネルを掘る危険な仕事等も…。
孝二達が駅で、友人が自殺した話を小学校の時の女教師に話すと「そんな自殺の仕方するなんてやっぱり普通の子やないんね」とサラッと言ってそのまま汽車に乗ってしまう。子供が自殺したのに悔やむ言葉すらかけない。呆れるクソ女だったが、あれが当たり前だったのか？恐ろしい時代だ。
とにかく酷いエピソードばかりで、イライラしながら観ました。なのに反撃しますよのポーズだけで終わるのは消化不良。もう少し「水平社」の事が知りたかったです。
えた非人の現在を調べると、部落差別の名残りが日本の各地で同和問題として、残っているのにも驚きました。そして、知らなかった事にも罪悪感でした。

• #C@差別
• #C@同和
• #C@部落

2021-313

どういうシチュエーションだったか覚えていないが小学生の時に何かの行事で映画館で見た記憶がある。当時は用語もあまり理解出来ず感想文を書くのに苦労した事だけはハッキリと覚えている。30年近くずっと消化不良だったのでU-NEXTにあったのでリベンジ。

原作も69年版も未視聴なので比較は出来ないが中々ズシリと重い作品だった。細かいエピソードを繋ぎ合わせて時代が移ろいで行くのだが、そのエピソードの殆どがモヤっとしてスッキリしない。部落差別はあまり聞かなくなったが、広い意味での「差別」について色々考えさせられる内容だった。
ただ後半はやや駆け足になっていたので、水平社創立の下りがやや雑に感じた。原作は7部まであるようなので尺の問題で仕方ないとは思うが、せっかく被差別者の悲しみや辛さを丁寧に描いているだけに「怒り」の部分もしっかり見たかった。

難しい内容だったとは思うが記憶していたよりは全然見やすく、多少の不満はあるものの内容的にも満足する作品だった。しかしこれを小学生が理解するのは…流石に酷な気もする！ 笑