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YUKIGUNI
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目次

YUKIGUNIの作品紹介

YUKIGUNIのあらすじ

BARは人なり、あるBAR評論家が残した格言。この言葉を体現するように、井山計一さんのカクテルを飲み、話を聞くため、全国からカクテルファンが訪れる。その姿はまさに、カクテル巡礼とも呼べる光景だ。誕生から60年を迎えるカクテル「雪国」の誕生秘話、時代を超えて愛されるカクテル、そのグラス越しに映る井山さんの半生、撮影中に最愛の妻を亡くし、別れを機に家族との絆を取り戻していく姿、激動の時代を経ても古びない「美しさ」「愛おしさ」をめぐる珠玉の物語。

YUKIGUNIの監督

YUKIGUNIの出演者

原題
製作年
2019年
製作国
日本
上映時間
87分
ジャンル
ドキュメンタリー

『YUKIGUNI』に投稿された感想・評価

同時期公開中の「世界一と言われた映画館」にも登場する、スタンダードカクテル「雪国」の創始者で92歳にしてなお現役のバーテンダー・井山計一氏。山形県酒田市在住。「世界一と言われた映画館」の監督が撮影を担っているドキュメンタリー。

こちらの方があちらより、濃度も質感も映画的だった。撮影期間中に井山氏の奥様が亡くなるなど、長期間ご本人を追っているさまが伺え、取材の幅も広い。あちらがこちらから派生したのだろうか。こちらはナレーションが小林薫さんで、もちろんかっこいいのだけれど、どうしても「美の巨人たち」に見えてしまうという難はあった(笑)。

井山氏と奥様の逸話はとても素敵だが、本作の核をなしているのは、父と娘の話だ。水商売で忙しく働く両親のもと良い思いをあまりしてこなかった、と率直に語る娘さんの姿が胸を打つ。

娘さんは父の作ったお酒を一回も飲んだことが無かったとか。「主婦としてずっとやってきたから」(バーなどには行くことがない)という言葉から娘さんの信念が伝わってきた。「父は幸せな人生だと思う」とやや突き放し気味に語る娘さんと父の真の和解がこの映画をきっかけに成ったのかどうか。そこは観た人次第ということで。

驚いたことに井山氏自身はまったくお酒を飲まないらしい。バーテンダーという職業、中々、奥が深い。また、井山氏だけでなく、日本中に知られた映画館「グリーン・ハウス」やフランス料理店を経営していた佐藤久一氏ら、粋な人物たちが生まれた酒田という港町にはぜひ行ってみたいと思った。
ky

kyの感想・評価

4.4
BARは人なり。古びない「美しさ」「愛おしさ」とは何か。そんな素敵なコピーと、ノスタルジックな装いにも鮮やかで美しいカクテル「雪国」に
魅せられました。
宇都宮で今作品の上映と渡辺智史監督のトークショー、地元の若手バーテンダーによるパフォーマンスがあるということで、宇都宮ヒカリ座へ足を運びました。宇都宮はあまり知られていませんが、カクテルの街と謳っていてバーが点在しています。自分は学生時代に都市戦略やソーシャルデザイン、地域活性など色々と学んでいたので、監督の映画以外の事業などの側面にも興味があり、上映後には監督と少しお話しさせていただきました。さらにお仕事案件まで少し触れさせていただくことになり、今後何かしらの形で関わっていくかもしれません。素敵な方でした。


日本最高齢のバーテンダー井山計一さんの人生とともに、スタンダードカクテルとして知られる「雪国」の誕生やそれに感化された人々、彼に運営するバー喫茶ケルンの物語。


井山さんが考案し誕生から60年を迎える「雪国」は某カクテルコンペで優勝し誕生してから60年を迎えるとのこと。当時というのはそもそも洋酒が日本に入りたての時期で、その時期に地位を築いたことは本当に素晴らしいことでしょう。さらにスタンダードとして日本のカクテルがコンペに名を連ねることは希少でして、味やビジュアルは勿論ウォッカ、ホワイトキュラソー、ライムジュースと一般的な酒場であれば、どこにでも置いてある素材を使って作れるという親しみやすさも受けたのではないでしょうかと。

そしてスタンダードとなったあとも、同じスノースタイルでも砂糖をそのまま使うのではなく、さらに粒子を細かく「雪」らしく、何より「彼」らしく改良していくこだわりやカスタマーサービス、スタンダードを敢えて自ら覆していくブレイクスルーのようなマインドも素敵でした。

最愛の奥さんとの別れや奥さんの抱えていた苦悩、それに気づいた際の彼の葛藤、そして涙。自分は映画であまりネガティブに感情的になることはありませんが不覚にも感情的になりました。その葛藤も彼がカクテルやケルンを愛していたからであって、決して奥さんを蔑ろにしていたのではない印象だったので、行き場のない気持ちに打たれた。そして夫として心残りであると声を詰まらせるシーンには彼の心がみえた。そんな感じでした。

賛否あるでしょうにどちらかといえば自分は共感はできないシーンでしたが、子供と食事をとる時間もないほどに朝から晩まで夫婦で働き、そこまでしてもケルンを愛した彼と奥さんの姿が印象的でした。それもあって娘菅原さんは、子供時間を大切にしていて、井山さんにとっての孫にあたる夫婦や、彼のひ孫にあたるその子供に対して優しさを表現できるようになったのだなあと。

そして自分が特に印象的であった、切り絵作家でありバー評論家の成田一徹さんの「バーは人なり」というのは、まさに井山さんに相応しいワードでした。成田さんは評論家でありながらウイスキーの種類も殆どわからないということで、逆に名言の意味合いを強調させていて、酒を飲む場というよりも人に会う場所という彼の定義づけがしっくりきた。
自分は2年半ほどカフェで働き責任者まで努めさせていただいた経験があるので、人にとってのサードプレイスやその重要性を啓蒙する立場にも携わりました。すると彼はバーで自分はカフェでしたが、彼の定義づけが心地よく腑に落ちるのでした。

勿論自分はこの映画のプロデュースを担うわけでもないので、正直にいうと物足りないと感じる点もありました。90歳を超えて身体的に厳しいことやなまりがあるのでしょうが無いのでしょう。しかし声が聞き取りにくく音声に難を感じました。さらにカメラワークに関してももう少し幅があったほうが楽しめたようにも感じました。

それでも、時代を超えて愛されるケルンそして国境も超えて世界に羽ばたくカクテル、それを愛した井山さん、彼が愛した奥さん、彼を愛して感化されたバーテンダーやお客。カクテルをいう一種のメディアとも言えるかもしれません。人々を繋いだ「雪国」そしてこの映画に乾杯という感じで締めさせて頂こうと思います。
銀幕短評 (#227)

「YUKIGUNI」
2019年、日本。 1時間 27分、公開中。

総合評価 86点。

「シューマンズ バー ブック」(#115、68点)の短評で、「コーヒーを語らせると いささか長い わたしの話しは、バーを語らせると けっこう長い」と書いたが、それを語るときが ようやくきた。

この映画は、カクテル “雪国” を考案した、山形県酒田市にある 井山計一さんのバー “ケルン” のものがたり。と思ったら、

これは、男の情熱のものがたり、女の情愛のものがたり、家族の、町の、技の、信頼の、名誉の、時代の、未来の、伝説の ものがたり。とてもとても すばらしい。


じつは現在 無期限飲酒停止をしているわたしだが、まえはかなり酒を飲んだ。“かなり”というのは かなり あいまいな表現だが、‘酒を毎日飲まないと気が済まない’、のと ‘アルコール依存症’ とのあいだの どこかのポイントだ。

酒の好みは、焼酎とバーボンはほとんど飲まず、それ以外の ビール(なんでも、とりわけベルギーが好き)、日本酒(なんでも、甘くないのがいい)、ワイン(できれば赤、甘くないの)、ウオッカ、ジン、グラッパ、テキーラ、ラム、ウイスキー、各種カクテルなどをなんでも愛飲した。

なかでも、大好物のウイスキーは サントリーのブレンデッド最高峰「響」17年の香りと味わいが とりわけ好きで、各地(海外を含め)のラウンジ、クラブにボトルをキープした(響 21年と30年もたまには飲んだが、それはまた 別次元のはなしである)。もちろん、アイラウイスキーなども 独特の風味がたいへん好みである。

いまは酒をやめたので、ノンアルコールビールの “オールフリー” 一辺倒である。スッキリしていて とてもおいしい。とはいうものの、バーに行かないわけではない。なじみのバーには たまに行く。ホテルのバーにも たまには行く。もっといいバーには? ここぞというときに、女の子を隠れ家に案内する。

バーとひとくちにいっても いろいろある。わたしの定義は、ある程度以上の種類の酒があり、バーカウンターとスツールを備え、パリッとしたバーテンダーさんがいる店、つまりオーセンティック(正統派の) バーである。

なお、バーテンダーさんを “バーテン” さんと呼ぶのは かなり失礼なので、これは失礼なバーテンダーに対してのみ使うのに とどめたい。

酒全般のはなしをしだすと、映画を一本観られるくらいの時間がかかるので、今回はカクテルに はなしをしぼろう。

カクテルについて語ってもキリがない。わたしの定義は、バーで作ってくれる ふたつ以上の液体を混合した飲み物、がカクテルである。したがって、いまはアルコールを飲まないわたしでも 気兼ねなくバーに行ける。基本的には、フレッシュな果物を使って、素敵なカクテルを作ってくれる。

シェイクについて。 カクテルといえば、バーテンダーさんがシェイカーを華麗な手さばきで リズミカルに振る、というイメージがつよいが、ステア、ビルドなどの製法もあり、同じレシピで使い分けるのも楽しい。シェイカーで振るのは、氷で飲み物をキリッと冷やすのと、空気を飲み物に混ぜ込ませることによって、味わいをまろやかにするところにある。

好きなカクテルについて。 これは人それぞれで異なるが、わたしの好きなものをいつくか挙げると、こうなる。
ギムレット ジン ベース、30度(以下同じ)
ロブ・ロイ ウイスキー、30
バラライカ ウオッカ、30
ピンク・ダイキリ ラム、30
バンブー シェリー、15
ビトウィーン・ザ・シーツ ブランデー、ラム、30
グリーンアラスカ ジン、40
いいわけ テキーラ45㎖、ドライ ベルモット10、レモン ジュース10、コアントローでグラスをリンス、がレシピ。

「いいわけ」、はわたしのために 仲良しの女性ソムリエさんが むかし考案してくれた、名もつけてくれた(どういう意味だろう)、かなり強いカクテルだ。

とはいえ、なにを飲むかということよりも、だれと楽しく飲むかという要素は もちろん格別重要である。

海外のバーについて。 これを書き出すと どんどん長くなるので省略するが、ひとつ いい思い出をあげるとすれば、、やはり省略しよう。「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」(#126、55点)の評で すこし触れたし。

と ひととおり書いてきたが、今回は紙幅が尽きたので あとは次稿に譲ろう。そこでは、「バーにおけるマナー」を論じよう。これはなかなかむずかしいテーマですから。

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