昨日の「ハムレット」に引き続きシネリーブル池袋で鑑賞。「リア王」の映像化作品を観るのも初めて。

昨日の「ハムレット」に比べ、入りは半分ほど。まぁ、平日の昼間だししょうがないのか？

予習をせずに「ハムレット」に挑んでしまったことを後悔したので、漫喫で登場人物なり物語なりを頭に叩き込んでから鑑賞しました。そのおかげもあってか「ハムレット」に比べたらかなり理解しやすかった。

まぁ実際、字幕の言葉使いは圧倒的にこっちの方が分かりやすかったんだけど...

今作で注目すべくはサー・イアン・マッケランの熱演。「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフや「X-MEN」のマグニートーなど様々な役をこなしてきた彼は収録時、なんと79歳。リア王とほぼ同年齢。とても傘寿が近いとは思えないほどの体力で見事にリア王を演じきっていた。

思えば、何年か前に図書館で演劇図鑑のようなものを読んだ時「リア王」のページにはサーの写真があったけど、これを実際に拝めるとは(映像でだけど笑)

サーはこの舞台をやる上で300人規模の小劇場を選んだらしい。「ボタンをはずしてくれ」の台詞でボタンが見える程の規模でやる事によって舞台と客席との一体感が増す。

ミュージカル「キャッツ」をキャッツシアターの回転席で観たことのある人はわかるだろうけど、オーケストラがなく舞台との距離がほぼない演劇では演者の息遣いや顔色まではっきりと見える。これは精神という人間の内なるものについて描いた「リア王」なら間違いなく功を奏すだろう。

この演劇で凄かったのはサーだけではない。登場人物全員の演技がとにかくすごい。特にリアの長女と次女の狂気の様は私もが歯を食いしばって苛立ちを感じた。

ラストは登場人物の死が自業自得&天命な面もあって「ハムレット」ほど悲劇には感じなかったが、4時間弱、全く飽きることなく楽しめる舞台であった。

今回のシネリーブルの催しで「リア王」が上映されることはないが、毎年のように何処かでは上映しているようなので、観たことのない人は絶対に観てほしい。

自分は学生なので2500円で鑑賞したが、お釣りが返ってくると言っていいほど素晴らしい作品なので是非。

• #りょうすけNTL

2021-12-03記。
長いけど途中休憩が20分もあり、ちょっと仮眠できたので後半スッキリ楽しめた。
あえて狭くしたという舞台は、生なら息遣いまで分かりそう。
シェイクスピアの名作で聞いたことはあるけど、ちゃんと見た(読んだ)ことはないという人は多いはず。私もその1人。また、何度も映画化されてるのに、なぜかTSUTAYAにない。
日本だと家康の時代に、イギリスではこんなのが上演されてたのかぁ。3人の娘のシンプルな話と思いきや、展開はエグい。
黒澤明の『乱』と比較しようと思ったが、生半可ではないな。
その前にアンソニー・ホプキンス版とかゴダール版も見てみるか。

ストーリーはなんとなく知ってるつもりだったが、ラストのたたみかける悲劇はすごかった。リア王を演じたイアン・マッケランの演技は、圧巻だった。

狭いステージで少ない観客の中でのライブ。
ステージにかなりの量の雨を降らせる演出もすごい。場面が変わっても、みんなびしゃびしゃになって演じていた。

道化の存在はなんなんだろう。
リア王になれなれしく、リア王からの信頼もある。でも気づけば途中から登場しなくなっていた。

そしてふたりの娘に裏切られて、ぼろぼろになっていくリア王。切ない物語だった。