ナショナル・シアター・ライヴ 2019 リア王の作品情報・感想・評価

ナショナル・シアター・ライヴ 2019 リア王2018年製作の映画)

National Theatre Live: King Lear

上映日:2019年04月19日

製作国:

上映時間:229分

4.2

あらすじ

『ナショナル・シアター・ライヴ 2019 リア王』に投稿された感想・評価

桃龍

桃龍の感想・評価

3.5
2021-12-03記。
長いけど途中休憩が20分もあり、ちょっと仮眠できたので後半スッキリ楽しめた。
あえて狭くしたという舞台は、生なら息遣いまで分かりそう。
シェイクスピアの名作で聞いたことはあるけど、ちゃんと見た(読んだ)ことはないという人は多いはず。私もその1人。また、何度も映画化されてるのに、なぜかTSUTAYAにない。
日本だと家康の時代に、イギリスではこんなのが上演されてたのかぁ。3人の娘のシンプルな話と思いきや、展開はエグい。
黒澤明の『乱』と比較しようと思ったが、生半可ではないな。
その前にアンソニー・ホプキンス版とかゴダール版も見てみるか。
e

eの感想・評価

3.5
イアン・マッケランとグロスター卿の演技が壮絶だった。
ストーリーや演出は矛盾を感じる点が多かったけど、この2人の威力で最後まで引っ張られていってる舞台。
リア王観たのは初めてだけど、グロテスクな物語だ…

冒頭の衣装やセットがすごく好みだったが、だんだんグロテスクになったり現代になったりして若干統一性には欠けていた。
でも今思ったけど、最初は中世っぽい衣装やセットだったのが、近代、現代(点滴のある病院や迷彩柄の軍服)と移行しているのは、この舞台の世界観が古いものから新しいものへと移行していることを示しているのかも。
人工的な管に繋がれて「ここはどこだ?」と戸惑う病院で目覚めたときのリアの姿は、医療技術や科学技術の発展についていけず置いてきぼりになってしまった老人のような心細さを感じさせる。

女性陣の演技については、長女が1番良かった。何かを耐えに耐えている表情がたまらん。子供の頃から長女としていろいろ頑張ってきたのに認めてもらえず、何もしてない三女が可愛がられて悔しいとか。ずっと我慢して時を待ってたのに、やっぱり自分の思い通りにはさせてもらえない不自由さへの憤りとか。土地も娘にやると言いながら、持ち主は夫みたいだし、その理不尽さへの苛立ちとか。きっと結婚も父親が決めた望まない相手とさせられたんだろうなとか。父親に純粋な愛情を注げない理由がいくらでも浮かんでくるような演技だった。
次女はインパクト強かったが、キャラクターとして猟奇的すぎてヤバい。ひどい娘どころじゃない、なぜかはよくわからないが彼女もめちゃくちゃ狂ってる。この人はただ欲望に忠実なだけって感じだった。
末娘はシラノでも観た方だけど、姉たちに負けず劣らずプライドが高くて打算的な感じがした。嘘をつかないことで「高潔な私」を気取ってるけど、姉たちと対等に貶し合ってるし、別に心優しいわけじゃないよね?と思ってしまう。軍服着て嫁ぎ先の国の軍を率いて攻めてくるとかも、超野心的では。もはや「私は正直さゆえに父に勘当されました」というのもその場にいたフランス王に拾ってもらうことを計算した上での行いだった説もある。フランス王も優しいというよりは弱者に手を差し伸べる自分に酔ってる感があったし、完全な善人はいない苦々しい舞台という印象だったな。グロスター卿も後半は痛々しいけど前半のエドモンドの扱いひどかったし。
パンフレットにもあったけど、もともとの戯曲ではいかにも「女性らしい」、慎ましく穏やかで優しいイメージで語られていそうだけど、この舞台ではそういう雰囲気ではないからところどころ台詞と噛み合わないのはわかる。

ケント伯は女性にしたからこそ余計キャラに古さを感じてしまったかもしれない。男性版知らないけど。特に最後、リアの後を追って自分も死ぬと宣言するのがロミオとジュリエットのようで古くさかった。残ったの若い男2人だし、え、現代版演出で男2人に今後の世の中の未来を任せてしまっていいの?となる。そこで自ら表舞台から身を引くなら、わざわざ女性にした意味は何?と思ってしまった。
グロスター卿の嫡男はめちゃくちゃいい人だけど、ゴネリルの夫は最初からゴネリルを憎んでる感じが怖くて嫌。

あとつじつまでいうと、エドガー2人も人殺してたけど、最初のナイフの持ち方からして絶対弱いから普通なら負けるはずだよね。
雨のシーンの途中で少し眠ってしまったが、見応えがあって、観た後の疲労感が辛いけど心地よかった。
waki

wakiの感想・評価

4.5
シェイクスピア4大悲劇として有名過ぎて逆に見たことがなかったので、上映権切れる前に鑑賞。なんと日本で見られる最後の機会だった。
イアン・マッケラン演じるリア王の圧倒的な存在感。本当に(当時)79歳なのかと疑いたくなるくらいの気迫と体力で、とてつもなくエネルギッシュな芝居をしてくるから鑑賞者のエネルギーさえも吸い取ってしまえそうだなと思った。
身体がビリビリ震えて、見終わったとき思わず止めていた息を深く吐き出す感覚。この幸せな疲労感を味わうために芝居を見るんだよな。
末娘コーディリア役の人ってシラノでロクサーヌ役してた人だよね。どちらも実直で賢い女性を演じてて素敵だった。
lololo

lololoの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

原作読んだことなく、この舞台だけを見ての感想は、「愚かな父親たちが招いた悲劇」だなぁ、と。
リア王は舌先三寸の娘二人に騙されて、高潔な愛に満ちたコーディーリアの心に気付けなかった。グロスター伯爵は、エドモンドを“いい思いをさせてくれた女の息子だから認知した”と言ってあからさまにエドモンドを小馬鹿にして、エドガーを贔屓し続けた。
その結果、リア王は娘二人に見捨てられたし、グロスター伯爵はどんどん破滅の道を進んでしまった。見るも無惨な姿になった二人を救ったのが、リア王に勘当されたコーディーリアと、グロスター伯爵に裏切り者だと勘違いされたエドガーだと言うのは切ない。この騒動の一番の被害者は、コーディーリアとエドガーだと思う…。

演技は、なんかもう全員「怪演」って感じで引き込まれた。

イアン・マッケラン、国王→狂人→父親というあらゆる顔をごく自然に演じて見せるものだから、「この人もしかして本当に狂ってしまっているんじゃ…?」みたいな気持ちになるのすごい。大雨(しかもその後かなり長い間舞台の床びしゃびしゃ)の中の演技とか、体力あるよな…。
以前NTliveで「誰もいない国」を見た時は、どちらかと言えば庶民の役だったと記憶しているので、そのオーラの違いもすごい。

それにしても、ルーク・トンプソンasエドガーの恵まれた体躯があまりにも見事で、ほぼ出番中は裸みたいなところあったけど、これで狂人の浮浪者は無理があるぞ!なんて思った(それくらい美しい体だった)。裸で雨に濡れて演技しっぱなしで「トムは寒いよ」がほんとに寒そうだった。

コーディーリアも、どんな時も凛とした態度で姿勢がシュッとしてて、ああこの人本当に心根が真っ直ぐすぎたんだろうな…と姿を見るたび胸が痛んだ。
hk

hkの感想・評価

4.1
タロットに運命の輪というカードがあります。

リア王が引いた運命の輪が及ぼす影響は大きく、様々な人を巻き込み、最後の一回転をして永久に停止した。

そんな印象が残りました。

素晴らしい作品だと思います。
機会があれば、ぜひ見てください。
想像以上に泥沼。
道化と賢者 欲望の代償とは 
なんとも言えない距離感から狂いゆく王を眺める。良き王だったのか暴君だったのか、過去は語られず。ただ現在進行形の破滅が緩やかに見せられる。リチャード三世といい出自の呪いによって倒錯する人物の描かれ方が巧い。同情はできぬが理解はギリギリできなくもない塩梅。エドガーの良心…
ドン底だと言えるときにはまだ堕ちられる
赤子はこの世に生まれて、愚か者ばかりの舞台に立たされたことを泣くのだ

老人は耐え抜いた。我々若者はこれほどまでに長くは生きられまい

現代版な演出 
確かにシェイクスピアは年代を規定していない。性別も?
花と老人に弱い
chaooon

chaooonの感想・評価

4.2
現在、シネ・リーブル池袋のNTLive夏祭り2021が開催中🌺✨
今作『リア王』もアンコール上映が今週8/9(月)と8/11(水)にあります✨


ということで、2020年劇場鑑賞作品の忘れ物レビュー…✍️

シネ・リーブル池袋のNTLive冬祭り2020から1本目❄️✨✨
(夏祭り2020レビューが終わってないんですが、一旦冬祭りへ❄️😂)

シェイクスピア四大悲劇の一つ🎭
4作の中だとこれが一番人間の心理を深くついてる気がして好きです。
(他の3作は復讐と狂気、謀略の話だから、共感しづらいのよねー🙄)
単純に他の作品に比べて初見でもわかりやすい作りでシンプルだから、入り込みやすいかも。

家族の話であり、人が犯してしまいがちな過ちの話。
それが悲劇へと大きく傾いてしまう切なくて痛々しい。
この欺瞞に満ちた世界で、真に自分に誠意と愛を尽くしてくれる存在を見極めることは難しい。
そしてそれに気づいた時にはもう遅過ぎて取り返しがつかないところまで来てしまった自分に絶望する。
こんな悲しい物語あるー😭!?
大袈裟な部分はあれど、普遍的な物語だと思う。

昔友人がアマチュア劇団でリア王を演じたのを観に行ったので、大体のあらすじや結末は頭に入っていたつもりだったけど、結構細部を忘れていたので、改めてこの悲しき物語に心を痛めることができた🥺
それにイギリスの一流の俳優たちやカンパニーが作り上げる渾身の舞台はやはり迫力が全然違う✨

イアン・マッケランが挑む、おそらく最後のシェイクスピア舞台と言われた集大成的舞台✨
普通だったら彼の知名度的に大劇場でやるところを、演出と舞台の近さを優先して、敢えて小劇場であるデューク•オブ・ヨークス劇場を好んで選んだとか。
なんというこだわり!!

サーの称号を持つイアン・マッケランが演じるリア王は、さすが気品と威厳さに溢れ、かつての気性の荒さと傲慢さが顔を出す。
ただ老いとともに耄碌していく頭と心が見せる頼りない姿。
そして実の娘たちに心を砕かれ狂気を孕んでいく虚な姿。
全てに説得力があり、見応えがたっぷりであった✨

当時79歳で80歳と言う設定のリア王に近い年齢であったが、舞台上で降り注ぐ雨(リアルな水の演出)でずぶ濡れの姿まで見せる体当たり!
あれを毎日繰り返しやっていたなんて、お身体は大丈夫なんでしょうか😂

素晴らしいマッケランに見劣りせず、心を駆られたのはグロスター卿を演じたダニー・ウェッブ✨
リア王は少々自業自得的な部分があるけど、グロスター卿はもうホント気の毒というか、彼の物語の方が泣けた😭

それと本来男性として描かれるケント伯爵を女性が演じていたのは、エッジが効いていた。
NTLだとよくシェイクスピア作品の役を女性に置き換えるのはよくあるけど、真心の象徴でのあるケントを女性が演じることで、そのあたりが際立っているように感じた。

あとは末娘コーディリア役を『NTLシラノ・ド・ベルジュラック』でロクサーヌを演じてたアニタ=ジョイ・ウワジェ❣️
ロクサーヌ役も好きだったけど、今回の実直で不器用な末娘役がとても凛とした感じでよかった✨

一応時代設定が現代に置かれていて、国や軍のスタイルなんかも多分演出が変わっていたようなのだけど、ぱっと見でわかるのは服装ぐらいかな…。
パンフを読むと、旧体制と新時代の対比とか、道化の立ち位置とか、何やら意味あるみたいだけど、その辺はあんまり読み解けず😂
その辺もちゃんと理解できたら、もっと深みが増すのかもしれない…🤔
それはまたの機会に…。
茶

茶の感想・評価

4.5
イアンマッケランの威厳がやばすぎた
めちゃめちゃかっこいい
みんなそれぞれ自分勝手で、それがうまく噛み合ってしまってどんどん悲劇が作られていく感じが運命的だったし、運命的なのがまた悲劇的だった。やばーーーい……カーテンコールのイアンマッケランまじでかっこよすぎた
ebr

ebrの感想・評価

4.3
事前予習無しで視聴。シェイクスピアの舞台は初めて観るので途中は訳がわからなくなってたが本当に面白かった。前半は人間の悪意と醜さが全面に出ててめちゃくちゃキツかったが後半の怒涛の勢いには圧巻された…人間の老い、老いた人間の扱い諸々自分の将来、自分の親の将来色々考えてしまって本当に精神にキた。時の流れの残酷さを見せられてツライ。
全員の演技が凄かったがやっぱりイアンマッケランが凄すぎた…あの狂気の演技が終わったカーテンコールの時にリア王とは全く違う「イアンマッケランの笑み」を浮かべていて今ここにはイアンマッケランが居るしリア王は本当にそこに居たんだなって思わされそこだけでも涙出た凄くかっこよかった…ストーリーで気に食わないのはケントの考えが全く意味がわからない所。王を思うなら娘宅での暴挙を止めさせるのが普通かと思うのにそれに乗じているのが善人を装った狂人感がして怖い全く何考えてるかわからない。
とにかく本当に良かったのでイアンマッケランの凄さに一度は触れてみた方が良いと思う。他舞台作品も映画作品も観ようと思う。
t

tの感想・評価

3.8
Shakespeareの四大悲劇「Hamlet」「Macbeth」「Othello」「King Lear」の中では、、、個人的には前者二つの方が断然好きかな、うん、内容的にはね。(Othelloは読んでない)

でもIan McKellenがすごい。とりあえず体力えげつないよ。80手前で3時間半の舞台の主役を演じるってもうすごい、ずぶ濡れになって、女性担いで、私でも次の日倒れる。1幕の初めの彼と2幕の最後の彼、もうほんとに別人。あんなに威厳のあった人物があそこまで落ちぶれてあんなに惨めな姿になるなんて。とはいうてもIanという人間自身を心配させることなく(年齢的にもそうなりやすいし)、役としての姿であったもんな。うーん、すごいな。

そしてあの末っ子なんか見たことある顔してると思ったら、「Cyrano de Bergerac」のヒロインとして出演してたAnita-Joy Uwajehさんやったんや。ちょっとでも人間味が最初から最後まで見えなくて、共感しづらかったかなぁと。

正直なところ言うと、King Lear以外のキャラクターに全然魅力感じなかったのよねぇ、、、「Follies」の出演者が全員素晴らしすぎてそう思っちゃうんかしら?
あでも、Edmundは見た目が良かった笑

演出もうーんやな、比喩っぽくするんかリアルにするんかもうちょっと統一したほうがいいんじゃないかと。あとあの凄い大雨いるんかな、"大胆な演出してますよ"ってアピールされてるような気がしてしかたなかった。あの花道も、客席をあそこまで減らしてまで必要やったのかと言われるとそんなことはない気がするし。

でも気になったのは、マイクってどうしてるん?一応背中に線ついてたから頭の方とかにマイクついてるんかなおもたけど、全然見えへんし、しかも水ずぶ濡れやったし。ウォータープルーフなんかな?笑

私はあんまり好みではなかったけど、とりあえずIan McKellenがすごいです。
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