最後に今特集の当たりをようやく引いた感じはあるが、それは当然『下女』のリメイクだからある程度の面白さが保証されていると言う事に他ならない訳で、映画の出来としても圧倒的にオリジナル版の方に軍配があがる。オリジナル版の方が人物像・関係や舞台(一階・階段・二階)、事件の経緯に関しても全てがスッキリとしているし、やっぱりあのオチが俺は大好きで堪らんのだ(余計なお世話じゃい!と笑ってしまう感じ)。地下室、養鶏場なんてフィールドが追加されたせいで全体像がぼんやりしてしまうし、そもそもの作りがこちらの方が圧倒的に粗い、火サス感が強すぎる。ボヨーンとした金八先生みたいな音楽も雰囲気を損ねてしまうし、オリジナルではただ無心でミシンを踏み続け耐え忍ぶ正妻がこちらではまぁまぁしゃしゃり出て来る。終盤の銀粉SEXは誰がこれでヌケんのかマジで謎な粉物AV感があって良かったのだが、芦川いづみ似の愛人もMy Little Loverにいそうな感じになってしまってトーンダウン、ただ太腿だけは◎。採りたて卵をそのまま丸飲みするのはサルモネラ菌とか大丈夫なのか心配になった。飼料用のミンチマシーンとか、なんか違うのだよ、面白かったけど。キム・ギヨンは『下女』で燃え尽きた説再燃、たぶんシネフィルで無ければスルーしてなんら差し支えない監督さんなんだと思う…。とりあえず『下女』だけは観ましょう、股間にみかん、現場からは以上です。