ハム・オン・ライを配信している動画配信サービス

『ハム・オン・ライ』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

ハム・オン・ライ
動画配信は2025年5月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

ハム・オン・ライの作品紹介

ハム・オン・ライのあらすじ

とある地方の町に暮らすヘイリー、グウェン、トリッシュの3人と、同年代の少年少女たち。思い思いに着飾った彼女たちは、期待と不安を抱えながら地元のお店・モンティーズへと向かう。ハム・オン・ライ(サンドイッチ)をかじりながら、これから店内で行われる通過儀礼のような"儀式"を待つ一同。そして始まった儀式にヘイリーも参加するのだが… 若者たちの選択と将来を、タオルミーナ監督の仕掛けが示唆する青春譚。

ハム・オン・ライの監督

タイラー・タオルミーナ

原題
Ham on Rye
製作年
2019年
製作国
アメリカ
上映時間
85分

『ハム・オン・ライ』に投稿された感想・評価

tetsu
4.0
機会があり、鑑賞。


[あらすじ]

とある田舎町で行われるティーンエイジャーたちの怪しいダンスパーティー。しかし、物語はそこから思いもよらぬ方向へ……。


[雑感]

他のレビューにざっと目を通しても、イマイチ全容が掴めなかった本作。

そのため、百聞は一見にしかず、鑑賞してみたが、それもそのはずな「なんじゃこりゃ?!」映画であった。


[ティーン映画のような前半戦]

個性豊かな男子・女子のグループが登場し、ひとつの場所に集まっていく前半は、まさしく、アメリカのインディーズ青春映画の様相。

キャッチーなハンドサイン(👍👎👉)でパートナーを指名するダンスパーティーの場面は特に最高で心が踊った。


[学生が配給?!]

前半の作風は、名の知れたところで言うと『エイス・グレード』や『ブックスマート』、より方向性が近いのは『アメリカン・スリープ・オーバー』、『ガール・アスリープ』といった印象を受けた。

ニッチな映画好きからすると、まさしく「グッチーズ・フリースクールが好きそう」な作品だが、実は本作の配給は学生団体が担当(←ここ重要)しているのもポイント。

ミニシアターを拠点に活動する映画チア部大阪支部では、これまでに日本未公開音楽ドキュメンタリーの『My Secret World』、『ティーンエイジ・スーパースターズ』を続けて配給しており、本作は、その第3弾。

7年目を迎える団体にとって、これはマジで大きな功績だと思うので、今後も続けていってほしいですね……。


[まさかの後半戦]

ここからは本作の重要なネタバレになる可能性があるので、今後、観る予定がある方、ここまでですでに興味が湧いた方はスルーで……。

序盤で青春映画の様相だった本作は、中盤に大きな転換を迎える。

ダンスパーティーの最中、ミラーボールのような謎の光を浴びた若者たちは、忽然と姿を消していく……。

海外のレビューではデヴィッド・リンチ的とも評された衝撃に、筆者は疑問符を浮かべ、一気に惹き込まれた。

「アブダクション?!(宇宙人による誘拐)」と思いつつ、『SUPER 8』や「ストレンジャー・シングス」のような物語を予想していると、待ち受けるのはさらに意外な展開。

本作では、それ以降、淡々と田舎町に住む大人(それも現状に後悔している模様)たちと残された若者の姿が映し出されていくのだ。

消えた若者たちの親、あるいは、若者たちの未来の姿のようにも見える大人たちだが、その正体は明かされず、本作では別の部分が重要視される。

「若者」と「大人」、「青春」と「過ぎた青春」、「町を出た者」と「町にとどまる者」との対比。

そこから、何を感じとるのかは人それぞれだが、明確にされない部分が多いからこそ、味わい深い作品だと思った。


[最後に]

本作が迎えるラストには大きな余白があり、まるで"ふわふわと漂う風船"のような余韻が残った。

そのため、好き嫌いが分かれる作品だとは思うが、そんな部分も含めて、観た後に誰かと話したくなる映画なのは確かだった。

上映機会が少ない本作だけに、是非、友人や知り合い、恋人などと鑑賞してほしい一作だと思った。

参考

『ハム・オン・ライ』限定上映&アフタートーク決定! | 神戸・元町商店街のミニシアター『元町映画館』
https://www.motoei.com/post_event/hamonrye/ 
(詳細はこちら。)

学生たちが関西のミニシアターを応援!「映画チア部」 | ラジオ関西 JOCR 558KHz
https://jocr.jp/cinema/20220722103726/ 
(映画チア部がイベントを紹介!後半には自分も登場しますが、それは後述。笑)

2024/8/7 追記
#シリーズ:長編デビュー作 を追加しました!
同年代の少年少女たちが着飾り、地元のお店「モンティーズ」でサンドイッチを食べながら、店内で行われるある儀式とその先のお話。

違う映画目的のついでに鑑賞しましたが、1週間しか上映がないこちらのほうが刺激的で大変良かったです。

ある意味大人になるための通過儀礼のような儀式があるのですが、それまでの期待感を裏切るように、そのものの核心を描かずに、儀式によって音信不通になってしまった友人とドロップアウトしてしまった主人公の挫折感すらも、間接的にその街そのものの退廃感とともに、期待や希望を失ってしまった大人との隔絶を隠喩として表現していて、そのカットやシーンそれぞれに明解な答えが示される訳ではないのに、過ぎ去った青春の苦々しさを感じさせるところが素晴らしかったです。

フライヤーに使われている手指のカットの多用がフェチシズムでもあり、台詞が無くても小気味よく表現できていることの恐ろしさ、難解に捉えようとせずに、大人や子供の見え方の可変ぶりをそのまま味わえばよいと感じました。
タイラー・タオルミーナ監督の長編デビュー作。一言、何なんだ、これは?

リチャード・リンクレイターな前半とデイヴィッド・リンチな後半とは言い得て妙。最初はよくあるプロムを舞台にした青春群像劇かなと思いました。それでも少し奇妙。年代がわからない。いろんな年代に見える。インスタントカメラは80年代だし、クルマは70年代だったり、現代だったり。エルヴィスのマグカップとか。

そして後半から徐々にテーマが見えてくる。出ていった者たちと、残った者たち。その断絶……だと思う。

ちょっと、もう一回観てみたい。

『ハム・オン・ライ』に似ている作品

アメリカン・スリープオーバー

上映日:

2016年08月27日

製作国:

上映時間:

97分

ジャンル:

3.6

あらすじ

新学期を目前に控えた夏の終わり、マギーはプールサイドで自分の夏の“物足りなさ”をなげき、「もっと“楽しいなにか”をするべきじゃないか」とぼやいていた。翌日に街で開かれるパレードで、仲間たち…

>>続きを読む

彼女と僕のいた場所

製作国:

上映時間:

96分
3.5

あらすじ

グローバーにとって最悪の事態は、恋人・ジェーンがプラハへ留学してしまったこと。2人でアパートを借りて小説家の道を歩もうとしていた彼の面目は丸潰れ。大学時代の悪友と毎日ばかをやって過ごし、彼…

>>続きを読む

ファルコン・レイク

上映日:

2023年08月25日

製作国:

上映時間:

100分

ジャンル:

配給:

  • パルコ
3.9

あらすじ

もうすぐ 14 歳になる少年バスティアンは、母の友人ルイーズのもとでひと夏を過ごすため、家族でフランスからカナダ・ケベックの湖畔にあるコテージを訪れる。森、湖、深い自然に囲まれて過ごす数日…

>>続きを読む

the Memory Lane

製作国:

上映時間:

25分
3.1

あらすじ

コロナ禍で人知れず閉鎖が決まった大学キャンパス。かつてそこを遊び場としたやつらがいた。スケートボードの車輪は移ろいゆく季節と、去りゆく時間を巻き込みながら回り続ける。それは彼らの“遊び”で…

>>続きを読む

ここは退屈迎えに来て

上映日:

2018年10月19日

製作国:

上映時間:

98分

ジャンル:

3.3

あらすじ

マスコミ業界を志望して上京したものの、10年後地元に戻ってきた27歳の「私」(橋本愛)。実家に住みながらフリーライターとしてタウン誌で記事を書いている冴えない日々。高校時代に仲の良かった友…

>>続きを読む

さよなら、退屈なレオニー

上映日:

2019年06月15日

製作国:

上映時間:

96分

ジャンル:

3.6

あらすじ

カナダ・ケベックの海辺の街で暮らす17歳の少女、レオニー。高校卒業を一ヶ月後に控えながら、どこかイライラした毎日を送っていた。退屈な街を飛び出したくて仕方ないけれど、自分が何をしたいかわか…

>>続きを読む

君と一緒に過ごした夏

製作国:

上映時間:

107分

ジャンル:

3.7

あらすじ

ベストセラー青春小説が映画化!大学入学前の夏、不眠症のオーデンはミステリアスな青年イーライと出会い、気ままなティーンライフを体験し始める。