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『田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版』に投稿された感想・評価

4.2
【揺らぐ絶対主義的価値】

(※リマスターじゃないのと同じレビューです)

司祭は、キリスト教、つまり、カトリックのメタファーだ。

二つの大戦を経て、それまでの宗教的価値は揺らぎ、司祭が問答を繰り返して揺れ動く姿や少女との交流は、カトリックが自己崩壊しつつあったことを示唆しているのだと思うし、領主や村人との軋轢や、彼らの従来の価値観へのチャレンジも崩壊の序章だったのだ。

映画「二人のローマ教皇」で、現在、ローマ・カトリックは、神父達が起こす性的虐待について、当事者を裁くことを躊躇(ためら)うばかりか、隠ぺいしようとする傾向が強く、この体質について一般社会からの批判や怒りが頂点に達し、性自認を含む新たな価値観を含む相対主義の挑戦と共に、ローマ・カトリックの土台を大きく揺さぶっているという話しがあったと思う。

これも、前段の文脈と照らし合わせると非常に類似しているように感じる。

内部崩壊と外部からの価値観へのチャレンジ。

こうしたカトリックの宗教的価値の崩壊は、この時点で既にあったのだ。

相対主義の対義語は、絶対主義だ。
絶対主義は、歴史や文化的なものに依存せず、どのような観点からも正しいとされる命題があるのだという考え方で、それこそがキリスト教の神なのだという、キリスト教の18世紀中頃の思想から始まったものだ。

その後、絶対君主制と歩調を合わせるように生きながらえてきたカトリックの絶対主義的価値は、革命や、二つの大戦を経た民主主義社会への道程のなかで、揺らぎ始め、現在に至っているのだ。

シネマトグラフという手法に触れるとともに、秘められたメッセージを考える作品ではないかと思う。

現代にも通じるメッセージで、古いとか、決して過去に追いやられるようなものではない気がする。
4.2
 『バルタザールどこへ行く』(66年)『少女ムシェット』(67年)などの作品で知られる巨匠ロベール・ブレッソンが監督を務め、後世の映画に多大なる影響を及ぼした名作中の名作である。原作は、思想家のジョルジュ・ベルナノスが1936年に執筆した同名小説。フランスの田舎に赴任した若い司祭が、理想と現実の間で苦悩する姿を淡々としたタッチで描き出していく。
 とにかく観ていて辛い作品である。生真面目な主人公は村人たちに対して懸命にキリスト教の愛と信仰を説くが、すでに信仰を失った村人たちは彼のことを快く思わない。それどころか、主人公の実直な態度はひたすら裏目に出るばかりで、村人たちとの溝はますます深まっていく。もともと胃の調子が悪く、赤ワインとパンしか口にしていなかった主人公は次第に憔悴していき、アルコール中毒に陥った挙げ句、遂には胃癌まで発覚。正に不幸と絶望のフルコースである。「神よ、なぜ私に罰を与えるのですか?」次から次へと災難に見舞われても、それでもなお神を信じ続ける主人公は、まるで旧約聖書『ヨブ記』の主人公ヨブのようだ。神の壮大な計画は人間には到底理解できるものではないのだから、疑いを持たずひたすら神を信じ続けよ——いつかは報われる日がくる。ヨブと同じように、本作の主人公もそう信じている。しかし神はただ沈黙するのみで、やはり最後まで救いが与えられることはない。信仰を試され続ける司祭の絶望の日々を描いた『田舎司祭の日記』は、あまりにも不条理すぎて最早ブラック・コメディのようだ。「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」と、喜劇王チャールズ・チャップリンも言っていたように。
 『タクシードライバー』(76年)『魂のゆくえ』(17年)『ジョーカー』(19年)へと引き継がれる、「孤独」と「絶望」の原点がここにある。「信仰」という名のオタメボカシのグロテスクさと、それでも「信仰」を捨てることができない人間の愚かしさを容赦なく描き切った傑作である。
形骸化した宗教と信仰心の乖離。敬虔で実直ゆえに処世というものを知らず、深い孤独に苛まれた若き司祭の慟哭(それすらも神の思し召しであるという)。まだこの時点では削ぎ落としへの偏執がそれほど徹底されておらず、むしろブレッソンの作品で多少なりとも劇伴演出が味わえるのが新鮮だった。纏わりつくような重い厭世感は一貫していて、特に森の外れを彷徨う悪夢のようなショットは圧巻。一枚一枚のショットが本当に美しかったな

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