フローリアン・ゼレール監督が描く家族3部作の第2幕。
「ファーザー」に続き、今作は「息子」。
完璧を作り上げようとする父とうつ病になってしまった息子のドラマ。
いやー、ゼレール監督、家族の嫌な部分を描くのに容赦ない。
しかしふと家族の美しい場面もさり気なく入れてくるのは流石。
息子の本質を見ようとせず、問い詰めてしまう父。
不登校になった息子の胸の内を聞きもせず、自分の意見だけを突き通す姿が痛々しい。
息子のうつ病の原因が家庭環境に間違いなく存在し、その原因が自分にあるとは微塵も思わない。
両親の離婚、環境の変化、孤独。
見て見ぬふりが通用しなった先にある展開が、重く辛く纏わりつくような余韻。
家族の呪縛を象徴するアンソニー・ホプキンスも中々の存在感。
自分がした家族への裏切りが生んだ亀裂。
その代償は大きすぎた、、、。
思い出と現実が交錯し、幻想が全てを物語るラストシーンは壮絶だった。
家族の関係性も見応えがあり、想像の余地も残された良作でした。
しかし、家族3部作の最終章の題材が気になる一方、少し観るのが怖い気もする。
それでも楽しみ。
