彦次郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

3.3

詩人、歌人、劇作家、評論家、映画監督など各方面に足跡を残したマルチクリエイターによる作品。元は評論作にして劇作品の模様。
冒頭から視聴者に語りかけるような斬新さですが斬新過ぎて話の内容が頭に入っていき
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東京オリンピック(1965年製作の映画)

3.6

1964年東京オリンピックの記録映画。
ビルの解体からの始まりは雨の中を行進する学徒出陣の記録映像から20年にして戦争から平和への移行が完了した事を内外に示す意図もあったのでしょうか。
開幕から閉幕ま
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48時間(1982年製作の映画)

3.5

荒くれ者みたいな刑事と口八丁な囚人がタイムリミット内に強盗殺人犯達を追うクライムアクション。
48時間というタイムリミット(多分タイトルが2日間だったら緊張感が薄れる)、白人黒人で性格が水と油みたいな
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キック・オーバー(2011年製作の映画)

3.8

大金強奪後の逃走に失敗し刑務所に送られた男が中で懇意になった親子と協力しながら大金再強奪を企むクライムアクション。
舞台となるメキシコの刑務所が金さえあれば酒、煙草、クスリのみならず鉄砲も手に入るフリ
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幻夢戦記レダ(1985年製作の映画)

3.4

意中の人に自作テープを渡そうとすると異世界アシャンティに転送されレダの戦士として現実世界をも救う為活躍する陽子を描いたファンタジーアニメ。
解説が無いとサッパリ分からない数々の用語と世界観ですが冨山敬
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バッド・ウェイヴ(2017年製作の映画)

3.1

ロサンゼルス近郊の観光地に一軒しか無い探偵事務所のボスと部下が数珠繋ぎに事件に巻き込まれる話。
美女、友人、姪、愛犬、高利貸し、麻薬、ギャングの妻といった要素が絡んできますが地元感があるのが楽しいとこ
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.9

1942年ジャワ島での日本軍人と捕虜の対立友情と愛憎を描いた恐らく大島渚監督で最も有名かつヒットした作品。
メインテーマ曲の美しい旋律が印象的。
戦争シーンが無い異色さですが舞台が収容所に限定されてい
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夏の妹(1972年製作の映画)

3.7

沖縄から手紙をくれる兄を探しに若き義母と共に「本土」から来た少女の話。
イキナリ兄と出会う偶然はラブコメ的ですが義母と兄との青姦、父親がよく分からない様な人間関係とアダルト要素も入り込んでいます。普通
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儀式(1971年製作の映画)

3.8

男尊女卑が強烈な家長制度の崩壊を儀式と一族を通して描いたドラマ。
話の内容は異なりますが時間軸と日本の封建制度と近親相姦ついては手塚治虫先生の「奇子」に似ている気もします。
話は満州国崩壊と共に母子で
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東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語(1970年製作の映画)

3.8

第二次世界大戦を生き抜いた監督が語る知られざる戦争の話…では全然ない不条理タイムリープ映画。
学生活動家が冒頭ビデオカメラを奪われ追った相手はビルから転落。そこから意識を失った青年は仲間達から問い詰め
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少年(1969年製作の映画)

3.7

日本各地で当たり屋を繰り広げる一家のロードムービー。実際にあった事件を基にしているようです。
2021年には犬に噛まれたとして金品を要求する「噛まれ屋」なる職業が脚光を浴びているようですが時代的に遥か
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飼育(1961年製作の映画)

3.9

昭和20年戦争末期黒人兵を捕虜にした村人達が扱いに苦慮するドラマ。少年が黒人兵の世話をしていくうちに友情が芽生えて村人達の心も変えていく…というような美しい話ではまるでありません。
扱いが困ると役人や
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醒めながら見る夢(2014年製作の映画)

2.7

劇団女優と秘密結婚した人気演出家が相手の妹と再会する事で揺れ動くドラマ。元は舞台作品のようです。
人気演出家が嫁さん以外に極めて閉鎖的な為か妹側の方が話を動かしているイメージです。その妹は芸妓風キャバ
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ノー・マーシイ/非情の愛(1986年製作の映画)

3.1

相方を殺された刑事が州を跨いで執念で犯人を追い詰めるアクション、というのが表で裏はボスの女とのラブロマンスを描いた作品です。
刑事とはいえ洗車店員に変装しても情報取りに聞き込みに行っても全て暴力が発生
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サイレンサー第3弾/待伏部隊(1967年製作の映画)

3.1

60年代の香りを充満させたスパイコメディ映画シリーズ3作目。
美女になる囲まれたウハウハなスパイが主役という中二病患者でも妄想し得ない古典派ぶりにノックアウトです。
UFOとパイロットの記憶を取り戻す
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クリミナル・サスペクツ(2001年製作の映画)

3.3

やむを得ない事情でヤクザの運転手になった青年が裏社会のボスの相方誘拐事件に巻き込まれる大金を巡った実録サスペンス。
基本的には車中の会話が中心。襲撃してきた敵対ヤクザ、車を止めた周辺の店の夫婦や室内工
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キャプテン・ズーム(2006年製作の映画)

3.5

キャプテンズームとして活躍したオッさんが若き能力者達の教官となり悪となった兄と対峙するSFアクション。
透明化、パーツ巨大化、念力、怪力と特徴的な超能力を持つ少年少女たちを育てていくと共に自らも精神的
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きみが還る場所(2015年製作の映画)

3.1

交通事故で瀕死の重傷を負った牧師の体験を基にした宗教系感動ドラマ。
日頃から死に近しい様でも自分がその身になると客観的にはなれないというのは分かりやすいです。しかし牧師だからこそ臨死体験について思う事
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ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年製作の映画)

3.7

元FBIと元MI6の凄腕2人が反目しながらも体内に仕込んだウイルスで世界に災いをもたらす組織と戦うアクション映画。屈強なスキンヘッド2人だけでも暑苦しいのに敵もゴツいという男のてんこ盛りです。
ナンバ
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未来警察(1985年製作の映画)

3.4

ロボットが人間社会に入り込んだ近未来を描いたSFアクション映画。ロボットをAIに置き換えると充分に警告的な内容ですが80年代のチープさ故か全く未来的に感じないところが逆にリアルです。
虫の様なロボット
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君が君で君だ(2018年製作の映画)

3.0

尾崎豊、ブラッドピット、坂本龍馬というキャラクターで想う女性を10年見守る男達のドラマ。
隣室にこんな連中がいたらと思うと寒気が走りますがホラーにせず奇妙な味の作品として仕上げたところに面白味があると
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ON AIR 殺人ライブ(2013年製作の映画)

2.1

生放送中のラジオDJの元に殺人鬼より公開殺人電話がかかってくるサスペンス。
お約束の様に美女が囚われの身となる展開です。DJ、殺人鬼と美女、警察と三視点からドラマは進行していきますが抑揚がないためか非
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監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

4.0

テック企業関連の方々が身内にはSNSを制限させているというインタビューから始まり現代人が自身の情報を商品化させられているという現実を突きつけたドキュメンタリー。以前読んだ「ネット階級社会」という本にも>>続きを読む

NUMB[ナム] 極限の争奪戦(2015年製作の映画)

2.3

失職中の夫婦、ヒッチハイクの元受刑者と売春婦である妹が死んだ犯罪者の老人の地図から金貨を求めて雪山に向かうクライムサスペンス。
全てが偶然の積み重ねで進行していく伏線無しの潔いシナリオです。極寒の地に
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ビターコーヒーライフ(2012年製作の映画)

2.5

余命少ない珈琲屋のオヤジさんと義理の娘を中心としたヒューマンドラマ。
主演の入川氏も余命僅かの状況で撮影されたというオーバーラップ具合です。
話の展開が2時間ドラマの様な趣きですが親子の在り方について
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ライフ・ウィズ・ウォーター 水とともに生きる(2013年製作の映画)

2.9

世界各地の映像を使い水の大切さを訴えた感じのドキュメンタリー。
水源豊かな日本で暮らしていると実感できないが水が不足している地域での暮らしを見ていると有り難みが分かります。
中国のダムのスケールの大き
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恐竜を掘ろう(2013年製作の映画)

1.8

ちょっと人生に飽きた美術商のオッさんに手紙を出した少女が家出をして恐竜発掘好きの青年と関わるという不思議なドラマ。
主演の松方弘樹氏を始め出演陣が豪華です。ガッツ石松さんとか悪友関係をもっと広げたら面
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モンブラン殺人事件(2006年製作の映画)

2.5

15年前に行方不明になった青年の遺体が雪山で発見された事で揺れる人々を描いてミステリー。雪山の壮大さがしょっちゅう出てくるので環境映画ともいえます。
不仲とはいえ死に戸惑う夫婦、当時の恋人と家族、宝石
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手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー THE MOVIE 忍者・イン・ワンダーランド(2016年製作の映画)

3.0

スーパー戦隊お祭り作品。
伝説の忍者たちを蘇らせようとする悪の科学者との戦いが描かれています。せっかく蘇った忍者達1人ずつの個性が薄かったのが残念。

動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊(2017年製作の映画)

3.3

スーパー戦隊お祭り映画。
大体コラボものだとタイトルにVSがついていても共闘になるのが常ですが今作品では冒頭から激突しており飽きさせない展開。
未来から息子が来ての三世代邂逅も他作品では有りそうで無い
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アンデルセン童話 にんぎょ姫(1975年製作の映画)

3.2

偶然命を助けた王子を愛するが故に魔女との取引で人間化と引き換えに声を失った人魚の悲劇を描いた童話アニメ。
お相手が金髪イケメン、王子、腕っ節も強い、慈悲深く優しいと優良物件の極みの様な男性。ここまで美
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丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

4.2

何の価値も無いと思って譲られた鉢が「百万両の壺」だった事から巻き起こる騒動を描いた人情時代劇。齢30を待たずに死去(本人は嫌がってるのに日中戦争に行かされた)した山中貞雄監督の傑作。
隻眼隻腕の異形剣
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何が彼女をそうさせたか(1930年製作の映画)

3.8

非情な社会と運命に翻弄される少女を描いたサイレント映画。1930年という公開年から察するに当時の世界恐慌も影響していると思われます。
娘を残し自殺する父親(途中まで娘は知らないまま)、金を横領してサー
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フォーカス(2015年製作の映画)

3.5

手下を沢山抱える大物詐欺師と美人詐欺師を描いたクライムラブロマンス。
ミスディレクションを活かした巧みな騙しが痛快。特に「55」のくだりは爽快感も有ります。
個人的には前半の新人詐欺師の目線が観ている
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29歳問題(2017年製作の映画)

3.4

タイトル通りの年齢の女性が別の人生を送るもう1人の女性の部屋に住む事で人生を見つめ直すドラマ。
冒頭の出勤前の準備のリアリティが良かったです。
女性の年齢の末尾が9の時は大体こんな心理になるのでしょう
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クロノス(1992年製作の映画)

3.4

古来より伝わる昆虫入り精密機械クロノスにより吸血鬼化した古道具屋の爺さんと不老不死を狙う富豪と甥の闘争を描いたホラー。
普通なら爺様が若返る事で青年になるとかになりそうですが中年化する程度で後は怪物化
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