アフガニスタンの最前線基地に派遣されたデンマーク兵たちの7カ月間を追ったドキュメンタリー「アルマジロ」で、2010年の第62回カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞したヤヌス・メッツ監督の劇映>>続きを読む
もう10年以上もテレビドラマとして放送されていたというのに、まったくこれまでこのシリーズ、観たことがなかった。初めての映画化ということで、観客動員も立派な成績を上げているようだが、ドラマの体験がない自>>続きを読む
いかにもイギリスのブラックコメディという作品。戦後すぐのソ連の独裁者スターリンが死んだ後の、権力争いを、皮肉たっぷり、コミカルに描いて、なかなかに笑える作品だった。登場するのは、フルシチョフ、マレンコ>>続きを読む
フランソワ・オゾン監督にしては、意外にわかりやすい作品かもしれない。正反対の性格の、双生児の精神科医との情事に耽溺していく女性を描いた官能的な恋愛作品。ポスターのビジュアルがなかなか思わせぶりだが、話>>続きを読む
女性だけが集まったパレスチナ自治区ガザの美容院を舞台にしたシチュエーションドラマ(シーンがほぼひとつの場所だけに固定された物語)だ。それぞれの事情を抱え美容院にやってきた女性客たちと、ふたりの美容師、>>続きを読む
種々事情もあり、札幌と東京の劇場で2度観賞したが、どちらの回も満足度は高かった。2度観た理由のひとつは、結構複雑なプロットを再確認するため。このシリーズの特徴として、誰が敵で、誰が味方か、騙しと裏切り>>続きを読む
Netflixのオリジナル作品では、このところなかなかSFものが充実していて、少し前に観た「アナイアレイション -全滅領域-」も、実によくできていたが、この「エクスティンクション 地球奪還」も実に完成>>続きを読む
アメリカの恋愛小説のベストセラー作家ニコラス・スパークス原作の作品。彼はこれまで18作の長編小説を書いているが、そのうち11作品が映画化され、映画化率はかなり高い。映像化作品も、初期の「君に読む物語」>>続きを読む
これは重厚で観応えのある作品。自分としてはお薦めだ。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「ポーダーライン」や、Netflixオリジナル作品でありながらアカデミー賞作品賞にノミネートされた傑作「最後の追跡」の脚本>>続きを読む
「モテキ」や「バクマン。」、「SCOOP!」などの大根仁監督が、2011年に製作された韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」をリメイクした作品。1990年代とその20年後の時代が交互に描かれていく、少し変>>続きを読む
なんともストレートな邦題だが、もともとのタイトルはシンプルに「Ibiza」。ニューヨークからバルセロナに出張で訪れた主人公が、一緒についてきたルームメイトたちと出かけた現地のクラブでDJとに胸ときめか>>続きを読む
細田守監督の作品を初めて観たのは、2009年の「サマーウォーズ」だ。山間の村から始まって、壮大な空間へと広がっていく、その世界観のスケールに驚かされたものだ。その後、「おおかみこどもの雨と雪」、「バケ>>続きを読む
ヴィム・ヴェンダースが監督を務めた1999年製作の音楽ドキュメンタリー「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の「続編」という形をとってはいるが、実は、前作よりもはるかに対象を深掘りしており、もはや完全に>>続きを読む
「フランシス・ハ」(原題Frances Ha)という奇妙なタイトルについては、最後の場面でわかる。今年のアカデミー賞で作品賞他6部門にノミネートされた作品「レディ・バード」で、初の単独監督に挑戦したグ>>続きを読む
Netflixのオリジナル作品。何をセットアップするかというと、独身でハードワーカーの互いの上司をくっつけて、自分たちの仕事を少し軽くしようという目論見。あの手この手でふたりを結びつけようとする男女に>>続きを読む
Netflixのオリジナル作品。脚本は2010年にブラックリスト(評価は高いが映画化されていない作品)入りしていたもので、8年の月日をかけて、ついに映像化が実現したというところか。まず、物語の設定に興>>続きを読む
「ジュラシック・ワールド 炎の王国」の監督に大抜擢されたスペインの映画監督J・A・バヨナが、2012年にスペインとアメリカの合作としてメガホンをとった作品。2004年のスマトラ島沖地震を題材に、プーケ>>続きを読む
「エクス・マキナ」の監督であるアレックス・ガーランドが監督と脚本をつとめた作品。前作の「エクス・マキナ」で発揮されたこの監督独特の美意識は、この作品でも生かされており、不思議な空気感が流れるSF作品と>>続きを読む
タイトルからも想像できるように、レバノン内戦を舞台にしたサスペンス作品。アメリカでは劇場公開もされたようだが、日本ではNetflixでの配信。このところ、Netflix作品のオリジナル映画は、かなりク>>続きを読む
1993年の「ジュラシック・パーク」から25年、ジュラシックシリーズ全5作のなかでは、第1作と並ぶ素晴らしい出来かもしれない。そもそも第1作では、原作者のマイクル・クライトン自身が脚本執筆に参加してお>>続きを読む
なんとも安易な邦題がつけられてはいるが、原題は「Equity」。要するに、あるIT企業のエクイティファイナンス(新株発行による資金調達)をめぐって、それを取り仕切るウォール街のやり手の証券ウーマンと対>>続きを読む
自らのドキュメンタリーを「観察映画」と呼ぶ、想田和弘監督の作品を初めて観た。「観察映画」に関しては、監督自らがHPで披露している「観察映画の十戒」を参照してもらえば、わかりやすいが、要するに撮影は予断>>続きを読む
いまごろ観ることとなったが、このドキュメンタリーは2014年にリリースされている。アポロ17号で月に行き、月面を歩いたユージン・サーナン宇宙飛行士の半生を描いたものだが、彼は2017年1月、82歳で死>>続きを読む
このドキュメンタリーと映画「フォックスキャッチャー」を合わせて観ることで、大富豪ジョン・デュポンの起こした射殺事件の本質がわかってくるような気がする。映画では人間関係などがかなり脚色されているが、こち>>続きを読む
脚本が宮藤官九郎とは知らず観ていたのだが、やはり前半は圧倒的に登場人物どうしのセリフのやり取りが面白い。町田康の原作にそのような言葉が出てくるのかとも思ったが、それにしても役者の口をついてでてくるセリ>>続きを読む
この作品、いきなり冒頭のプールのシーンでやられる。予告編などでも流れている映像だが、季節外れのプールに制服のまま浮かぶ4人の高校生。この不思議かつ、大胆な導入シーンですっかりこの青春恋愛ドラマに引き込>>続きを読む
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」でキング夫人に挑戦状を叩きつけるかつての世界チャンピオンを演じているスティーヴ・カレルの代表作で、これまでまったくノーマークだった作品だが、カンヌ国際映画祭で監督賞を獲>>続きを読む
映画とはときどき厄介なものだと感じるときがある。目の前で観ている映像が現実だと思うと、それは主人公の頭の中で起きている幻想だったり、夢だったりする。だから、技巧派の監督の作品を観る場合は、いま目の前に>>続きを読む
1日で何本もまとめて作品を観ることがよくあるが、そんなとき、それほど観たいとは思わないのだが、タイムスケジュールの関係で、観賞予定に組み入れるものがある。この作品も実はそういうものだったのだが、これが>>続きを読む
この作品の舞台となっているコニーアイランドは、ニューヨークのブルックリンの南端にある近郊型リゾートだ。原題でもある「Wonder Wheel」(それにしても邦題の「女と男の観覧車」はひどい)は、文字通>>続きを読む
「リービング・ラスベガス」のニコラス・ケイジも、すっかりこの手のサスペンススリラーへの出演が多くなっているな。心機一転、新たな生活を始めるため田舎町のモーテルを買って、妻とともに経営を始めた主人公のレ>>続きを読む
これは面白い。途中から、まったく異なる作品にチェンジする二重構造の作品だが、始まり37分間のゾンビ映画が、がらりと変わるところが最大の見どころだ。もちろんゾンビ映画の部分もそれなりに楽しめる。なぜなら>>続きを読む
正直言って、餃子の街、宇都宮のPRのような作品だったが、案外に面白く観てしまった。バツイチ、シングルマザーの主人公の陽子が、東京から故郷の宇都宮に帰って、休業している実家の餃子店を再興する話なのだが、>>続きを読む
「スーサイド・スクワッド」のマーゴット・ロビーには何故か縁があるな。「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のトーニャー・ハーディング役もそうだったし、この作品の、核戦争による放射脳汚染から逃れて、>>続きを読む
井筒和幸監督の「パッチギ!」とほぼ同時代を舞台にした物語だが、あちらの場所が京都なら、こちらは大阪。飛行機の発着が頻繁なため、おそらく伊丹空港の近くだと思われるが、その猥雑な街で焼肉店「焼肉ドラゴン」>>続きを読む
「マイレージ、マイライフ」のジェイソン・ライトマン監督の新作ということで、期待していたが、正直言って、これはハズレかもしれない。仕事も育児も精力的にこなしてきた主人公マーロ(シャーリーズ・セロン)は、>>続きを読む