Inagaquilalaさんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

Inagaquilala

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シップ・イン・ア・ルーム(2017年製作の映画)

3.6

東京国際映画祭コンペティション部門の1本。「シップ・イン・ア・ルーム」というタイトルに惹かれて観賞。人生で初めて観るブルガリア発の作品。冒頭の走る列車から写した映像がまず印象的だった。このシーン結構長>>続きを読む

74歳のペリカンはパンを売る(2017年製作の映画)

3.2

タイトルにある「74歳のペリカン」とは人物ではなく、ペリカンという店そのものである。つまりこの作品がつくられた2016年でペリカンは創業74年を迎えたということである。作品のなかでは、「浅草」という地>>続きを読む

現れた男(2017年製作の映画)

3.3

東京国際映画祭「アジアの未来」の1本。公式パンフレットには「タイ文学界の若きカリスマ、プラープダー・ユン2本目の監督作」とあるが、彼は1973年生まれで、「若き」とは言えない感じだ。それとも、タイでの>>続きを読む

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)

4.1

ゴッホの絵にはただでさえ動きを感じるのに、この作品ではゴッホの絵がそのままアニメーションとなって、縦横無尽にスクリーンを動きまわる。実際、ゴッホの絵のタッチを生かした油絵が6万5000枚も描かれ、それ>>続きを読む

アダルトスクール(2003年製作の映画)

3.7

のちに「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(2009年)で大ヒットを飛ばすトッド・フィリップス監督の2003年の作品。ちょっと疲れた頭には、トッド・フィリップス監督の馬鹿騒ぎコメディ>>続きを読む

グッドランド(2017年製作の映画)

3.8

東京国際映画祭で観賞。コンペティション部門でグランプリに輝いたトルコ映画「グレイン」も観てはいるが、自分的にはこちらの作品のほうが観応えがあった。ルクセンブルクの新鋭ゴビンダ・バン・メーレが監督と脚本>>続きを読む

リュミエール!(2016年製作の映画)

4.2

これは映画ファンなら必ず観ておきたい作品だ。自分は東京国際映画祭で観賞、この直後に一般劇場での公開もスタートしたが、日本全国でわずか4館。映画史のスタートを垣間見ることのできる作品の公開がこれほど少な>>続きを読む

氷菓(2017年製作の映画)

3.7

この作品で注目したのは、広瀬アリスが果たして高校生役を無事にやりおおせるかという点だった。広瀬アリスは22歳、12月生まれだからまもなく23歳になる。かたや妹の広瀬すずは19歳、先日、観たばかりの「先>>続きを読む

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

4.2

これは素晴らしいドキュメンタリー作品。原発や地球温暖化に対しても発信を続ける音楽家・坂本龍一に2011年から5年間密着して、彼の音楽の現場はもちろん、世界各地に飛んで彼の探求する音と思考を追った貴重な>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.6

好きな俳優のひとりであるジェイク・ギレンホールが出演しているので、公開2日目に劇場に出かけた。ジェイク・ギレンホールは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「プリズナーズ」や「複製された男」に出演しているが、同>>続きを読む

シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

3.9

これはもう奇想というしかない。なにしろ韓国のソウルに現れた巨大怪獣が、アメリカの田舎町に住む主人公とシンクロしてしまうのだから。ニューヨークでライターとして働いていたグロリア(アン・ハサウェイ)は仕事>>続きを読む

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.4

残念ながら少し早く日本で公開された「ゲット・アウト」ほどの恐怖を、この作品から感じなかった。恐れを感じる少年少女たちだけに見えるという「IT」(町山智浩氏によれば「IT」とは「それ」でなく、鬼ごっこの>>続きを読む

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭ワールド・フォーカスで観賞。1997年、返還直前の香港で、監督・脚本のフルーツ・チャンが、フィルムは期限切れのものを集め、役者は素人をキャスティングして、8万ドルという低予算でつくった作>>続きを読む

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.5

設定が異色な作品だ。21世紀後半の未来社会、膨れ上がる人口とそれに反比例する食料不足で、政府は厳しい一人っ子政策をとっていた。もし二人目以降の子供が生まれたら、政府が引き取り、食料問題が解決する未来ま>>続きを読む

潜入者(2015年製作の映画)

4.0

今年5月に日本でも劇場公開されたのだが、油断していたらあっという間に終わってしまい観逃していた作品。すぐにこうしてタイムラグもあまりなく配信で観られるのが嬉しい。人気テレビシリーズ「ブレイキング・バッ>>続きを読む

フィツカラルド(1982年製作の映画)

4.2

それにしても、この作品の、アマゾン川を遡上してきた客船が陸に上がり山を越えていくシーンは、いま観ても凄い。封切り時にスクリーンで目にして度肝を抜かれたが、年を経てもその驚きは変わらない。いまほど特殊撮>>続きを読む

ノック・ノック(2015年製作の映画)

3.9

キアヌ・リーブスがよくもこんな役に挑戦したなというのが正直な感想。なにしろ深夜に訪ねてきた見も知らぬ女子2名に誘惑されて、不適切な関係を結んでしまい、翌朝になってから、その女子たちから脅され、作品の中>>続きを読む

暗黒街(2015年製作の映画)

3.6

全体的に映像は暗く、そのうえ次から次へと出てくる悪い奴らの見分けがつかなく、ちょっと油断するとスクリーン上で迷子になりそうな作品。2011年11月12日、イタリアのベルルスコーニ首相が退陣表明する直前>>続きを読む

ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ(2015年製作の映画)

3.7

これは近代建築の巨匠ル・コルビュジエの物語ではない。ル・コルビュジエはこの作品のなかでは、「第四の壁」(観客)に話しかける狂言回しの役回りだ。作品の主役は、史上最高額で落札された椅子を手掛けたことでも>>続きを読む

となりのテロリスト(2017年製作の映画)

4.0

これはなかなか笑えるブラックコメディ。ちょっと滑稽で、間の抜けたテロリストたちを描いたメイド・イン・スペインのNetflixオリジナル作品。テレビでは2010年の南アフリカでのワールドカップが中継され>>続きを読む

火花(2017年製作の映画)

3.7

冒頭の海岸でのシーンをはじめとして、前半はいくつもアイディアに満ちたカットが見られ、なかなかの才能を感じさせてくれたが、後半に入ると、漫才の舞台シーンが多くなるためか、それらの冴えたカットは影を潜め、>>続きを読む

恋と嘘(2017年製作の映画)

3.2

舞台は近未来の日本、少子化対策として、国民の遺伝子情報から、国が最良の結婚相手を選んで16歳の誕生日に通知するという「ゆかり法」が施行される。政府が選んだ相手と結婚すれば、いろいろな補助があり、経済的>>続きを読む

先生! 、、、好きになってもいいですか?(2017年製作の映画)

3.9

三木孝浩監督、上手い。10代の恋愛作品を撮らせたら、これほど巧みに観賞に耐えうるものに仕上げる手腕は当代一の感じがする。それは何よりも丁寧なエピソードの積み重ねと、印象的に挿入される風景描写、そして最>>続きを読む

ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

4.0

東京国際映画祭でいち早く観賞。2013年の「サイド・エフェクト」以来、4年ぶりのスティーブン・ソダーバーグ監督の新作。劇中で「オーシャンズ・セブンイレブン」というギャグも飛びだすくらいの、現金強奪のク>>続きを読む

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.8

白石和彌監督は「凶悪」のイメージが強く、刺激的な映像で観客の意識を喚起するタイプと思い込んでいたが、にっかつロマンポルノへのトリビュート作品「牝猫たち」で、どうやら社会から逸脱した人たちの壊れやすい心>>続きを読む

3人のアンヌ(2012年製作の映画)

4.0

ホン・サンス監督の作品は、「自由が丘で」(2014年)もそうだったが、いつも「参加型」だ。ただ観ているだけでは、置いていかれる。観ながら自分で作品を組み立てていかなければならないからだ。この作品も、イ>>続きを読む

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

3.4

思えばこのシリーズの第1作目「猿の惑星」(1968年)で、浜辺に沈む自由の女神を目にしたときの驚きはいまでも強く印象に残っている。今回の「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」、「猿の惑星:新世紀(ライジン>>続きを読む

あなた、そこにいてくれますか(2016年製作の映画)

3.5

原作者のギヨーム・ミュッソはフランスの作家で、2004年に発表した「Et apr`es…」(邦題は「メッセージ―そして、愛が残る」)がベストセラーとなり、その後、映像化された。他にもその作品は世界各国>>続きを読む

セックスと嘘とビデオテープ(1989年製作の映画)

4.2

東京国際映画祭でひさしぶりに再観賞。監督のスティーブン・ソダーバーグが26歳という史上最年少でカンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)に輝いた1989年の作品。上映後には町山智浩氏による解説もあり、彼の言>>続きを読む

グレイン(2017年製作の映画)

3.7

東京国際映画祭で観賞。コンペティション部門に出品されたトルコ、ドイツ、フランス、スウェーデン、カタールの合作作品。監督は現代トルコを代表するセミフ・カプランオール、主演は「グラン・ブルー」が懐かしいジ>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.2

前評判が高かったので、期待して劇場に出かけたが、まさにそれにたがわぬ驚きの作品だった。とにかく物語の様相が途中からガラリと変わる。それまでも不穏な雰囲気をちらりちらりと見せてはいたのだが、ある場面から>>続きを読む

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)(2017年製作の映画)

4.1

Netflixオリジナル作品として配信されているこの作品、監督は「イカとクジラ」や「フランシス・ハ」、「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバックで、彼のもちろん最新作だ。出演者もダスティン>>続きを読む

汚れたダイヤモンド(2016年製作の映画)

3.8

物語の後半に決定的な場面が登場するのだが、そのときのシチュエーションが素晴らしい。復讐を果たすために進行していた犯罪が、初めて本当の事実を知ったときに意味をなさなくなる。しかも事は壁1枚隔てたすぐそば>>続きを読む

バッド・ウェイヴ(2017年製作の映画)

3.8

原題は「Once Upon a Time in Venice」。セルジオ・レオーネ監督、ロバート・デ・ニーロ主演で暗黒街に生きる男たちを描いた作品「Once Upon a Time in Americ>>続きを読む

アンダー・ハー・マウス(2016年製作の映画)

4.0

このところ、「愛を綴る女」のニコール・ガルシアや、「あさがくるまえに」のカテル・キレヴェレ、「わたしたち」のユン・ガウン、「ワンダーウーマン」のパティ・ジェンキンスなど、なかなかクオリティの高い作品を>>続きを読む

ナミヤ雑貨店の奇蹟(2017年製作の映画)

3.3

1980年からの手紙が2012年に届く、そして2012年から出された返事が1980年に読まれる。物語の構造は、映画「イルマーレ」のような「手紙のタイムトラベル」。東野圭吾の原作が、この手紙のタイムトラ>>続きを読む