ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 27ページ目

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

5.0

なにこれ、傑作なんですけど。
ハリウッドっぽい街で、女ロジャー・コーマンみたいな天才プロデューサーのポンポさんのアシスタントをしてる主人公のジーンが、新作映画の監督を任されることに。
序盤は緩いタッチ
>>続きを読む

グリーンランドー地球最後の2日間ー(2020年製作の映画)

4.1

大味だけどなかなか面白い。
「君の名は。」みたいな砕けた彗星の破片が、地球に何千個も落ちて来て、最後には恐竜を滅ぼしたのよりデカイのが直撃する。
ジェラルド・バトラーが、はぐれた妻子を探して、限られた
>>続きを読む

女たち(2021年製作の映画)

4.1

これは強烈。
田舎町で、半身麻痺の母親の介護をして暮らす篠原ゆき子が主人公。
母親には疫病神と呼ばれ、男には騙され、仕事もうまくいかない。
厳しい生活の中楽しみにしているのが、養蜂家として暮らす幼馴染
>>続きを読む

ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット(2021年製作の映画)

4.8

いや〜面白い!
4時間があっという間。
基本は同じ話ではあるものの、ウェドン版とはほとんど別物だ。
ステッペンウルフなんて、デザインも全然違うじゃん。
尺の制約が無いからキャラクター描写が圧倒的に豊か
>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Beginning(2021年製作の映画)

4.8

極端に彩度の低い、ダークな色調で描かれる物語は、過去作とは別物。
剣心「おろ」とか言わないし、ユーモアの要素も全くない。
幕末を舞台に新撰組と志士たちが血で血を洗う抗争を繰り広げる世界観は、シリーズよ
>>続きを読む

アオラレ(2020年製作の映画)

3.6

現代版の「フォーリング・ダウン」を期待したが違った。
怒れる白人の中年男が事件を引き起こすのは同じだが、こっちのラッセル・クロウは最初からイカれた犯罪者。
一応コミュニケーションが取れるバージョンの、
>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.8

素晴らしい!
デヴィッド・バーンが18年に発表した同名アルバムを元に、ブロードウェイで上演したショウを、スパイク・リーがドキュメンタリー化した作品。
また皮肉っぽいタイトルだなと思ったが、映画を観て驚
>>続きを読む

明日の食卓(2021年製作の映画)

4.3

同じ「石橋ユウ」という名の男の子を育てる、三人の母親の物語。
神奈川在住で共働きのフリーライターの菅野美穂、大阪在住でシングルマザーの高畑充希、静岡在住の専業主婦の尾野真千子。
年齢も境遇も違う彼女ら
>>続きを読む

HOKUSAI(2020年製作の映画)

4.3

画狂 葛飾北斎の生涯。
なかなか観応えある力作だった。
四部構成で前半の青年時代を柳楽優弥が、後半の晩年を田中泯が演じる。
柳楽優弥パートは、若き北斎が天才肌の歌麿や写楽から刺激を受け、自分だけのスタ
>>続きを読む

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

4.8

Netflix。
本年度アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作。
タコは甘える、タコは遊ぶ、タコは懐く、タコはかわいい。
心身ともに疲れ切った映像制作者のクレイグは、アフリカ南端の海中に広がるケルプの
>>続きを読む

クルエラ(2021年製作の映画)

4.6

ファッションデザイナー志望の少女は、なぜ悪魔の様な女”クルエラ“となったのか。
黒と白のツートンヘアが特徴的な「101匹わんちゃん」のディズニーヴィラン、正確に言えばヴィラントリオの誕生譚。
さすが、
>>続きを読む

生きちゃった(2020年製作の映画)

4.2

アマプラ。
見逃していた石井裕也監督の前作。
仲野太賀演じる主人公は幼馴染の大島優子と結婚し、5歳の娘を授っている。
しかし彼の細やかな幸せは、何が起こっていたのかも知らないうちに唐突に失われる。
>>続きを読む

レスキュー(2020年製作の映画)

4.1

中国版の「海猿」的海洋活劇。
話の軸となるのはシングルファーザーの熱血救難隊長と、彼らを運ぶヘリの冷静沈着な女性機長。
冒頭の洋上掘削基地の大火災から始まって、飛行機事故、タンカー事故と見せ場はてんこ
>>続きを読む

お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方(2021年製作の映画)

4.2

これはなかなか良かった。
結婚五十年を目前にしながら、定年後のライフスタイル変化に適応できないでいる夫婦。
ある日、妻が葬儀社が主催した終活セミナーに行ったことから、人生の”思い出“について考えはじめ
>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.8

めっちゃヘビーで痛い。
中学生の息子の視点で描かれる、母さんの生き様。
7年前に、夫をアクセルとブレーキの踏み間違え事故で亡くした尾野真千子のシングルマザーに、ありとあらゆる理不尽が降りかかる。
その
>>続きを読む

コイン(2019年製作の映画)

4.0

中国の旧正月には、ラッキーコインを水餃子に入れるらしい。
ずっとコインを貯めていた女の子が、大人になって外国へ旅立つ。
ところが旅の途中で、コインの入った瓶を無くしてしまう。
無くすものがあれば、新し
>>続きを読む

(2019年製作の映画)

4.3

若い女性が世界を見に旅立つ。
しかし彼女と実家の両親、二つの世界はアニメーションの線画の“線”で強固に繋がっている。
まるで毛糸で出来たセーターの様に、引っ張られてほつれた”線”によって、世界が崩壊し
>>続きを読む

リトル・ヒリー(2020年製作の映画)

3.8

ぱっと見、台湾のちびまる子風の女の子は、いつも不機嫌。
学校にも家にも居場所がない彼女に、更なる過酷な事件が起こる。
人形アニメーションの映像的にはかわいいけど、描いてる内容はエグい。
一番印象が近い
>>続きを読む

密航者(2021年製作の映画)

4.3

Netflix。
火星へ向かう宇宙船を舞台とした密室劇。
アナケンとトニ・コレット、ダニエル・デイ・キムの3人が乗った船に、不慮の事後で4人目が乗り合わせていたことで問題が起こる。
酸素は3人分しかな
>>続きを読む

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

4.5

Netflix。
久々のザック・スナイダーは、デビュー作の「ドーン・オブ・ザ・デッド」以来のゾンビもの。
黒幕の真田広之から、ゾンビの大群に占領され、壁で隔離されたラスベガスの地下金庫から、2億ドルを
>>続きを読む

DINO!(2020年製作の映画)

3.6

主人公の少年と、なぜか体が船になっていて、手足が6本ある恐竜(?)のDINOの、グーニーズ的ストップモーション冒険譚。
宝の地図を手に入れた二人は、悪者のバク(?)みたいな生き物と戦いながら、宝が隠さ
>>続きを読む

ホモ・エレクタトゥース(2020年製作の映画)

3.9

事故で全身火傷を負った兵士が、社会復帰するまでを描くドキュメンタリーアニメーション。
絶望的な状況を克服した、彼を救ったのがタイトル通りタトゥーだという訳。
主人公は絵を描くのが好きで、火傷や傷をデザ
>>続きを読む

クー!キン・ザ・ザ(2013年製作の映画)

3.8

旧ソ連時代のカルトSF「不思議惑星キン・ザ・ザ」を、ゲオルギー・ダネリヤ監督自ら、アニメーションでセルフリメイクした作品。
チェロ奏者のおっさんとDJ志望の若者が、キン・ザ・ザ星雲の砂漠の惑星プリュク
>>続きを読む

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ(2021年製作の映画)

3.5

Netflix。
広場恐怖症のために家に引きこもり、窓から近所の人々を眺めている女性が、ある夜向いの家で人が殺されるのを目撃する。
要するにヒッチオマージュたっぷりの、ジョー・ライト版「裏窓」なんだけ
>>続きを読む

オキシジェン(2021年製作の映画)

4.3

Netflix。
アレクサンドル・アジャのスリラー。
記憶を失ったメラニー・ロランが目覚めたのは、治療用の極低温ポッドの中。
何らかの原因で酸素供給が絶たれ、窒息死までのタイムリミットはわずかに1時間
>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.8

これは辛い映画だ。
ロンドンに住む81歳のアンソニーと、彼を介護する娘のアンの物語。
この作品が特徴的なのは、認知症を患うアンソニーの視点で描かれていること。
だから自分がどこにいるのか、誰と話してい
>>続きを読む

スペース・スウィーパーズ(2020年製作の映画)

4.1

Netflix。
宇宙ゴミの回収船、勝利号の面々が出会ったのは一人の少女。
彼女はテロリストに奪われた、少女の形をした自爆型大量破壊兵器として追われていた。
韓国製の近未来SF大作。
人類がスペースコ
>>続きを読む

なんのちゃんの第二次世界大戦(2020年製作の映画)

3.6

怪作。
吹越満演じる市長が、平和記念館の設立をぶち上げる。
教育者だった彼の祖父は、戦時中から平和主義を貫き、街の偉人とされる人物。
ところが、BC級戦犯の遺族が、それは真っ赤な嘘で祖父は軍国主義者だ
>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

4.3

またまたマコノヒーだ。
ハーモニー・コリンのパリピムービー。
マコノヒー演じるムーンドッグは、キーウェストに住む嘗ての人気詩人で、今は大金持ちの妻の資産で放蕩三昧。
娘の結婚式で久々にマイアミの本宅に
>>続きを読む

大綱引の恋(2020年製作の映画)

3.9

昨年急逝された佐々部清監督の遺作。
薩摩川内に伝わる大綱引祭を背景に、東京で夢敗れ父の建設会社で働く三浦貴大と、ジヨン演じるマンガ大好きの韓国人研修医の恋が描かれる。
なぜ韓国かと言うと、向こうにも似
>>続きを読む

ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから(2019年製作の映画)

4.0

売れっ子SF作家の主人公が、高校時代から付き合って結婚した妻と喧嘩。
目覚めると、二人が出会わなかった世界線に飛んでいて、自分はしがない国語教師に、妻は国民的ピアニストと立場は逆転。
設定はラノベっぽ
>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.4

映画館成分を補充。
イギリスの大麻王、マシュー・マコノヒーが引退を決意。
巨大な利権を巡って、アメリカのフィクサーやらチャイニーズマフィアやら、怪しい連中がワラワラ集まってくる。
全体が、ヒュー・グラ
>>続きを読む

ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

4.6

Netflix。
遅ればせながら鑑賞したが、さすがはロン・ハワード。
アメリカならではの、素晴らしいファミリードラマだ。
タイトル通り、主人公はオハイオ州の貧しいヒルビリーの家庭の出身で、今は人生を決
>>続きを読む

ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

4.5

Netflix。
いやー楽しい!
コロナで配信スルーになっちゃったけど、これはスクリーンで観たかったな。
LAの映画学校に入学する娘のケイティを送り届けるため、ミッチェル一家が大陸横断自動車旅に出る。
>>続きを読む

マ・レイニーのブラックボトム(2020年製作の映画)

4.9

Netflix。
本年度アカデミー賞候補作の中では、「ノマドランド」に匹敵する傑作。
舞台は1927年のシカゴのレコーディングスタジオ。
“ブルースの母”と呼ばれる大物歌手、マ・レイニーのレコーディン
>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.7

アマプラ。
これは素晴らしい。
愛するオリヴィア・クックと共に、メタルデュオとしてバンで全米を旅しているドラマーのリズ・アーメットが、突然聴覚を失ってしまう。
音の無い未知の世界に放り込まれた男の、人
>>続きを読む