亡きチャドウィック・ボーズマンへ捧げる続編は、残された者たちの悲しみと戸惑いに溢れた追悼映画だった。マーベル・シネマティック・ユニバースの世界線は一旦横へ置いておいて、ただただワカンダの人々を描くこと>>続きを読む
すずめの戸締まりだけで戸を開けまくっている大入りのTOHOシネマズを避けてこっそりみてきた。ほぼ手ぶらで来てしまったので「新海誠本」と書かれたデカい特典の冊子を渡されて正直めちゃめちゃ困った。でも開い>>続きを読む
妻の不倫を知りながらもショックを受けない稲垣吾郎、『ドライブ・マイ・カー』で泣いていた西島秀俊に向かって「ねえ、西島くん。どうして泣いているの?」と真顔で質問しそうな雰囲気が怖い。あと、吾郎がハンドソ>>続きを読む
社畜の日常はまさに単調なルーティンの繰り返し…それをそのままタイムループに置き換えるアイデア。どんな小さな組織にも確実に存在する縦社会も、しっかりと見せてくる。
はじめにタイムループに気づいた後輩社>>続きを読む
イニャリトゥ流、マジック・リアリズム。ストーリーよりもイメージを目に焼き付ける。空飛ぶ人間の影から幕を開ける自伝的作品は、監督自身が「目を閉じて自らに向き合う必要があった」と言う通り、内省的で、ちょっ>>続きを読む
かつてレーニンやヒトラーを主人公に映画を作り、ロシア政府から監視されまくってきた、アレクサンドル・ソクーロフの最新作。これを作ったのがソクーロフだと知らずに観れば「ハァ?」みたいな映画。ソクーロフだと>>続きを読む
父を死に追いやった叔父への復讐を誓う、若き王位継承者。というところでライオン・キングを思い出した。なぜか四つん這いになって獣みたいに吠えてるし占い師のサルみたいなウィレム・デフォー出てきたからはいはい>>続きを読む
主演男優のドアップから始まるファーストカットで、なんかさっそく感動してしまった。顔が綺麗すぎたから、ではない。たぶん、始まった…という感動なんだと思う。「わぁ、小泉徳宏監督最新作だ」ってなもんである。>>続きを読む
ポスターに写る4人の目線。母は父へ、父は娘へ、娘はヤンへ、そしてヤンは遥か遠くへーーーそれぞれの目線にはすべて、愛情がこもっている。たとえかたちは違っても、たとえその対象が人間ではなかったとしても、、>>続きを読む
王室の人たちはダイアナの言うことを聞いてくれなくて意地悪だ!という極端な見せ方ではない。皆「伝統」のもとに自らの務めを果たそうとしているだけで、ダイアナ妃にはまさにそれが堪えられなかったということだろ>>続きを読む
お見事な着地。特にぶっ刺さったのは「散々好き放題やったけど、結局何とかなってる」という言葉。実際なんとかなったのは、結局自分がなんとかしてきた成果ではあるのだけれど。二度と戻らないあの、学生時代の刹那>>続きを読む
男が稼ぎに出る。女が家を守る。家族がメシ食えてるのは、男が働いてるから。だから男は、家で偉そうにしていい。俺がこの家の「あるじ」だからだ、と。家父長制にかこつけて意地でも台所に立とうとしない今のオジサ>>続きを読む
「裁かるるジャンヌ」(ルルジャン、と僕は勝手に呼んでる)に次ぐ、魔女狩りモノの傑作。
超年上のオッチャンと結婚した若い女性が、帰ってきた若い息子さんと初対面してやだぁータイプーとなっちゃって、そんで>>続きを読む
エアコンのリモコンが99年前から今も使えるとは思えないし、エアコンの本体だって今から30年後も使えているとは思わない。
2005年の公開当時は、ここから木村カエラの旦那とトライセラトップスの嫁が出て>>続きを読む
むかしむかしもここまでむかしだと、ところどころ抜けのあるボロボロの紙芝居をめくって見せられているような印象で、正直完全に鑑賞したと言えるかは疑わしいけど、観たことにしておく。
冒頭、男たちに求婚され>>続きを読む
何が「生き方」じゃ、金返せ!!と詰め寄りたくもなる。ほんのり脈がありそうなフンイキを匂わせてくるヒトに最終的に華麗にスカされると「なんだ、近くで見たら結構ブサイクじゃねえか」などと悪口を言って自分を守>>続きを読む
時間を超えて出会う母娘を演じる双子があまりにも似過ぎているゆえに、赤色と青色の服で違いを見せつける良心的な演出はありがたいが、夜の暗闇になるとそれすら判別が困難になる。そうなると、もはや判別しようとす>>続きを読む
続編製作の噂が上がったまま、あっという間に13年経ってしまった。公開時、僕は大学生。今ではすっかり社会人になってしまった。当時大阪に新しくできた満席のIMAXシアターで、重たいメガネをかけながら観て、>>続きを読む
どんな作品だってIMAXで観られたらより面白くなるんだろうと思う。だからこそ、ロード・オブ・ザ・リング3部作がIMAXでリバイバル上映されるのは非常に喜ばしい。でも当時中学生だった自分が地元のフツーの>>続きを読む
「男でも女でも、どっちだっていいじゃない」的なテロップから幕を開ける139分。正直、そんな別にあらたまって言わなくてもって感じではある。男だから女だからとかじゃなく、圧倒的に「のん」であることの必然性>>続きを読む
パリで学ぶ一人の女子学生の記録映像。あたし、パリで頑張ってます!で映画は終わり。
後年ロメールが生み出した素晴らしい長編作品とそもそも比べても仕方ないけど、やっぱりこの後カフェのテラスで色男に口説か>>続きを読む
パリは良いところ。人生のひと時を過ごすには、素晴らしい街。
この作品がのちに、田舎娘がパリで大冒険する長編「レネットとミラベル」に繋がるのかと思えば、感慨深い。だからといってこの小品をそのプロトタイ>>続きを読む
「彼女の歯が気になる。歯、歯、歯…‼︎」と従妹の歯にやたら執着してしまう、精神病みがちの主人公。一応調べてはみたけど、どうやらWAHAHA本舗が久本雅美主演でリメイクした記録はなさそう。要するに、笑わ>>続きを読む
主人公のデカいイケメン、道端にポイ捨て連発なんて地球に対して最低だし、好きでもないパン屋の子を誘った後やっぱり別の本命に走ってすっぽかしやらかすなんて女性に対しても最低なのだが、こんなつまらない僕自身>>続きを読む
シュッとした主人公のボクちゃん。演じた役者の名前はジャン=リュック・ゴダール(20)。
10分の本編が12分になってもいいから、もうちょっと牛肉はじっくり焼いたほうがいいと提案させていただく。
教育業界、これも仕事、と割り切る姿勢も大事だな。ともすると、いちばん怠慢なのは息子でも家庭教師でもなく母親なのかもしれない。
畳みかけるようにロメールの短編見てやった
愛し合って喧嘩して、いろんな壁二人で乗り越えて、やっぱり乗り越えるのやめて叩いて殴って叫んで燃えて冷めて、荷物まとめてやっぱりほどいて。そうこうしているうちに、夏は終わりに近づいてゆくーーー
今年に>>続きを読む
これほんとに……矢野顕子の曲が元なのか?深田晃司監督、原曲からこんなに離れていても、愛していると言えるのだろうか。さすがにいろいろやり過ぎだと思う。仮に自分が矢野顕子で「矢野さんの曲で、映画作りました>>続きを読む
聖フランシス。タイトルが良い。
人種、信仰、性的指向……6歳のフランシスは、そんな壁を軽々と超えてゆく。相手が誰を好きで誰を嫌いか気にしたり、悪いところばかり見つけるのはナンセンス。まずは相手の名前>>続きを読む
物語の舞台は2000年代初頭。「最近のボーイズグループはよく分からない!」と唸るお母さんが、まさに今のおばあちゃんから「イン・シンク?バックストリート・ボーイズ?よく分からない!」と言われていたかもし>>続きを読む
睡眠のサイクルは90分周期で切り替わると聞いたことがある。眠りが浅い90分と眠りが深い90分を交互に繰り返しながら、眠りが浅いサイクルのときに夢を見る、というやつ。『パプリカ』はまさにその、浅い眠りそ>>続きを読む
たいしたイベントなんか何ひとつ起こりはしない。子どもや大人が飛行機に乗ったり車に乗ったりバイクに乗ったりあとはひたすら走ったりしながら、右へ行ったり左へ来たりしてるだけだ。なのになぜ、こんなにも面白い>>続きを読む
面白い。ファーストカットのスローモーションから、覗く才気。彼にだけ見えている「恋の光」が可視化されるたびに、どういうときにだけ光が見えるのか、その規則性が彼らにも観客にも少しずつわかる(学習できる)よ>>続きを読む
ひと昔前なら「子どもを育てる覚悟のないこの女こそが、まさしく子どもなのだ」と突き放すような物語に仕上がっていてもおかしくないトピックかもしれない。しかし今や、そんなことをわざわざ映画で語ろうと思い立つ>>続きを読む
これだけのオールスターキャストを異国でも実現させる世界のKORE-EDAブランド再び、日本の映画業界を憂えて韓国へ飛び出した万引き家族の監督が、パラサイトの主演を迎えて、なんだか万引き家族っぽくもパラ>>続きを読む
小鳥遊先生と4人のおばちゃん達が、スクール終わった後に喫茶店で茶しばいてるシーンで、カメラに配慮したのか完全に4:1に分かれて着席しているの見て、なんか冷めてしまった。「上手に撮りたい」という明確な意>>続きを読む