るるびっちさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

パフューム ある人殺しの物語(2006年製作の映画)

4.7

匂いフェチの変態犯罪映画と見るか、誰も理解不能な天才の孤独と見るか・・・
映像で表現困難な匂いをテーマにした映画。
『スニッファー』という嗅覚探偵の推理ドラマが日本でもリメイクされたが、その10年前に
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ホワイトハウス・ダウン(2013年製作の映画)

3.5

同年の『エンド・オブ・ホワイトハウス』と丸かぶりの作品。
エンドより良い点は主人公が少し頼りないボンクラな事と、主人公の娘が活躍するところ。
ジェラルド・バトラーでは強すぎて、全然ハラハラしない。
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ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.8

丸顔の兄と四角い顔の弟。
石ノ森章太郎原作のヒーローもので、『宇宙鉄人キョーダイン』というのがあった。兄の顔は三角で弟は四角だった。パクった?
その兄スカイゼルに似ているのが、やはり石ノ森の『仮面ライ
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.3

短編だったら面白かったろうが、二時間は持たない。
小声でボソボソ喋ったり、ゆっくりした間を生かした芝居は邦画のお家芸だが、自然な日常に見えてそんな作品ばかりだから却って不自然に思う。
最近は動画を倍速
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ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償(2020年製作の映画)

3.5

タイトルで解るように、キリストと裏切り者ユダの関係で捉えている。
ブラックパンサー党の指導者ハンプトンと、同じ黒人でありながら白人の手先として働くオニール。
あまりエンタメに寄せない作りで、党内部に潜
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あの夏のルカ(2021年製作の映画)

2.8

『泣いた赤鬼』みたいな話。
でもその感動ポイントは一瞬で、全体的に平板で退屈。
色々と設定しているのに、なぜ詰まらないのか。
それとシー・モンスターに対して神秘性や畏敬の念が無く、単なる怪物扱いなのが
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独立愚連隊西へ(1960年製作の映画)

4.0

一作目よりナンセンス度が増している。
一作目の独立愚連隊は脇の話で、メインは軍隊内部の殺人事件潜伏調査の話だった。
恐らく企画を通す為にミステリー仕立てにしたが、監督の狙いはやさぐれ軍隊のアナーキズム
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ジャングル・クルーズ(2020年製作の映画)

3.7

元々アトラクションの設計をする時に、モデルにした映画がハンフリー・ボガート出演の『アフリカの女王』。
ドイツ軍が出てくるのも、それのオマージュ。
他に『パイレーツ・オブ・カリビアン』の、呪われた船員み
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.6

ゲームも歴史もよく知らないので、ホラー映画としてのみ考察。
歴史をホラーに混ぜるのが新しいと思った。
そもそもお化けは、人の心が生み出すものだろう。
死者に対する恐怖が、霊魂の存在を作るのだ。
思想統
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狂恋/狂恋・魔人ゴーゴル博士(1935年製作の映画)

3.9

リメイクしたい面白さ。
しかし本作をリメイクしたら問題も出るだろう。それはリアリティの点だ。
他人の腕を内緒で移植されたり、移植した腕の持ち主がナイフ投げの得意な殺人犯だったり、ピアノは弾けなくなるが
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.3

笑った笑った。
お間抜け刑事5人組。
面構えも中々の奇面組だ。
中でも一人、アホでクズで飛び抜けてブサイクがいる。
素顔なのに、パンストを被っているかのような変顔。
神に選ばれしブサイクだ。
しっかり
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

4.0

マリー・ローランサンの『鎮静剤』という詩の一節。
「(中略)死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です」
人に忘れられるというのは、死ぬよりも惨めな事なのだろう。

本作の主人公は、何でも行動が
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.4

12年前、鮮烈だった『サマーウォーズ』。
それと似た設定の本作は、今では古い印象すらある。
この12年で、仮想空間の話は乱造された。
今更、田舎の内気な女の子がネットでスターになる話とは・・・
古いと
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キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

4.0

「ヒドラは世界を混乱の渦に突き落とした。今なら人類は、安全を得るためとあらば自ら自由を差し出す」

劇中、コンピューターと化したヒドラの科学者が放つ台詞である。ハッとした。これって正にコロナのことだ。
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魔像(1952年製作の映画)

3.5

今だとホラーにも見える。
襲われる側から見れば、正に不気味なホラーであろう。
権力を傘に主人公をいじめた男たちが、ブチギレた主人公に次々と殺戮されていく。
忍耐に忍耐を重ねていた主人公がブチギレた瞬間
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83歳のやさしいスパイ(2020年製作の映画)

3.7

スパイとして老人ホームに入るお爺ちゃんが、中々のモテ男だ。
本来目立てはいけないのだが、キングに選ばれる程のモテっぷり。
服の色使いが良く身綺麗にしているし、とても紳士的で穏やかだ。
何より聞き上手で
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.4

認知症の世界を体感できるよう、当事者の視点で描かれる。
自分が自分であるというアイデンティティを確立できるのは、昨日の自分と今日の自分が同じという確信があるからだ。
認知症になると、その確信が端の方か
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英雄は嘘がお好き(2018年製作の映画)

3.2

なんだか随分クラシカルな内容である。
18世紀の『セビリアの理髪師』とか、コメディ・フランセーズで書かれた古典喜劇みたいだ。
当時の喜劇は恋と嘘がよくテーマになっている。
コメディ・フランセーズの先駆
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

3.3

殺人ホームドラマである。
高度経済成長時代に、旧来の価値観を焼き捨てる新しいが無軌道な若者の姿を描いている。
とはいえ書いてる側が旧来のホームドラマしか知らないので、結局嫁姑の古いホームドラマに殺人を
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.8

映画はやはり、時代の流れに敏感だ。
疑似家族+Me Too運動=女性解放の話。
家族にも社会制度にも、女性は抑圧されているらしい。
世界中のブラック・ウィドウ達=世界中の女性という事なのだろう。
 
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キャラクター(2021年製作の映画)

4.3

くつがえされた~。
ありがちな展開と、高を括っていたら裏かかれた。
悔しいです!!
殺人鬼を偶然見た漫画家の卵が、それをヒントにヒット漫画を描く。
そしたら漫画と同じ殺人を殺人鬼が仕掛け、更に漫画家に
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マダムのおかしな晩餐会(2016年製作の映画)

3.6

最初は女装した阿藤快か、嶋田久作かと思った。
フランス人にはあれが美人なのか? いや、違うだろう。
そうした個性的な女優で映画を撮れるところが、大人だと思う。
美人やアイドルしか主演できない邦画に比べ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

3.8

暴力おとぎ話。
三匹の子豚に狼がやられたように、一匹狼のワイルド刑事が三匹のトン(豚)チキにやられてしまう。
尾谷組、五十子会、加古村組の三匹の豚、いやヤクザ。
養豚場が出てくるのは、それのメタファー
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ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)

3.3

設定のアイデアに溺れて、あまり話を詰めていない印象。
過去を再現することで、忘れていた伴侶の良さを再確認するものだが、そもそも夫は今も妻を愛している。
なので、記憶と同じものをなぞっても仕方がない。
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.5

60年前の『キングコング対ゴジラ』は、力道山のプロレスブームに便乗して日米怪獣にプロレスをさせようという趣旨だった。しかし着ぐるみ同士での取っ組み合いは意外に難しく、結局離れた場所から岩を投げ合うとい>>続きを読む

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

2.5

抹茶とカフェオレを合わせた飲料がある。何を味わって良いのか解らない。
本作はゾンビ+推理+学園モノをミックスして、何を味わって良いのか不明。知らない内にコロナで味覚異常になったのか? と疑うほど味わい
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怪盗グルーのミニオン大脱走(2017年製作の映画)

3.2

話がバラけている。
グルーに失望したミニオンたちとの友情。
80年代を引きずる子役出身悪役のトラウマ。
グルーの双子の弟。
怪盗に戻るか否かという問題。
娘の母になれるか問題。
テーマが多すぎて、散ら
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.9

白雪姫を殺そうとする王妃は、グリムの初版本では実母だった。
実の娘を殺そうとするなんて常識的にはおかしな話だが、現実にもよくある事だし、虐待というのもある。
しかし第二版からは継母に変更された。世間に
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るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

3.3

アクションに徹した映画。脳みそは1ミリも働かさなくて良い。
ただ復讐というだけで、作戦も展開も無い。
アクション×アクション×アクション!! 
体力100%脳みそ0%映画。
いや面白いアクション造形に
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.4

ストーンとトンプソンによるダブル・エマ対決。
ヒーローよりヴィランの方が深いドラマがあるということで、ヴィラン主役が流行っている。新しい金脈だ。
花咲か爺さんより、シロ(ポチ説は童謡の誤記)殺しのいじ
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ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

2.8

ハリウッド映画に憧れてる監督が作った、ダサい映画っていう印象。
(監督自身はスイスらしい)
今時、車で並走してケツ出してるって、それケビン・コスナーが若い頃のノリやん(『ファンダンゴ』)懐かしい。
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2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

3.3

フランソワ・オゾンは『ブラック・ジャック』を読んだに違いない。
ピノコの話である。
まあそれは冗談としても、いつもドヤ顔で洒落た事やってる風なのだが、大体どっかで見た話だなというのが多いので、食わせ者
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ヴィジット(2015年製作の映画)

3.5

「おばあさんの耳はどうして大きいの?」
「それはね、お前の声をよく聞くためだよ」
「おばあさんの口はどうして大きいの?」
「それはね、お前を・・・」

シャマランもとうとう、おとぎ話をモチーフにするよ
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HELLO WORLD(2019年製作の映画)

3.5

需要と供給の問題を考えた。
未来の自分に指図されて、好きでもない女の子と接近する主人公。
既に解っている未来なら段取りに過ぎず、予定調和で詰まらない。
未来の自分に逆らって、別の女の子を口説いた方が面
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ゾンビーワールドへようこそ(2015年製作の映画)

3.6

青春とゾンビのクロスオーバー。
思春期のイケてないボーイスカウト3人組が、ゾンビを倒して大人の階段昇る~🎵
パリピになって女子と仲良くなるか、友情を取って詰まらないキャンプをするか悩む主人公。
ダサい
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最後の猿の惑星(1973年製作の映画)

3.8

駄作と言われているが、そうでもない。
というのは、リブートした新シリーズに大きな影響を与えているからだ。
言葉を話す猿シーザーがリーダーとなり人間に反逆するという設定は勿論だが、台詞の多くが新シリーズ
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