るるびっちさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ズートピア(2016年製作の映画)

4.6

日大で絶大な権力を握ってるのは爺たちで、恐らく林真理子理事長は蚊帳の外で、イメージだけ利用され何かあった時には首をすり替えられるのだろう。
ズートピアで描かれているのは、見た目の思い込みや偏見、マイノ
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ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)

3.9

せむし男のカジモドとヒロインの結末に、高校生が怒り狂ったというツイートが載っていた(ポストという言い方嫌い)。
それは高校生が、主人公カジモドに感情移入したからだろう。
本作は哀れなせむし男に、感情移
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ナポレオン(2023年製作の映画)

2.9

キムタクの『レジェンド&バタフライ』に似た試み。
英雄の裏に、彼を操る女性がいたみたいな。
ナポレオンも信長も、彼ら以上に彼らを操作していた女性が強かった。
しかしどちらも魅力的に描けず、失速したとこ
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

4.3

スタジオジブリの弟子筋、スタジオポノックのファンタジー作品。
迷宮化した宮崎ファンタジーより、明快で解り易くて好感持てる。
『千と千尋の神隠し』のような不気味さや根源的な闇の魅力はないが、ハリウッド風
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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.2

舞台が精神病院で分かり辛いが、高倉健の任侠物と似ている。
脛に疵を持ち、ひっそり暮らす前科者が不幸な娘のために一肌脱いで再び罪を犯してしまう。
高倉健やないか!!

笑福亭鶴瓶演じる梶木は、高倉健の役
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.4

ゴジラの歪みを正した傑作。
『アルマゲドン』『ターミネーター』初代『ゴジラ』には、共通の感情移入の構造がある。
「圧倒的な強敵がいて、主人公や人間はとても無力に感じられること」
圧倒的な強敵は、『アル
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記憶屋 あなたを忘れない(2020年製作の映画)

2.4

人の記憶を消すという「記憶屋」を探す話。
残念な所。
①失った恋に未練のうじうじ話。
②主人公が記憶屋を探して何をしたいのか不明。
③何度も同じことを説明するくどさ。
④ホラー原作を、切ない恋愛系に変
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.5

AI人情噺。
AIの子供を殺せと言われた男が、親子のように旅をして失踪した妻を見つけた時に、実はそのAIの子供と自分に繋がりがあると気づく話。

松竹ホームドラマを、SFとベトナム戦争風味で味付け。
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

二転三転する話とはいえ、互いに催眠術を掛け合ってたということだから「今までのは全部催眠妄想だよ~」と、永久夢落ち展開。
たとえ死んでも「嘘でーす、催眠術でそう見えただけ」を繰り返す。

丸で子供同士が
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.9

名誉回復の話。回復するのは、王と彼を発掘した女性。
二人とも障害を持ち、社会から排除されている。
シェイクスピアという時代を超えたインフルエンサーの、ステマ広告的芝居のせいで極悪人の印象をつけられたリ
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100日間生きたワニ(2021年製作の映画)

3.8

カエルを受け入れるか否かで評価は決まる。
ワニが亡くなった後、友人や恋人は喪失感を埋められず絆もちぐはぐになっていた。そこへ目の飛び出た後ろ姿は似ているが、性格は正反対のうざいカエルが現れる。
グイグ
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

3.0

どんどん巨大化するサメ。
地球を飲み込むほどのサメが、宇宙から来てもおかしくない。
鼻から空気を抜きさえすれば、深海1万Mでも水圧はへっちゃらと言い張ったハゲなら、宇宙服なしでも活躍するだろう。
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ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

1.1

実際にはウェディング・ローである。
詰まらな過ぎて、見終わるのに何日も掛かった。
結婚式の招待客が、いちいち回想で振り返る。
「私の人生は・・・」
その度に、面倒臭くて動画を切ってしまう。
人生語りだ
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メトロポリス(2001年製作の映画)

3.2

フリッツ・ラングのメトロポリスを下敷きにした街の景色。
手塚の原作自体がそうなのだろう。
ロボットのキャラは、原作では雌雄両体だった。男にも女にも変形できるのだ。
手塚的シスコン感は残っているが、それ
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バービー(2023年製作の映画)

4.2

多様性の国らしく、人種や障害者に対応して車椅子の人形まである。リカちゃんとは、比較にならぬほど意識高い系のバービー。
一方で、バービーの付属品であるケンはandケンなのだww
『バービーランド』では、
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.7

NHKの特集であれほど拘っていたアクションだが、『キューティーハニー』の頃と余り変わらない印象だ。
設定もエヴァの人類補完計画を、別の言葉に言い換えただけ。
そういう単純な捉え方はいけないという批評
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轢き逃げ -最高の最悪な日-(2019年製作の映画)

4.1

不思議な作品。
普通はひき逃げされた被害者遺族をメインに持ってくると思う。ところが、ずっと加害者側の動揺を描く。
初めはいつまで加害者の件(前菜)やっとるねん、早くメインディッシュの被害者の父親を映せ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

お母さん好きなんだな・・・
とっても母体回帰的な内容だった。
色んな女性に世話ばかりされるが、 最終的にはお母さんに世話されたいのだな。

前半、主人公は自傷して嘘をつく。
名前は眞人だが、真人間では
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.3

ハリウッドではストライキが行われている。
AIで脚本を書かれたり、俳優の写真からCG合成してAI俳優が活躍したり、それらに対して警戒しているのだ。
既にネットではディープフェイクが流行り、本物か偽物か
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朝が来る(2020年製作の映画)

1.0

ポイントを間違えると物事は伝わらない。
予告編では特別養子縁組をした夫婦の元に、謎の女性が子供を返してくれと現れた、さあ、どうする!! という話だと思える。
そこがポイントと思うから、何が言いたいのか
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

4.1

これは傷の話だ。
報復物語に見えて、実はそれぞれのキャラが心の傷を負っており、傷に対してどう向き合うかという話なのだ。
だから報復物語を予想した人は、人物の深掘りばかりにかまけて話が進まないことに退屈
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ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

3.8

イギリスのBBCは、受信料廃止の方向に向かっている。片や日本のNHK は、PCやスマホからも受信料を取ろうと画策している。

さてBBCが受信料を取っていた時代。
受信料が嫌で、映らないようチューナー
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ビリギャル(2015年製作の映画)

3.6

コミュニケーション偏差値の話。
実はビリギャルも塾の講師も、友人や母親もコミュニケーション偏差値は高い。
成績が悪くても、コミュニケーション能力は高いのだ。
一方、弟を野球選手にしようとして挫折する父
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そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

3.3

自分はキャラクターとストーリーを比べれば、ストーリー信者の方だと思っていた。しかし本作の、ストーリーの辻褄を合わせるためにキャラクターを犠牲にしている部分が非常に気になった。

作者がやりたいことは二
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TANG タング(2022年製作の映画)

2.5

夢は詰まっていないが、邦画脚本の悪い所が詰まっている。
日本の脚本家は、登場人物を深めようという時に履歴書を作る。
幼少期のトラウマや乗り越えられない傷など、主人公の過去を作る。
弊害は過去の出来事な
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

4.1

善人が他人を騙すパターンは、
①人が良すぎてNOと言えず、結果的に人を騙す。
②そそのかす悪人が背後にいて、言いなりになり騙す。
が、多いと思う。

本作が秀逸なのは、当事者が既に死んでいることだ。
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星の子(2020年製作の映画)

3.3

薄味のとんこつラーメン作りました、みたいな。
食材と製法が一致していない。
古典ドラマツルギーなら、異なる主張をぶつけ激しく葛藤し、互いの主張を否定して大きなドラマのうねりを創る。
しかし本作は、邦画
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.7

表現方法が展開を決めてしまう。
ストーリーの骨子は、PCやスマホで知る家族の素顔である。
表現の縛りとしてPCやスマホで調べる範囲しか描けないのだから、必然的に身近な家族の裏側や秘密を知るのがストーリ
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殺人鬼から逃げる夜(2020年製作の映画)

4.0

人々の信頼につけこむ殺人鬼。
この映画でイライラするのは、聾唖の主人公・ギョンミの人を疑わない所だ。
母親が警告しても、紳士に扮した殺人鬼を信じてしまう。
実は、殺人鬼とギョンミは正反対の性格設定なの
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.3

ワンピースは時代劇である。渡世物に近い。
少女が信じた男はヤクザ者で街を滅ぼす。少女は男を恨むが、非道の陰には男の優しさが潜んでいた。
そして今、 少女を救うために渡世の男達が立ち上がる!
河内山宗俊
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ハンサン ―龍の出現―(2022年製作の映画)

3.8

この時代の海戦映画は珍しい。
信長の鉄甲船など、邦画でもやれば良いのに。
肝心のドラマの方は、NHKの歴史ドキュメンタリー番組の再現ドラマみたいで、ちょっと安っぽい。

内容的には日本・韓国どちらも内
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.0

『エルフ』とか『ホビット』とか・・・
ドラゴンも『バハムート』『サラマンダー』『ワイバーン』とか・・・
そんな難しい言い方イラナイ。
妖精・小人・いろんな竜で良い!
アニメも『モビルスーツ』『ATフ
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ロストケア(2023年製作の映画)

3.5

「貧すれば鈍する」日本全体が。
現代の姥捨山。江戸時代と変わらない。
江戸時代なら飢饉で農民が子供を間引きし、借金で娘を売り、姥捨てしても仕方がない。
当時の国力・政治・行政力では、貧しい農民を救えな
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サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

3.8

昭和の女優はよく脱がされた。
売れるために脱ぐのもあるが、むしろ売れてる女優を脱がそうとする。
名のある女優の裸で客を呼ぶ、映画製作者たちの女衒根性だ。
本作は女の裸を利用した国や男たちを批判している
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フォーエバー・パージ(2021年製作の映画)

3.6

一作目を観た時は、一日だけ殺し合いOKなんてバカ設定だと思った。
しかし近年、希望のない世の中に苛立ち始めている人が多い。
そういう現状をみると、リアリティのある話かもしれない。

とっくに経済発展し
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.1

映画によって人生を与えられた男が、映画によってそれを紐解く。
暗がりを恐がる子供が、その暗がりで映画という衝撃に出会う。
『地上最大のショウ』のミニチュア撮影を自宅で模倣して、彼の映画人生は幕を開ける
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