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ルキノ・ヴィスコンティの世界

ルキノ・ヴィスコンティの世界の作品紹介

ルキノ・ヴィスコンティの世界のあらすじ

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』でデビュー後、『山猫』『ベニスに死す』などデカダンス趣味あふれる傑作を撮り続けたルキノ・ヴィスコンティ。少年期から映画監督として数々の作品を作り上げていった姿を、本人や俳優へのインタビューを通して掘り下げる。

ルキノ・ヴィスコンティの世界の監督

カルロ・リッツァーニ

原題
Luchino Visconti: Life as in a Novel
製作年
2008年
製作国
イタリア
上映時間
60分
ジャンル
ドキュメンタリー

『ルキノ・ヴィスコンティの世界』に投稿された感想・評価

イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の生涯を綴ったドキュメンタリー。

時系列に沿って、彼の生い立ちや思想、代表する作品群が語られる作りなので非常に見やすい。

イタリア・ミラノの貴族のご子息という事は知ってはいたが、実際に幼少期に住んでいた大豪邸・・というか城!は壮麗だし、コモ湖畔の家族で過ごした別荘でさえも贅を尽くした感が覗える。

自宅にも別荘にも劇場があり、幼少期から舞台芸術に触れ、さらには青年期にはフランスに渡りココ・シャネル、ジャン・コクトー、ピカソ、ダリと言った錚々たる顔ぶれの真のアーチストと交流を深めたと聞けば、彼の作品群に貫かれる美意識の高さ、育ちからも来る天性のテイストの良さに納得が行く。

ヴィスコンティは映画だけでなく舞台やオペラにも精力的に参加していたそうで、彼が演出を担当した「欲望という名の列車」やチェーホフの「三姉妹」、さらにはマリア・カラスをプリマドンナに迎えたオペラ「椿姫」なんて映画に留まらず芸術を愛する者なら絶対鑑賞してみたくなる筈。

ヴィスコンティ自身は生前に取材が行われたインタビュー音声のみの参加ではあるが、何枚か本作内で登場するオフショット写真のファッションのセンスや着こなしの素晴らしさと言ったら・・。

ヴィスコンティ映画作品ファンとしては、つい先日鑑賞し強く印象に残った初監督作「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の主演を務めたマッシモ・ジロッティが登場し、当時の撮影を振り返りながら思い出を語る下り、助監督による撮影のロケ地に原作で描かれるアメリカの風景に近いフェラーラを選んだ逸話も嬉しい。

他にも「若者のすべて」ではアラン・ドロンが“イタリア語”でヴィスコンティに感謝を述べるインタビュー映像が使われたり、「山猫」ではバート・ランカスターが、「白夜」ではマルチェロ・マストロヤンニも登場。ヴィスコンティの何十年来の夢であったトマス・マン原作の映画化「ベニスに死す」では、美少年・タッジオの母親を演じたシルヴィア・マンガーナが監督自身の母親像のイメージにより似せた役作りをされたと述懐するなど出演者陣も豪華。

「山猫」の舞台となったシチリア島の屋敷も登場するし、有名な終盤の舞踏会シーンで使われた曲は、当時まだ未発表であったヴィスコンティ自らが手に入れたヴェルディの楽譜の物との事。

60分の上映時間なのでサクッと見やすい分、内容はサラリとしているがヴィスコンティという人物像を知るには必要にして十分。

ヴィスコンティファンの方にはもちろん、これからヴィスコンティ作品を鑑賞したいと思う方にもお勧めしやすい作品。

個人的には、ヴィスコンティファンを自称しておきながら、「夏の嵐」「白夜」、さらには晩年の「家族の肖像」「イノセント」を未見なのが恥ずかしい限り。
わしの好きな映画監督ベスト10には入るであろうヴィスコンティの歴史をザクっと1時間に収めたドキュメンタリー。

ほぼ既知のことばかりだったが、フィアンセ(女性)がいたことは知らんかったし驚いた。
ヴィスコンティのお稚児さんだったドロンもチラッと出とったね。

使用素材の画質が悪すぎるのは残念だったし、もっと深掘りして欲しかったが致し方なかろう。

一通り作品を眺めてみたら、一回しか観てない大傑作「地獄に堕ちた勇者ども」また観たいのに現時点では高画質で観る手立てがない。うーむ。
あと一回観たきり「ん?なんか違う」と思ったままの「異邦人」U-NEXTにあるので近いうちにまた観てみようかな。
leyla
3.5
ビスコンティの生涯と作品についてを追うドキュメンタリー。60分と短いのでかなり駆け足。本人をはじめ、バート・ランカスター、マストロヤンニなど、彼の作品の常連俳優やスタッフたちがインタビューに答えている。

ルノアール監督やシャネルとの出会いが彼を映画監督として背中を押したことが印象深い。婚約者がいたのにも驚いた。

日本では映画監督としてのヴィスコンティしか知ることができないが、演劇やオペラの演出もたくさんしている。マリア・カラスは父と慕うほどでもある。

作家トーマス・マンを敬愛するヴィスコンティは、舞台化の許可をもらいに会いに行った時、緊張のせいで顔が真っ青だったという。そしてトーマス・マンからの許可を得たら顔を真っ赤にして興奮したという。そんな子供みたいな一面も知れた。

『ベニスに死す』のタッジオの母には自分の母を投影していた。『地獄に墜ちた〜』では母との近親相姦などもあったから、母への愛がそうとう強いのだと思う。

「その気になれば何本でも作れる。
だが私が作りたいのは
心から作りたい映画だけだ。」

ヴィスコンティの美学と徹底した本物志向は、やっぱり唯一無二。そこを確認できた作品だった。

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