人種差別思想によって経済格差は開く一方。そんなリトル・ロック(アーカンソー州首都)で、ある黒人理髪師が立ち上がった。理髪師の名前は、アーロ・ワシントン。“黒人の同胞たちに仕事を与えたい。彼らにチャンスを与えたい” それだけをモチベーションに奔走するワシントンを描いた短編ドキュメンタリー『The Barber of Little Rock(意訳:リトル・ロックの理髪師)』は、第96回アカデミー賞で短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた作品だ。 今作は、The New Yorker(ザ・ニューヨーカー)のYouTubeチャンネルで英語版が配信されている。
この短編ドキュメンタリーで語られるのは、そんな地元の黒人たちを救い続けるワシントンの様子と、彼に救われた(救われるまで不当な扱いに耐えるしかなかった)黒人たちの声だ。ワシントンは言う。「経済を是正しなければ何もできない」「血が循環しない身体(=経済の回らない地域)では、絶対に悪いことが起きる」と。 自ら立ち上がり、“地域経済の血管”を動かし始めたアーロ・ワシントンの努力と、救われた人々の笑顔と涙。それを映し出した『The Barber of Little Rock』がアカデミー賞にノミネートされたことは、将来的にリトル・ロック以外の地域で苦しむ人々も救うことになるのではないかと期待したい。