クラック: コカインをめぐる腐敗と陰謀の作品情報・感想・評価・動画配信

クラック: コカインをめぐる腐敗と陰謀2021年製作の映画)

Crack: Cocaine, Corruption & Conspiracy

製作国:

上映時間:89分

3.8

「クラック: コカインをめぐる腐敗と陰謀」に投稿された感想・評価

GreenT

GreenTの感想・評価

4.0
『ライト・スリーパー』では白人のディーラーがウォール・ストリートのエリートのパーティにコカインを調達して大金を稼いでいたのに、『ポケットいっぱいの涙』では黒人同士で売り合って、自分たちで足を引っ張り合っている、って思っていたけど、このドキュメンタリーで謎が解けた!!

コカインは、80年代にウォール・ストリートとかのエリートがやる高級なドラッグで、貧乏人にはとても手が出ないものだったのだけど、アメリカ政府が南米から入って来るコカインを見てみぬふりをしていたため大量に密輸されるようになり、価格が下がった。

その上、良く映画で観られるような、クレジットカードとかで切ってラインを作って鼻から吸う、みたいのがめんどくさいので、すぐ使用できる「一回分」のカプセルみたいのに入ったのを作って低価格で売るのが流行り、それがクラックと呼ばれるもので、貧乏な人にも手に入るようになった。

黒人の住むゲットーでは、警察は何も取り締まらないので、クラックは飛ぶように売れ、しかも白人もゲットーに買いに来て、交通渋滞が起こるほどだったらしい。これは『フレッシュ』って映画でも描かれていた。

ナンシー・レーガンの “Just say NO!” は、クラック中毒になった人達を救うんじゃなくて「中毒になるやつが悪い」という被害者を責め立てるキャンペーンだったと評判悪いけど、夫のレーガン大統領は、南米のどっかの国の新しい政府を後押ししていて、その人たちがアメリカにコカインを密輸しているの知っていて止めなかったくせに、女房にこんなキャンペーンをやらせていたのか~。

レーガンに始まり、ブッシュ(父)、クリントンと、国が麻薬密輸を、他の政治的なしがらみで容認しておきながら、麻薬問題を一番の社会問題として解決します!と確約し、厳しく取り締まる法律を作って人気取りをし、結果逮捕されるのは黒人ばっかりって図式になる。

なんか観ていると、今問題になっている白人警官の黒人に対する暴力って、元々多少はあったんだろうけど、この時代から助長されるようになった印象を受ける。

『ライト・スリーパー』と『ポケットいっぱいの涙』の対比では、白人のディーラーだけが大金儲けたみたいに見えたけど、このドキュメンタリーでは黒人のディーラーもす~~~~っごいお金儲けていたのがわかる。そういう「元ディーラー」が出て来たけど、お金になるのが面白くて自分の母親にも売ったり、「自分も薄汚いキャピタリスト(資本主義者)に成り下がっていた」と反省していた。

黒人がやすやすとディーラーになっていったのは、やっぱり黒人だとなかなか仕事が見つからないせいで、それはやはり「システミック・レイシズム」だなと思った。だって、マクドナルドの求人のCMが、「貧乏でも、低賃金でも、感謝して働く黒人のティーンの男の子」ってイメージを使っているんだもん。

それを見た元ドラッグディーラーの黒人の男の人は、本当にマクドナルドで働いたんだけど、時給3.75ドルで、いくら働いても大して稼げない。クラックが200個くらい入った袋を貰って、それを売り始めたら、一日に何百ドルにもなる。そりゃあどんどん流れていくよね。しかもゲットーでは、警察が何も取り締まらない。

しかも警察は、黒人が儲けているのを知って、逮捕しても逃がしてやる代わりに黒人ディーラーの金とクラックを取り上げて、自分で売ったりしていたらしい。

ひどい話だと思うけど、そもそもアメリカ政府がコカイン密輸を容認していたって話、政府の要人はそれでキックバック貰ってたんじゃないのかな?「政治的なしがらみ」もあったんだろうけど、どちらかと言うとお金儲けていたのでは。

こうして白人はどんどん儲かり、黒人はその罪をひっかぶらされてどんどん刑務所送りになり、黒人の逮捕者が500%くらい増えたらしい。こうして格差がどんどん開いていく。

ネットフリックスのドキュメンタリーってくだらないのもすっごい多いんだけど、これは面白かった。
mao

maoの感想・評価

4.0
薬の話かと思ったら人種差別や貧困層の問題からの、そこで蔓延してる薬物問題。薬のドキュメンタリーって実情と使うとヤバいんだよってのが大概だけど、これは使用者が薬で底も見てるけど売買の大金で物凄くおいしい思いもしてるところ。見事に答えてる全員そのお金で豪遊しちゃってまた底に逆戻り。問題が多すぎる。メディアも怖い。
Camellia

Camelliaの感想・評価

4.5
なにが本当なのか、
今なにが本当に起こってるのか、
メディアは伝えてくれない。

人間の成長の乏しさよ。
日本が変わるのも時間が要する。
NEO

NEOの感想・評価

4.4
Crack規制の元に行われる黒人差別
時代が変わっても今尚染み付いてる悪しき風習
Hideaki

Hideakiの感想・評価

3.0
クラックが都市部貧困層に広がったことは事実だけど、鳥瞰すると政治・代理戦争・そして蔑ろにされた貧困層へと流れるお金のサイクル、そして90年初頭以降の麻薬排除の名目での差別的な締め付けが見えてくる。しかもそれは今も続いている。
1980年代のアメリカ・ドラッグ史。
富裕層のために密輸され、貧困層を蝕んでいったクラック。
良い勉強になりました。
どど丼

どど丼の感想・評価

4.2
追加登録されてた! Netflixドキュメンタリー。コカインと、コカインから精製されるクラックがアメリカ社会で蔓延し問題視されてきた過程を元使用者たちへのインタビューを交えつつ追っていくドキュメンタリー作品。内容的にもタイミング的にもナイスな映画。

レーガン政権が拡げてしまった所得格差の拡大や薬物の取締りに始まり、富裕層の娯楽だったコカインがいかにして国民に蔓延し、黒人文化に食い込んでしまったのか等が順を追って上手く描かれています。黒人差別を助長する一端を作ったのもコカインとクラックの流通ですが、元はといえば経済的な分断が最大の原因。コカインの歴史が当時の政治・経済の状況とどういった関連をもって紡がれてきたのかが非常によく理解できる作品でした。

あなたにおすすめの記事