試写

ポスターから伝わる印象とはかなり異なり、ばりばっりにハルキ映画って感じ。鳴海唯さんはホッピーの映画にも出てもらった非常に魅了的な俳優さん。錚々たる顔ぶれの一人として申し分ない存在感を発揮していた。堤真一の神様のような説得力を前に、いいエネルギーを発していた。のんちゃんのキャラクターがまたそんなバカなと思いながらすごく魅力的な声で物語を佐藤浩一相手に引っ張っていく。嘘だあと思う話なのに、なんかグイグイ引っ張られるのは佐藤浩一さんの重みとのんさんのぐいぐいな力強さによるものだろう。唐田えりかも本当にいい俳優さんですね。下品にならずにああいったシーンもこなす。不思議な世界を堪能させていただきました。地震でどこかみんなねじれてしまった世界観にいる人たちのお話って感じ。

舞台挨拶付きプレミア上映にて。
傑作！
地震やコロナといった様々な災害に襲われた世の中の4つの物語は、どれも日常をファンタジーに見せる演出が面白くて引き込まれ、北海道の景色や、緊急事態宣言の誰もいない東京などが異世界のように感じる。
バラバラな4つの物語だが様々な部分に繋がりがあり、そこに物語的な面白さがあり、愛や温もりそして希望を感じる物語がとても良い。
解釈は分かれると思うが村上春樹さんの独特の詩的なセリフ回しと映像がリンクした、多くの人たちが地獄を見た片隅で生きる人たちの日常の中に巻き起こる、ファンタジーな人間ドラマであった。