一時Netflixを解約するので新作で観納めようと選んだのは、タイラー•ペリー監督で、実力派タラジ•P•ヘンソン主役のサスペンスヒューマンドラマ。


◉ストーリー
病気の娘の治療費が嵩む中、最愛の娘を守りたい一心で朝から奮闘するシングルマザーのジャナイヤ。安アパートの家賃滞納で大家から煩く催促され、その日の10時が期限で強制撤去。娘の学校から電話があり給食費を納めに行かなければならない。その日は給料日なので午前中にどちらも届ける約束をするが、スーパーのレジ打ちの最中に休憩をせがむジャナイヤに店長は激怒し解雇を言い渡す。その時、強盗が押し入りピストルを向けられてしまう。その銃をたまたま取り上げ強盗と店長に発砲し、小切手を掴んで向かった先は目の前の銀行。ピストルを手にしていたので強盗と勘違いされ、そこから警察、FBIまで出動する絶体絶命のピンチに陥っていく...女性支店長の説得により気持ちが落ち着くが究極の選択肢を迫られる。悪夢としか思えない一日の出来事を描く。



・あまりにもタイミングよく事が重なること。
・警官とは思えない最低人間クズ男から車をぶつけられ更に追跡される。
・地元警察とFBIのよくある力関係と無能さ。
・銀行員がスマホで動画をリアル配信したことで、ニュースで知った世間の人々がジャナイヤを応援するため集まってくる。

幾つも上げたらキリないほどに、いかにも惹きつけようとする感じがクサイな〜と思いながらも、話のスピード感とヘンソンの演技力、脇役たちの演技も良くて（特に銀行支店長役シェリー•シェパード）ラストまで観届けてしまった。
しかし、黒人シングルマザーの生活困窮感にリアリティがありジャナイヤに同情してしまう。

シングルマザーは生き難い。自暴自棄になるのも解る。
最初はどうかな？と半信半疑で観ていたが、ぜひラストまで観て欲しい。
衝撃が...半端ない...

　最後の…隠されてた真実にびっくり(・・;)
　
　米国…貧困層の黒人シングルマザーの生きづらさ
　クソみたいな社会の中で、這いつくばって生きる為の唯一の拠り所、希望を奪われたら…
　幻影、錯乱、暴走…悪運の連鎖の果てに行きつくところは“絶望の淵”
　切ないな……

　前半の
　スーパーの店長
　煽り運転の警察官
　アパートの大家……
　クソ野郎の見本市から
　後半、
　ひとり、また一人と優しさが彼女を包んでくれていくのは僅かな救いと希望が残された、ということなのか…

　黒人女性捜査官レイモンド刑事がカッコ良い!　マジでカッコよい!!
　……ていうか、
　劇中、ほぼほぼ黒人俳優で、白人俳優は全てクズ役です
　タイラー・ペリーらしいと言えば、そうなのかもしれないな……
　
　

辛い現実と不運が重なる。
これが現在のアメリカの一面でもある。
貧富の差は拡大され、どんなに働いても苦しい生活から抜け出すことができない。
シングルマザーで子どもを育てる苦労は、当事者でなければ、実感することはできない。
病気の子どもに薬が必要だった。
もう我慢の限界に達してしまった。
最後の糸が切れたように、奈落に落ちていく。
これは単に、個人の問題としてだけで片づけられることではない。
社会への絶望に対する怒りは、自己破壊的に自身を傷つけていく。
しかし、その辛さを分かってくれる人はいる。
微かでも、希望の光があることを信じたい。