まぼろし天狗の作品情報・感想・評価

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mitakosama

mitakosamaの感想・評価

3.4
まぼろし天狗という堂々たるタイトル。しかし別に、まぼろし要素も天狗要素も無いからね。

大川橋蔵が主演二役を演じ分けてる。
町奉行与力の守屋と、天狗屋敷に住む旗本の浅川。礼儀正しい守屋に対して遊び人風情の浅川という演じ分けがなかなか上手い!

老中の田沼意次が執政する江戸。例によって田沼は時代劇では悪役扱いですな。芝の増上寺を隠れ蓑に作られる麻薬と、裏で糸をひく“闇の御前”の謎の追跡劇

肩を撃たれ重傷の守屋に代わり浅川が事件解決に活躍する。ソックリな二人は実は生き別れの兄弟。だが何故生き別れたのかは説明されず。
守屋を撃ったのは敵側の女なんだが、実は守屋に恋心。嘘ぅん。

遊び人の旗本・浅川には飲み屋に滞在する忠実な配下が居て諜報活動に従事する。この辺の遣り取りが凄い愉快。

しかし大川橋蔵のキレのあるお顔立ちは美しい。それだけでも見る価値あり。
時は老中田沼(山形勲)が支配する腐った治世
与力守谷周馬(大川橋蔵)と相方高田浩吉は、菅貫太郎や桜町弘子が加担する悪事を暴こうとするも失敗、深手を負い逃げ延びた先で出くわしたのが周馬に瓜二つの容姿を持つ旗本浅川喬之助(大川橋蔵、2役)であった
浅川は700石のお殿様で今は無役、屋敷には彼を慕うゴロツキ(千秋実、河原崎長一郎ら)が出入りしており、天狗屋敷とも呼ばれていた
浅川は周馬に代わって裏で行われる悪を叩こうと奔走、そして闇の御前(月形龍之介)なる黒幕がいることをつきとめる、、、

これなかなかよく出来てるんじゃないかと思う、ストーリーが面白い
田沼ら上が腐っているのでその息がかかる奉行所も十手持ちも信用できない
自らの力と仲間たちの協力で悪を正さねばならないの
リアリティはあまりないんだけど、意外と良かったです

特にヒロインの桜町弘子が印象的な作品かなと
なんか『風の武士』っぽくない?とラストらへんで思った
主役の橋蔵も2役頑張ってます、改めていい男っぷりだなーって思った
あと酒場の女の子で志村妙子(太地喜和子)がちょい役で出てる
若くてぷっくりしてて丘さとみっぽくてかわいかった

そしてボス役の月形龍之介の出演シーンに違和感
常に車椅子?みたいなのに座っていて立つことはない
最晩年で健康やばいのかな?とか思ったけど、調べてみるとあと数年は現役してるし、、、でもやはり健康問題から来る演出だろうなー
闇の御前って名前だけは出て来るが、なかなか登場してこない
中盤やっと出たかと思いきや顔は影になっていて見えず、しかもずっと座ってる
まるでベールのかかった大魔王的な演出に見えてインパクトありました

全体的にはツッコミ所もやはりありますが、個人的には結構収穫もあって好きな部類、及第点の出来かと
最近、途中で寝落ちしてしまうのが続いたがコレは最後まで見れた。

正義感の強い同心とやさぐれた旗本の兄弟(橋蔵二役)が老中田沼意次さえも操らんとする闇の黒幕を退治する話。

三田佳子や太地喜和子、河原崎長一郎といった若手が活躍するも『椿三十郎』以後の映画としてはやや古臭い感じ

1962年8月12日公開