父親の借金がため妻子持ちの社長の妾となりたる女性を描ける、大阪を舞台にせる悲劇譚。主演山田五十鈴氏の関西弁を喋れる演技の上手なること。これで当時妙齢18歳というのだから驚きである。
多少話の理解し…
関西弁の素晴らしさ。溝口と谷崎。ネオンの遠景。邸宅。婦人会で二時帰り。飼い犬と布団。医者。女中。小言。生卵。エッグカップにのせたたまご(たぶん半熟)をスプーンで割って掬って食べる。外廊下。日本家屋を…
>>続きを読む前半は空間が断片的であるショットの次のショットがどんなものになるか、良くも悪くも全然予想がつかない。だからこそ港が印象的になるというのはある。
鳥のさえずり、口笛の対比
唐突に聞こえる汽笛
二人の再…
戦前の作品とは思えないほど、現代にも通じる先鋭さ。この普遍性は名作たる所以。
悲劇の女性を山田五十鈴は見事に演じるが、たくましく社会に立ち向かう姿は溝口ならでは。大阪の街も活写、戦前の映像記録とし…
『浪華悲歌』が傑作であることなど今や誰もが知っているし、仮に知らずとも一見して誰もが傑作と呟くほかはない。だから、今回見直して思ったことを呟いてみたい。
冒頭すぐの男女3人の会話を捉える一連のシーク…
元はと言えば父が全て悪いのに、金ゆえに堕ちていく娘の辛さが溝口らしい。山田五十鈴の素晴らしい演技で作品の女性像がくっきりと浮かび上がる。ラストショットも良い。しかし、ストーリーを考えてみると省きすぎ…
>>続きを読む照明だけでも凄い。アヤ子(山田五十鈴)が無力な恋人と歩く薄闇の移動撮影のなかでふと顔が浮かび上がったりするのが哀しい。溝口の長回し移動撮影にはそんな照明の仕掛けも強力なのだ。物象化(拝金)が、アヤ子…
>>続きを読む『浪華悲歌』松竹大谷図書館所蔵