戦前の日本の不況を上手に描く。
穴あきの靴や靴下は成瀬の定番。
鏡や影の使い方はまるでフィルムノワールのよう。33年制作だから時代の先取りがすごい。後の成瀬作品にも出てくるような編集やら撮り方がい…
クローズアップの多用、演出とモンタージュのテンポ、役者のダイナミクスに任せた撮影、すべて天才としか言いようがない。なぜこの時代にこれが撮れるのか。個人的にはこの手のテーマに弱いので文坊の靴底キャラメ…
>>続きを読む『噂の娘』や『旅役者』でも見られた重要なシーンで俳優の顔にグッと寄っていく移動撮影や実験的なモンタージュなど成瀬作品の手法が既に表れている良作だった。
とにかく戦前のサイレント映画なのにモダニズム映…
成瀬6本目。これは凄いわ、救いようがなくて辛すぎる。ラストシーンの畳みかけ良かった。てかまた子供轢かれるんだ、成瀬がそういう経験したのか?
母子家庭で女給をしながら息子を育てる。ある日自分を見捨て…
最後に栗島すみ子が絞りだす「意気地なし!」という声=字幕は、斎藤達雄への恨みでも憎しみでも愛でも無念でもなくて、ただ生きることの苦しみが噴出した、という感じ。悲劇をつるべ打ちするような単調な物語から…
>>続きを読む「ここでこれをこう映す!」「こう繋げる!」「ここで寄せる!」みたいな気持ちよさの連発。最後の方の畳み掛けていく感じすごい。
パパがしゃがんで文坊が後ろからジャケットをかけるシーンが、あんまり美しくっ…
指折りで数えた結果トラックアップ33回(字幕のズームアップ含む)、トラックバック11回、横移動(指が足りないので記憶で)8回。
とにかくカットが細かく刻まれる。家具、建物、タバコといった小道具のイ…
一連のチャップリンや小津の「東京の宿」や「生まれてはみたけれど」サイレン映画には小さな子どもと失業した父親という組み合わせがよく見られる。ズームアップや短いショットの繋ぎが多用され、成瀬の若々しさを…
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