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『echoes(エコーズ)』に投稿された感想・評価

1.2
【サンクスシアター41:ジャームッシュ被れ】
サンクスシアターで先日、舩橋淳監督の『ポルトの恋人たち〜時の記憶』を観たのですが、マノエル・ド・オリヴェイラを意識している癖に録音が壊滅的で、屋外のシーンにもかかわらず室内のこもった音が立ち込めておりガッカリした。海外被れのイキリ監督なのかなと思ってしまった。さて、そんな彼がニューヨークの映画学校で作った卒業制作『echoes(エコーズ)』を観ました。

私が悪かった。完全に観るタイミングが悪かった。これが高校時代、大学時代に観たら、モラトリアムな青春をモノトーンな世界に凝縮された本作を「カッコいい」という一言で片付けられたのかもしれない。だが、私は知り過ぎてしまった。映画好き若手監督がカッコつけたシーンを作る時、意識的/無意識的問わず、オマージュしている映画が透けて見えてしまうようになった今、あまりに露骨に映し出される『ストレンジャー・ザン・パラダイス』や『ママと娼婦』、フィリップ・ガレルの作品群のイメージが私を辛くさせた。

アート映画のカッコいいシーンをパッチワークのように切り貼りしているようにしか見えず、この映画のカッコよさは舩橋淳がモノにしたカッコよさというよりも往年の監督の作るカッコよさをそのまま流用したようにしか見えなかった。

とはいっても痺れる場面は少しはある。車に乗る男たち、フロントガラスからチャリンコに乗った女性が手をかけ動きながら話す。この場面だけは、舩橋淳の個性が見えた。

それ以外は、「日本人監督がアメリカで撮ったインディーズ映画」というアイデンティティがなければ簡単に埋れてしまうであろう凡庸な作品でありました。
吉田喜重さんと舩橋さんの『まだ見ぬ映画言語に向けて』にがっつりハマってしまっている。
ところが舩橋さんの映画って『フタバから遠く離れて』の一、二部と『ポルトの恋人たち』しか見てなくて、サンクスシアターを覗いてこちらを拝見。本の中でも詳しく語られている映画だし。
登場人物たちの寂寥が、押し付けがましさを排除しながらしみじみ伝わる素敵な映像。
イタリア人のからの辿々しくもスクエアな英語が耳に心地よく響きます。
ニューヨークSVA時代の作品。舩橋監督の映画を観るのは初。
モノクロとニューヨークに暮らす若者のモラトリアム描写ということで、どうしてもジャームッシュを連想するけれど、むしろニューヨークという街は自然発生的にこのような映画を生み出すのかもしれない。
「いつも自転車に乗っている」と揶揄される主人公。彼女が車を運転するときに限ってエンストが起こらないのは、彼女が移動の女神だからなのかもしれず、それは定住できない孤独と表裏一体だ。自転車に乗って車の窓に手をかけるシーンが良い。

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