チャイコフスキーはホロヴィッツとトスカーニの変ロ短調のピアノコンチェルトの古い録音をよく聴いたものだった。あまりに凄すぎて最新の録音のものでもなかなか満足いかなくなった。チャイコフスキーというよりもホロヴィッツが凄すぎる印象。他に有名な交響曲を3つ、また大砲が出てくる序曲をたまに聴く程度。ということで①チャイコフスキー本人にはほとんど関心がないし、知らない。②古い映画にはよくあるのだがマスターがかなり劣化しているせいで、画面がかたつき、ゆらぎ、モアレで萎える。音は不思議なことにサラウンドミックスされており、だいぶ聞きやすくなっているのであろうし、SEの配置はたしかにマルチサラウンドのそれだが、③音楽にもセリフにも厚みや色気や香りはない。④非常に睡眠誘導効果の高いタイプのロシア語が話される上に、物語的な抑揚もなく、話がどこに向かうのかも不明な展開なので、なお眠くなる。1971年のアカデミー外国映画賞にもノミネートされたようだが、デ・シーカに持っていかれて、⑤大した名声もなく箔のついていない作品なのだ。逆境は無数にある。しかし、one of the best films everを与えたい。なにしろこれまで5回もGEOでレンタルしているのだ!この可哀そうな作品が史上最高の一本だと言いはってもよかろう。(^^) 誰かが声を上げないとね、IVCにもオリジナルフィルムを借りてきてもらってリマスターしてもらわないといかん。
『チャイコフスキー』(露: Чайковский)は1970年のソビエト連邦の伝記映画で157分で、私の視聴したDVDでは二部に分かれていた。少年時代の短いエピソードの後に、すぐに成人となりピアノ協奏曲第1番を作曲しピアニストニコライ・ルビンシテインに酷評されるエピソードが紹介。ルビンシテインはチャイコフスキーの支持者・友人として本作では描かれるが、同じくチャイコフスキーを主人公としたケン・ラッセル監督による1970年公開の伝記映画『恋人たちの曲/悲愴』(原題:The Music Lovers)では、ルビンシテインは悪役として扱われていたのとは対照的で本作のほうが史実に忠実。『恋人たちの曲/悲愴』ではチャイコフスキーの同性愛が描かれていたが、本作では触れられておらず、結婚の失敗も妻の軽薄さが原因としている。『恋人たちの曲/悲愴』と本作の両方とも、フォン・メック夫人とチャイコフスキーが一度だけ林の中にいるチャイコフスキーが馬車の中の夫人とニアミスするシーンがあるが、微妙に描き方がことなる。本作では二人とも気が付かない、ケン・ラッセル版ではお互いに気が付く。また、両作品とも夫人が主催のパーティーのシーンがあるが、これはフィクションとのこと。両作品ともルビンシテインとメック夫人が面会するシーンがあるがこれはフィクション。メック夫人はチャイコフスキーだけではなく、他の人とも接触を避け隠遁生活をしていたのが史実。