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チャイコフスキー
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『チャイコフスキー』に投稿された感想・評価

5.0
私自身、チャイコフスキーのことはあまり知らないのだが、実は彼には謎が多い。暗殺されたと真面目に考えている学者がいるほど。チャイコフスキーはその同性愛的嗜好のために殺されたと。しかし、この映画は暗殺の話ではないし、同性愛は周辺的なものである。チャイコフスキーには財政的に支えてくれた裕福な未亡人がいた。このご婦人とチャイコフスキーは生涯1度たりとも会うことはなかったが、無数の手紙のやり取りを重ねることになったし、交響曲第4番は彼女に捧げれたのであった。

出逢いは時に困難である。不可能な邂逅を1つのショットで捉えることが困難であるから、『ワン・フロム・ザ・ハート』(1982)ではコッポラが光学合成に挑んで敗れたわけだし、『オープニングナイト』(1977)のカサヴェテスには鏡が必要であった。ベルイマンはドーランだけで超越を操作できるし、『ペルソナ』では映画芸術として達成していた。デヴィッド・フィンチャーが30数年後に真似してみたら、その芸術はなくなってしまったのに、『ファイトクラブ』が好きだという人は世の中たくさんいるが、お宝をずっと多く包含している『ペルソナ』を好きだという人は実に少ない。

1度たりとも会っていないが、交響曲を捧げることになったご婦人との出逢いは、ロシアの鑑賞者にとっては常識なのかもしれない。ほとんど説明なしに淡々と描かれていく。驚愕であったのはルービンシュタイン(ポーランドの著名なピアニストとは無関係)が死んだあとだ。出逢わない運命の2人を鏡等の幻想を宿らせる装置なし、もちろん、カットなしで、出逢わせる。壮絶な映画である。かつて出逢わなかったし、未来永劫出逢うことがない、ありえない出逢い。

白樺のショットはクレーンを使ったのだろうか、抽象美術のような出来栄えである。家屋のショットでも、ごく普通の貴族的な家具調から唐突に現代のアートギャラリーの壁のような塗りつぶした壁面が映る。こうしたことはどこまでオリジナルのフィルムに対して正確にDVDで再現されているのか不明なので、あまりつっこめないのだが、ショットの色彩をつかさどる美術はかなり攻めていると思われる。

プリセツカヤが白鳥を踊る。ホールの外は闇。その夜闇とステージの黒が重なって、もやを映像として映しているのか、フィルムの劣化に起因するモアレなのか不明だが、ホールの外から、フォルマリズム的形象、ステージ上へ、白鳥、馬車、白樺とショットが繋がっていくのだが、それがチャイコフスキー作品の解釈を反映しているのか、音楽家の伝記的事実なのか、この映画の監督の美的観念なのかも不明であるが、尋常ではない繋ぎで、まったく理解できない。ここ2年で5回レンタルしているのに。異常である。異常に美しい。たまたまだと信じたい。この繋ぎを理解できる日が自分にやってくるとは思えないから。たまたま美しいのだ、尋常じゃないくらいに。

たくさんの受賞を果たし、大いに売れたミロシュ・フォアマンの『アマデウス』(1984)が素晴らしいのは間違いない。しかしあの映画の正体はマリナーの指揮したモーツァルトと、本作『チャイコフスキー』とは逆に、モーツァルトの伝記的事実を曲げてであろうとも、実際にはモーツァルトの伝記的事実など知りもしない大勢の鑑賞者に受けるように設定された脚本である。他方で、『チャイコフスキー』の展開をロシアの教養ある鑑賞者であれば物語的な理解を元手に、ショットの繋ぎを説明できるとは思えない。意味論的な制約とは別の審美的な繋ぎだと思う。理解できない者の希望であるが。

 


チャイコフスキーはホロヴィッツとトスカーニの変ロ短調のピアノコンチェルトの古い録音をよく聴いたものだった。あまりに凄すぎて最新の録音のものでもなかなか満足いかなくなった。チャイコフスキーというよりもホロヴィッツが凄すぎる印象。他に有名な交響曲を3つ、また大砲が出てくる序曲をたまに聴く程度。ということで①チャイコフスキー本人にはほとんど関心がないし、知らない。②古い映画にはよくあるのだがマスターがかなり劣化しているせいで、画面がかたつき、ゆらぎ、モアレで萎える。音は不思議なことにサラウンドミックスされており、だいぶ聞きやすくなっているのであろうし、SEの配置はたしかにマルチサラウンドのそれだが、③音楽にもセリフにも厚みや色気や香りはない。④非常に睡眠誘導効果の高いタイプのロシア語が話される上に、物語的な抑揚もなく、話がどこに向かうのかも不明な展開なので、なお眠くなる。1971年のアカデミー外国映画賞にもノミネートされたようだが、デ・シーカに持っていかれて、⑤大した名声もなく箔のついていない作品なのだ。逆境は無数にある。しかし、one of the best films everを与えたい。なにしろこれまで5回もGEOでレンタルしているのだ!この可哀そうな作品が史上最高の一本だと言いはってもよかろう。(^^) 誰かが声を上げないとね、IVCにもオリジナルフィルムを借りてきてもらってリマスターしてもらわないといかん。
少年時代を演じた子役、絶対ワガノワかどこかのバレエ学校の生徒よね。



3歳から洗脳されたようにチャイコフスキーが生活の一部に流れていた。洗脳でもなんでもいいけど、とにかくチャイコフスキーはいろんなシーンで抱いた感情や思い出と結びついていてただの「好きな作曲家」ってレベルじゃない。
これは紛れもない名作。説明的な描写はほとんどなく、チャイコフスキーの半生と内面を美しい映像と音楽で語る構成が素晴らしい。何より撮影の見事さ! 2時間半という長さを全く感じないほどに終始映像美に釘付けにされる。

中でも20世紀最高のバレリーナといわれてるマイヤ・プリセツカヤが出てたけど、素人の自分が見ても、あの演技には圧倒されるしかない。

1970年の映画にしては画質と音質が悪いのが残念だけど、この淡いフィルム感がまた味になってる気がしないでもない。撮影は珍しい女性の撮影監督マルガリータ・ピリーヒナ。あの構図と流れるようなカメラワークが素晴らしいんだよね。この映画のイーゴリ・タランキン監督と組んだ『昼の星』もいつか見てみたいなあ。

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