ナツミオ

海の牙のナツミオのレビュー・感想・評価

海の牙(1946年製作の映画)
3.7
DVD鑑賞
「潜水艦映画に外れ無し」の名作。
1947年カンヌ国際映画祭作品賞(冒険探偵映画賞)受賞。
数回目の鑑賞

ルネ・クレマン監督2作目
戦争を題材にした人間群像劇。

1946年仏作品 白黒作品
監督・脚本 ルネ・クレマン
脚本 ジャック・レミ ジャック・コンパネーズ
撮影 アンリ・アルカン

出演
アンリ・ヴィダル ヨオ・デスト ミシェル・オークレール ポール・ベルナール マルセル・ダリオ

フランス語原題は「呪われた人々」「地獄に堕ちた人々」の意味。(DVDパッケージより)

第二次世界大戦末期
ノルウェー・オスロのドイツ海軍・潜水艦基地より一隻のUボートが秘密裏に出航した。
特命を帯び乗り組んだ面々。
陸軍の将軍、ゲシュタポの実力者と右腕のチンピラ、イタリア人の経営者とその妻(将軍の愛人)、スェーデン人作家とその娘、仏人新聞記者達。
途中、敵攻撃で負傷者が出てフランスの港町より仏人医師を拉致。

南米に向かうナチス潜水艦に乗り込んだ人々の物語。
南米に着くが、ここから仲間内の争いが起こる・・・

本物のUボートを撮影に使い、狭い艦内の描写や、水密ハッチの開け閉め、テーブルの上で回転するナイフ、袋からこぼれ落ちるコーヒー豆、南米の協力者が殺されるシーンでのカーテンが上からちぎれるシーンなど、印象的なシーンが多い。

拉致された仏人医師ギベールの視点で描かれ、艦内の人物達がやがて争い、殺し合いに発展していく。

ルネ・クレマン監督の2作目。
前作『鉄路の闘い』に続き撮影のアンリ・アルカン。
後の『ローマの休日』も彼の撮影。

戦闘場面はほとんど無い。
最初の敵から爆雷攻撃を受ける所と、最後の魚雷艇の攻撃シーンぐらい。
極限下の人間群像劇として、面白い作品。
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