大地のうたの作品情報・感想・評価

「大地のうた」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

後半大雨が降ってきてからの25分間の畳み掛けが凄い。
嵐が去った後、グチャグチャに壊れた家の破片や飛んできたゴミと一緒に牛の死骸が映る。
そこにとんでもないリアリティを感じ、母親が泣き崩れる所でまるで泣き声の様な音楽が流れてきて涙を誘う。あんなにストーリーと母親の感情と音楽が見事に融合したシーンはあまり見た事がない。
最後一家が村を出て行った後に1匹の蛇が家の中に入っていく。そこには人間が誰もいない事を現す様に。
当時の田舎のインドをリアルに映し出した名作だと思う。
だが、今も同じ様に暮している人たちは沢山いるんだろうなぁ。だから心に響くのだと思う。
ropi

ropiの感想・評価

4.3
サタジット・レイ監督作。オプー三部作の第一部。インドの片田舎に住むオプーとその家族の物語。

身近に感じられる風景に、どこか神秘的な物語。アメンボがスイスイ泳ぐ蓮池、オプーがお姉さんとススキの原っぱからみる汽車など綺麗な映像に驚かされる。
オプーの家族、地主さん、みんなそれぞれいい所も悪い所もある。その人間らしさを善悪決めつけずにサラリと描いてるところが良かった。
バックで流れるラヴィ・シャンカルの力強い音楽も深く心に残ってます。

オプー一家の新天地での生活。続きが気になります。
field

fieldの感想・評価

4.0
たまにはクラシックも観なければ、オプー三部作の第一作にして監督の初作品。ベンガルの片田舎を舞台に生きる家族の生と死。映し出される詩的な映像の数々に添えられたシタールの音色、前に観たチャルラータ等とも違う深い情緒を感じた。

雨に打たれた娘ドゥルガのあどけない表情、息子オプーも自然でいて姉のいない寂しさ不思議さを感じさせる自然な表情。肺炎でドゥルガを亡くし娘のお土産のサリーを見た瞬間慟哭する母、生を感じないやつれ顔で出稼ぎからようやく戻った父を迎え高音で鳴る音色と共に崩れるシーン、事態を飲み込んだ父もそうだけど何とも切ない。嫌味を言われ居心地が悪くなると家を出る高齢の叔母も最期は道端で可哀想だったな。出る直前に水を飲んだ時の母へ向けた笑顔のような表情、果実を貰った嬉しそうな顔も印象的。
印象的と言えば蜘蛛と共に落ちてきた姉の隠したネックレスを池に捨てるオプー、幼い頃から続く果実の盗みもあり姉に泥を塗りたく無かったか。静かだけど色々な感情が汲み取れる。

森や汽車の見えるススキの原っぱ、菓子売りなど貧しくも外で活発に遊ぶ子供。果実を嬉しそうに喜ぶ叔母の笑顔見たさに盗みを止められない娘の気持ちやたまの出稼ぎくらいで能天気な父に小言を言う母の気持ちも、自然体の家族が暮らすなかで態度や映像詩によりそれぞれの心情が手に取るように分かる。傘代わりの蓮も貧しさが伝わる。
幼少のドゥルガに熱を心配してた母だったが台風を前に娘を心配する顔、雨宿りするところのない森で体を冷やせば重症化してしまう可能性もありそういった状況まで感じ考えながら観れる。

新天地でやり直す為静かに馬車に揺れる家族の姿で第一幕は終わる。浸透度で言えばもっと早くに観るべきだったがエンタメに馴染み過ぎた今でもしっかりと美しかった。
STARLET

STARLETの感想・評価

-
詩情に満ちていて、しっかり現実も描いていて、主人公の目が綺麗で、忘れがたい作品です。
EDEN

EDENの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

03/14/2020


貧困がテーマというよりは、「生活」がテーマだと思った。「大地のうた」っていう邦題素晴らしいすぎるね。

Auntie (大叔母)の死と、姉(娘)の死。いとこの誕生。

最初、「フルーツを盗むな!」といっていた近所の人も、娘が死んだときは抱きしめる。フルーツを差し入れる。


白黒なのに、白黒だからこそ、大地の感触を感じる。風の音、伸びた草たちがかすれる音、泥、川、晴れた日の雨、細い枝、太い木、石でできた鉢で材料を練って食べ物をつくる…

”グローバルサウス”に住む人たちのことを「原始的」「野生的」「前近代的」にくくりつけたくないけれど、自然が自分たちの生の一部であり、人が生きる・死ぬということに対してここまでauthenticであるというのは、この映画が成し遂げたこと。
Walkabout を少し思い出した。

こう考えていくと、この映画の中での「お金」の立ち位置は面白い。私は物々交換を野放しで賛成しているわけではないけど、それでも、「お金」ってなんだろうと思ってしまうね。父が布を持ち帰ってきたとき、その布を噛みながら泣く母。

あと、音楽の使い方や子供の描き方がアッバス・キアロスタミぽいなと思った。アップや画の切り取り方も印象的。

この映画の背景をもっと知りたいな。ドキュメンタリーっぽいんだけど、これが”Objectify”の立場で描かれたものなのかどういうきっかけだったのかをもっと知りたいから。
s0o0gle

s0o0gleの感想・評価

4.3
原題 : Pather Pancheli

淀川長治総監修『世界クラシック名画100撰集』のやつの場合、いきなり淀川長治による壮大なネタバレから始まるので、注意が必要。
公開60周年という事でもう一度見て観た。やはり何度見ても良い。

しかしながら最近のヒンディー映画やタミル映画を結構見てしまっているせいでSatyajit Rayの映画はインド映画ではない様な気持ちになってしまう。
dio

dioの感想・評価

3.0
踊らないしめちゃめちゃ重いインド映画。

羅生門と双璧という解説もわかる気がする。
Imapotato

Imapotatoの感想・評価

4.5
インドのネオリアリズモ映画とも言える作品。

子供の目を通してからこそ効く小さなスケールでも壮大な話。作品中漂うなんとも言えない人生に対する希望がラストカットを力強いものにさせる。
Koko

Kokoの感想・評価

3.4
な、長い…私にとっては異色な映画。
いわゆるボリウッドとはかけ離れた、リアルなインドのリアリズムって感じ。これが近代の話ってことにも衝撃
インドの1900年代の貧しい家族を描いた佳作。生きていく事の寂しさややりきれなさ、理不尽さを描く一方で、そんな状況の中でも明るくひたむきに生きる子どもたちのおおらかさがある。前向きな成長がある。

文化や風俗、もちろん時代背景には大きな違いはあれど、家族や子どもへの愛情には変わりは無いなと思った。海外や日本の旧い作品を観るたびにそれは感じる。差異ばかりに眼が向きがちな時代だが、やはり同じ人間なので大差ないなと思う事が多い。

これからのこの家族がどうなるのか、第二部、ダイハ三部が楽しみだ。
>|