「ゴダールと仲間たちシリーズ～極左東部劇編」って別題つけてあげたい。

終始延々、主義思想と映画に関するイデオロギーをこねくり回していますが、それよりもまず非日常的な用語字幕をひたすら追い続けるので一苦労。
フランス語が母国語じゃないと100分間集中して見届けるのは辛すぎる…。
この字幕を監修した人も本当にご苦労様です。

前年の1968年5月10日にフランスで「五月革命」が勃発し、国内の学生や労働者、そしてゴダールを含む芸術家たちはマオイストの名の元に最も左翼ボケした時代を席巻していました。
先進国フランス発祥の変革の波が勢いに乗り、世界はきっと「西風」を打倒し「東風」に変わっていくのだと信じて疑わぬ、極めて闘争的な空気が伝わってきます。

当時は全世界で同時多発的に学生運動が巻き起こり、もちろん日本もこの頃は全共闘運動の真っ只中にいたわけであります。
バリ封した大学校内で、全学連の同志たちが夜な夜な本作を観賞しながら士気高揚していたのかも～！？なんて、想像するだけで胸アツですね。
「自己批判！自己批判！」「異議ナシ！」「ナーンセンス！」とか掛け合いながらw

とまぁ少し小バカにしちゃいましたが、本作を観て感じたのは、
我々はこの時代ほど熱意ある眼差しで社会を見据え、尚且つそれを実践に移すほどの能動的な指針を持ち合わせているのだろうかということ。
凋落的な時代に生まれた我々には、全体主義の中でこうした過去を冷笑することしかできないのかも知れませんね。

一番面白かったのは、本作がレンタルショップの西部劇コーナーに律儀に置いてあったことです。

物語があってもなくてもいいけど、つまらない。
商業映画から決別して政治的映画でいいけど、つまらない。
こんな映画が楽しめない俺がつまらない。

フランス語やらなんやらがわからないので、映画観るというより100分懸命に字幕読んでたみたいな。

だって映像も、今日は晴れたし裏山で紅茶のみながら適当にカメラ回すかって感じだし。

ブルジョワがどうのこうのと言うのであれば、アホな私でもわかる映画にしといてください。

しかし、ゴダールの嫁はん選びだけはいいですねえ。
アンヌ・ヴィアゼムスキーいいですねえ。

写真

「映画は何をなすべきか」を問う革命的映画

難しい
前衛的な作品です

語りがスゴい
言いたいことはなんとなく

イデオロギー

階級闘争、民主主義など
社会の問題に斬り込みます

血
映像はアートな感じでした