爆笑!?恋のABC体験の作品情報・感想・評価

「爆笑!?恋のABC体験」に投稿された感想・評価

ghostboat

ghostboatの感想・評価

4.5
まさかの一夜劇で大好きなやつだった。傑作。男子高校生3人組が買春をしにメキシコの風俗街へと向かうお話。メンバーの弟(クソガキ)もついてくるが、同行理由が転売目的の爆竹を仕入れるためという曲者っぷり。そしてひょんなことから道中でシェリー・ロング演じる人妻も合流し5人で向かうことになる。

ジャンルとしては一応コメディになってるが、ハンソンは笑いを撮る気がなかったのか、シェリー・ロングを奪い合うトム・クルーズとジョン・ストックウェルに焦点を絞ってて、意外にもドライな青春劇に仕上げてる。恋に破れたストックウェルが躍起になって喧嘩して留置所にぶち込まれる展開とか笑なしですごく真面目。早くも買春話はフェードアウトしてしまう。笑いはクソガキと兄貴コンビに託されており、笑いの大半はこいつらの仕事。売り子に媚薬飲ませたことがその兄(地元の不良)にバレてクレーンで吊るされるシーンは爆笑。
 
撮影がとにかく素晴らしく、ネオンに灯された風俗街の光景が眼福。薄暗い廊下を通って連行される友人の後姿を捉えたシーンなんて異様にカッコいい。もちろん立ちんぼもカッコよく撮れてます。

シェリー・ロングとの別れのキスシーンでほろ苦さ全開で泣きそうになったが、一夜好きとしては朝日をバックに海沿いを走るシーンがベストですね。最後にダイナーに寄るのも反則。。最高すぎるでしょ。。
(徹夜⇒朝のダイナーのくだりで言えばSIMONA KOSTOVAの『THIRTY』もヤバかった。)

控えめな音楽も夜の静けさを際立たせてて良かった。ほんのり感傷的な気分に浸りたい夜に観るとちょうどいい。
80年代の能天気な童貞コメディとしては、そこまで弾けず確かに物足りなさはあるが、背伸びした子供たちが裏側の(日常とは離れた)世界で不条理な暴力や真の愛を体験する大人への成長物語だとみれば、真っ向勝負で若者をとらえたカーティス・ハンソンはよくやっている。ハンソンの映画は人物に嘘がない、誠実な作家。トム・クルーズとシェリー・ロングの別れ、さらりとしていて素晴らしいよ。