【隠れた傑作⁉︎シリーズNo.43】

傑作”女神の見えざる手〟のジョン・マッデン監督作品。
映画の見方が深いフォロワーさんがレビューで激賞していたので、clipしていた作品。
Netflixにて。


1965年イスラエル🇮🇱諜報機関モサドの3人は、ナチスのホロコーストに加担した殺人医師フォーゲルを東ドイツで見つける。イスラエル🇮🇱の法廷で裁くため、彼の拉致を決行。
それが、彼らの悲劇の始まりだった…

これほどの作品が日本劇場未公開⁉︎
練られた脚本で、スリリングな展開ながらも人間ドラマ、ロマンスとしても秀逸。
名女優の2人、ヘレン・ミレン、ジェシカ・チャステインがモサドの諜報員レイチェルの50代と20代を熱演。作品にコクと深みを与えている。

観る者をグイグイと物語に惹きこむジョン・マッデン監督の考え抜かれた緻密な構成と演出も見事。

守るべき存在があるからこその、人間の苦悩と葛藤を描いた、歴史サスペンスの隠れた傑作です‼︎

GEOで旧作・準新作が80円セールだったので、配信作品でも見放題じゃないもの等、諸々5本レンタル！

地味だけど個人的に応援しているサム・ワーシントンと演技派で強い女性が似合うジェシカ・チャステインに惹かれて、鑑賞。

原題の"The Debt"とは、「債務、負債、借金」の意。
過去に残した人生の"借り"を抱えたままの3人の男女が、32年の時を経て、導き出した答えとは——。

1965年、イスラエル諜報特務庁（通称：モサド）の工作員レイチェル（ジェシカ・チャステイン）、デヴィッド（サム・ワーシントン）、ステファン（マートン・チョーカシュ）の3名は、ナチスによる人体実験の罪で戦犯である、収容所（ビルケナウ）の外科医ディーター・フォーゲルを捕らえ、裁判にかける為に東ベルリンに潜入する。

これは！！
かなりゴリゴリ硬派な東西冷戦時代のスパイもの！！

レイチェルとデヴィッドが夫婦と偽り、不妊治療を受けるという名目で、現在は産婦人科を開業しているフォーゲルと接触する。

目の色を変える為に子ども達を失明させ、
腕と脚を繋げ替えて経過を観察する。
ナチス時代のフォーゲルによる人体実験の恐ろしさよ。
＊直接的な描写はないので、グロ耐性がない方も安心です。

フォーゲル誘拐作戦、東ベルリンから西ドイツへの移送作戦、と手に汗握る展開が続く。

その中で2人の男の間で揺れる1人の女。
工作員の苦悩。
ああ、息が詰まる！！

アクションではなくサスペンス。
軽快さではなく重厚さ。
32年の時を行きつ戻りつしながら綴る物語は、
時の流れと共に深い哀愁を帯びていく。

1997年のレイチェルをヘレン・ミレンが好演。
時間軸を2つに分けていながら、ジェシカ・チャステインとヘレン・ミレンが魅力的で飽きさせない。
どちらもカッコいい！！

3人だけの秘密。
それは過去に封じた筈の負債。

「英雄としての名声」を手にして、
光の下で生きた筈だったのに。
嘘を抱えたまま闇の中で生きてきた3人。

その嘘という灯火（ともしび）を吹き消そうと
歩み始めたレイチェルの決意、そしてその行く末が悲しい。

「女神の見えざる手」のジョン・マッデンが監督、「キングスマン」のマシュー・ヴォーンが制作、脚本を手掛けていると知って納得。

派手さはなく、はっきり言って地味だけど、これは良作！！

• #2019akirunaway

記録。
英雄が隠し続けた負債。

ジョン・マッデン監督による日本劇場未公開のスパイサスペンス。ヘレン・ミレン、トム・ウィルキンソンといった名優に惹かれて鑑賞。

原題は「負債」、邦題は「返済」や「清算」といった意味あい。本作の主人公たちは祖国への大義を果たした英雄でありながら30年以上に渡って隠し通した負債があり、不本意ながらも返済すべきタイミングを迎えたことにより物語は始動する。

大半は負債を抱えるに至る1960年代のエピソードが占める。当時モサドの工作員であった3人の若者が、ナチス人体実験の戦犯である医師を裁判にかけるために起こす活動は、地味ながらも古き良きスパイものの香りプンプンで良き。

まぁスケールはデカイけど、要するにバレないうちに…なワケで、元はといえばの失敗の要因もスケールの割にはしょうもない。野暮なこと言うとあのような人員配置にしたのがそもそも…(笑)

とはいえ、結構楽しめる作品ではありました。リメイク元のイスラエル映画も機会があれば観てみたいな。