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シェラ・デ・コブレの幽霊
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『シェラ・デ・コブレの幽霊』に投稿された感想・評価

【所感】
あまりに恐ろしい映像描写のため、視聴者が体調を崩したという逸話まで残っている本作。
昔、『探偵!ナイトスクープ』で紹介された時から気になっていたのだが、実際に鑑賞してみると、なんて事はない。
ホラー耐性がない人には恐怖を感じるのかもしれないが、現代のホラー作品をある程度観慣れている人にとっては、そこまで強烈な恐怖を感じるレベルではないと思う。
というか、全然怖くない。

制作当時の恐怖表現の基準や、アメリカと日本の文化的な違いを考慮しても、”観客が体調を崩すほど恐ろしい映画”という評価は、さすがに過剰すぎではないだろうか・・・。
邦画ではあるが『狂つた一頁』の方が比較にならないくらい怖いぞ!!!

そういや『探偵ナイトスクープ』内で本作を観た確か田村だったかな。

田村「貞子みたい」

って幽霊の事を指してたけど、あれのどこが貞子なんだろうか?

ホラー演出としては現代の方が遥かに怖いし優れているので、あれに関しては期待しない方がいいが、脚本やキャラクターはなかなかいいので、古典的な怪奇ミステリーとして観るなら、十分に鑑賞する価値のある作品だと思う。
幽霊の正体見たり枯れ尾花。

いや、決して作品を否定してるわけではなく、この映画煽られすぎた。ハードル上がりまくり。

探偵ナイトスクープの件然り。
金沢映画祭での出来事然り。

とにかく怖くて、怖すぎて封印されて、封印を解いて上映しようとすると、何かが起こる。。。いや、実際起こったりもしてたらしいし、どんな映画なんじゃい! と。

長らく封印されてた本作が数年前に海外で突如ソフト化。そんなに高くなかったこともあり、購入して冒頭部観てみたものの、やはり日本語字幕がないのはキツくて、そのままほっぽいてありました。

で、何気なくアマプラのラインナップ眺めてたら、あれ?あれれ?

配信されてるじゃん!しかも課金なし!

アメプラやるじゃん、と感心しながら早速観てみました。。。

うむ。さすがに60年くらい前の作品だしね。こんなもんかな。でも当時だと幽霊描写はびっくりするかな?うむー。

お話的にも、まあ怖がらせるというよりはミステリー要素強め。

観てしまえばこんな感じね、って感じで。でも観てよかったかな。

観る人が観ればゾクゾクする怖さはあるかも。。。しれないです。。。

アマプラさん、ありがとうございました。画質も良かったですよ!
幽斎
4.0
「伝説のホラー映画」例えがコレほど相応しい作品も無かろう。日本ではABC朝日放送「日曜洋画劇場」1967年に放送された1回コッキリ。淀長さんの解説「シェラデコブレって、何かシャレコウベみたいですね。コワイですね」ホラー界隈では伝説と化してる。AmazonPrimeVideoで再鑑賞。

製作年が1964年或いは1959年と諸説ある事が、曰く付きの始まり。元はCBSのTVのホラー枠で製作したパイロット版「The Haunted」54分の作品。当時としては画期的な「足の無い幽霊」登場するが、アメリカ人のメンタリズムからすれば、姿形の有る心霊現象は異例で、足が無い事でこの世のモノでは無いと分る描写が放送コードに抵触してお蔵入り。監督は再編集して1時間21分版「The Ghost of Sierra de Cobre」製作。

しかし、試写会で「怖すぎる」退場者続出で再びお蔵入り。フィルムは火災で焼失、現存するのは世界中に2本だけ。1本はカリフォルニア大学ロサンゼルス校。もう1本は映画評論家の添野知生が所有。私がこの作品を最初に知ったのは「探偵ナイトスクープ」で幻の本作が見たい!と言う依頼。サンテレビで再放送されたらしいが、アメリカでも円盤化されず、私も先輩からの情報しかなく「シラレコブレの幽霊」誤って記憶してた。

2018年10月にUS版Blu-rayが発売され初めて観た。円盤には1時間21分版「シェラ・デ・コブレの幽霊」。54分版「The Haunted」両方が収録され、日本語の字幕は無いが全く問題なく鑑賞。知ってはいたが主演「スパイ大作戦」Martin Landauは驚き。私にとって彼はローラン・ハンド役のヒーローで、Peter Gravesと共に子供の頃に再放送を何度も見た。彼が劇場公開され無い事を聞かれ「アレは本当に怖かった、試写を見た人は体調不良に為った」インタビューで答えた事が伝説の始まりとの説も有る。

Joseph Stefano監督と言えば、私の師匠Alfred Hitchcock監督の最高傑作スリラー「サイコ」脚本家。本作もサイコのテイストは存分に感じるが、続く「六年目の疑惑」サイコ・スリラーの傑作、人気シリーズ「アウター・リミッツ」成功で本作を製作。懲りたのか(笑)、監督作品はこの1本だけ。印象的なタイトルのシェラ・デ・コブレ村は、会話の中だけで実際には登場しないとか、ギミックも多い。特長的なのはHitchcockが得意としたミラーズ演出。例えばLandauが演じるのが現代建築家と心霊調査員。自宅も1階がゴシック調で、2階はモダンアート等、随所にコンセプトの対比を描く事で、スリラーの深層心理を惹き立てる。

作品をレビューしようと思ったのは、今回が初めてでは無いが、円盤が輸入盤しかないので保留案件。しかし、突如としてAmazonプライム会員なら無料で配信されると成れば話は別。アマゾンで観たのは5月16日だが、日本語字幕もしっかり有るので、安心して紹介できる。コンテンツが消えない内に、奇跡のリリースを心行くまで堪能して欲しい。

肝心の作品の中身は、流石に60年近く前のスリラーなので、ホラー目線で言えば怖れるレベルの怖さは無い。アマゾンのレーティングもR13+なので女性でも安心(笑)。当時から見れば失神者続出かもしれないが、ホラーの地位も向上、脚本やVFXの進歩も相まって、過激なシーンに慣れた現代の水準では、トラウマには及ばない。円盤に較べるとアマゾンの配信は(どの作品もソウだが)画質が悪く、観たからこそ言えるが「幻の作品」は、ikkoさんじゃ無いけど「まぼろし~!」の方が良かったかも。

とは言えサイコの脚本家だけ有り、ホラーとして見ると時代感は拭えないが、スリラーとしては今でも秀逸かと思う。導入部は盲目の資産家ヘンリー・マンドールから「死んだ母親から毎晩電話が掛かってくるので調査して欲しい」と言う依頼。オカルトなのかスリラーなのか、不文律の中で怖いのは幽霊では無く人である、と言うスリラーの鉄則を守りながら、スリラーに薄目のミステリーを加える事で、未解決事件を炙り出すテクニックはシンプルだけど面白い。

動機や真相への伏線には時代を感じるし、現代のメタファーで考えると咀嚼できない部分も有るが、ソレが新鮮に映るのだから脚本の骨格がブレて無い証。「The Haunted」と「シェラ・デ・コブレの幽霊」を比較すると、The HauntedはTVシリーズのパイロット版故に、伏線に対する編集が荒い気もするし、シェラ・デ・コブレの幽霊も追加したパートとの整合性なのか、理屈が合わない不自然な部分も見受けられる。但しロジックは新鮮なので、其処まで瑕疵とも言えない。

本作が「リング」元ネタと言うのは有名なトリヴィアだが、例えばレビュー済「ラストナイト・イン・ソーホー」の様に、本作をインスパイアした作品は数え切れない。私の父親が生まれた世代の作品でも普通に面白いのは、伝説の作品と言う名に恥じない。「足の無い幽霊」日本の怪談にも出てくるので、ジャパン・オリジナルだが、当時のインパクトは凄かっただろう。「サイコ」がお好きの方なら見逃し厳禁!。スリラー専門家として自信を持ってお薦めしたい。

ホラー20%、スリラー80%の伝説の映画。60年近い時を経た幻の作品を堪能して欲しい。

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