製作年が1964年或いは1959年と諸説ある事が、曰く付きの始まり。元はCBSのTVのホラー枠で製作したパイロット版「The Haunted」54分の作品。当時としては画期的な「足の無い幽霊」登場するが、アメリカ人のメンタリズムからすれば、姿形の有る心霊現象は異例で、足が無い事でこの世のモノでは無いと分る描写が放送コードに抵触してお蔵入り。監督は再編集して1時間21分版「The Ghost of Sierra de Cobre」製作。
Joseph Stefano監督と言えば、私の師匠Alfred Hitchcock監督の最高傑作スリラー「サイコ」脚本家。本作もサイコのテイストは存分に感じるが、続く「六年目の疑惑」サイコ・スリラーの傑作、人気シリーズ「アウター・リミッツ」成功で本作を製作。懲りたのか(笑)、監督作品はこの1本だけ。印象的なタイトルのシェラ・デ・コブレ村は、会話の中だけで実際には登場しないとか、ギミックも多い。特長的なのはHitchcockが得意としたミラーズ演出。例えばLandauが演じるのが現代建築家と心霊調査員。自宅も1階がゴシック調で、2階はモダンアート等、随所にコンセプトの対比を描く事で、スリラーの深層心理を惹き立てる。