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『天空のからだ』に投稿された感想・評価

Omizu
3.7
【第64回カンヌ映画祭 監督週間出品】
『幸せなラザロ』アリーチェ・ロルヴァケル監督の長編デビュー作。カンヌ映画祭監督週間に出品され、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では新人監督賞と助演女優賞にノミネートされた。

アリーチェ・ロルヴァケルは今一番好きなイタリア人監督の一人。『墓泥棒と失われた女神』の公開が控えるということで期待して挑んだ。ロルヴァケルの切れ味はこの頃から健在。思春期映画として秀作。

スイスから帰国したマルタは堅信式を受けることになり教会の日曜学校に通うことになる。

少女の揺れ動く心を巧みに捉えている。繊細にして大胆な演出は鮮烈。ロルヴァケルらしい「宗教」というものに対する問いを投げかける語り口も好きだった。

自分の身体の変化、大人に対する疑問と絶望…幾重にも重なったレイヤーが紐解かれていく。

少女が主人公であるが、中盤地元の聖職者もフォーカスされる。聖職者という立場でありながら昇進を常に気にしている。形骸化したキリスト教の象徴のような人物だ。

大人の勝手さにある種反抗するようなマルタ、スッキリした解答が提示されるわけではないが、希望の見えるラストに安心する。

一方で確かにこれはどうかという描写も。女児の身体をそのまま映すショットは危ういのではないかという点、猫への虐待が少し度が過ぎるのではないかという点が気になった。

とはいえやはりロルヴァケルらしい切り口は流石だし、マルタを演じた少女の存在感もいい。「私の体こそ聖なるもの」という生を肯定するメッセージが感じられてとてもいい。全体としてはなかなか魅せる秀作に仕上がっていると思う。
菩薩
3.8
早く大人になりたいガールが経験する通過儀礼の先の奇跡とはたかだかあの様なものであり、もはや現代においての宗教は支配と服従の為の口実に過ぎないなんて言う強烈なメッセージを感じるが、そもそも宗教なんてものがその様に堕落したのは何世紀も前の事であろうと…。そうして地上に降りた彼女の身体はきっとこの先「聖人」を産み出す為の器としてマチズモの中で蹂躙されていくのだろうなんて、なんとなく多和田葉子の『聖女伝説』を頭の片隅に置きながら観ていたら、途中思いっきり『サタンタンゴ』なシーンがあって爆笑した、と言うことは猫もそうなのか…?私利私欲に塗れた世界で、車上に担がれて坂を下る磔のイエスは崖下に落下する、その埃を払う仕草が何故だか非常にエロチックに思える。バチカンを擁する国でのデビューがこれとはなかなかの鮮烈さと言えるのではないか。この先に『幸福なラザロ』があるのか。
4.0
晴れることのない疑念。それは思春期の繊細さの前で立ち尽くすように吐息する。固定概念化する信仰、信じることの意味。これは『信仰』をベースにして、少女が彷徨い続けたトンネルの中を可視化したかのような物語。例え、その光の先に海があっても、目にしなければその美しさは分からない。

長編第2作『夏をゆく人々』、第3作『幸福なラザロ』とその評価は高止まりすることなく、いまや、30代にしてイタリアを代表する監督となったアリーチェ・ロルヴァケル。彼女がこの二つの作品の前に撮っていた長編デビュー作がこの『天空のからだ』である。2012年にイタリア映画祭で公開された本作が、今回、イタリア映画祭2020のオンライン配信という形で復刻上映されることとなった。この映画がカンヌを皮切りに各国の映画祭で好評を博したからこそ、アリーチェ・ロルヴァケルの今があるのだろう。

〜あらすじ〜

13歳の少女マルタは、家族と共に10年ぶりにスイスからイタリアへと移り住んできた。大好きな母は仕事に忙しく、意地悪な姉は事あるごとにマルタのことを執拗に叱責してくる。そこで思春期真っ盛りのマルタを周囲に溶け込ませようと、母はマルタを町のキリスト教会で行われている日曜学校へと通わせることにした。
教会には政治家と癒着している司祭のマリオと、彼を支えんとする熱心な女性信者サンタがいた。マルタはサンタが教鞭をとる授業を受けるようになるも、そのキリスト教の教えに困惑し、どうしても身が入らないでいた。
教会は実はバタバタしている最中。何しろ、司教を招いての大イベントが目の前に迫っており、その準備に大忙しの状態だったからだ。マルタもイベントに向けて歌の練習をさせられたりするのだが、サンタの伝えるキリスト教の教えには違和感ばかりが募っていて・・。

〜見どころと感想〜

心も体も急な変化を遂げている13歳の少女。そんな彼女の目線に移るキリスト教会への違和感と、アンチテーゼとも取れる信仰の矛盾に真っ向からクエスチョンを投げかけている作品である。宗教法人のかなりデリケートな部分に刃を突き立てているせいもあり、公開当初は様々な議論や憶測を呼んだそう。崇高な教えのもとに発足したはずのキリスト教も教える者によっては歪曲され、間違った解釈へと辿り着くこともある。その危険性を分かりやすく描いており、聖書の拡大解釈の危険性にも言及している。

また、キリスト教へのアンチテーゼと共に、少女の成長物語としての太い軸を走らせており、そこにあるのは周囲から浮いているように見える自らの姿。そして、まだ見ぬ外の世界への憧れの視線。断続的に差し込まれる遠景での街の風景が、巡り巡ってこのストーリーの核になっているので、静止する細かいカットにも注目して見てほしい。

アリーチェ・ロルヴァケルは一貫して人々の生活に根ざした風景を切り取る映画を撮ってきた。今作でもシチリアの北東に位置する街を舞台に、決して裕福ではない家族模様と、どうしようもなく感情的になってしまう普通の人々を時に愛らしく、時に憎々しく描いている。そんなイタリアの田舎街の風景に垣間見える少しのドラマにスポットライトを当てながら、余韻を置き去りにするかのようなラストカットが我々の心の奥にストンと残る。音のないエンドロールがいつだって相応しい、そんな映画を今後も撮り続けていってほしいと思う。

〜あとがき〜

イタリア映画祭のオンライン復刻上映でアリーチェ・ロルヴァケルのデビュー作が上がってきたので、意気揚々と鑑賞しました。あまり喋らない主人公、家族のざわめき、殺伐とした日常、などなど、監督独自の個性はすでにこのデビュー作から発揮されていたことが分かりましたね。

終盤に登場してくる司祭の言葉がこの物語の大きな核になっていて、これこそが本来のキリスト教の教えとして的確なのでしょう。教えが歪曲された場合、その元来の教えはもう別物にすり替わっていて、人間の欲望を後押しする道具でしかないのかも。そんなことを思いながら、何を信じるにせよ、それは人次第なのだな、ということを痛感させられる作品でした。

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