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『モンキー・シャイン』に投稿された感想・評価

お猿さん、殺っちゃって!


事故によって四肢が動かせなくなった主人公の世話を知能が高いお猿さんがすることになるが、主人公の怒りの思いがお猿さんに伝染、頼んでもいないのに憎い相手をお猿さんが代わりに成敗してくれちゃうアニマル・スリラー。
監督は、この世に「ゾンビ」という概念を根付かせた偉大なるクリエイターであるジョージ・A・ロメロ。
ゾンビも怖いがお猿さんだって怖い。


やはり、お猿さんのお芝居が良いんですよね。
もちろん、本物のお猿さんをアニマルトレーナーが調教して演技させていますが、これだけ出ずっぱりだとさぞかし苦労も多かっただろうなぁと想像に難くありませんね。
まぁ、大半は何かをやらして、それがうまくいくとご褒美の餌が貰えるシーンなので猿回しやイルカショーとかとさほど変わらないのですが、表情とか仕草の微妙な感じを撮るのってそれなりに大変なのではないでしょうか。


ホラーとして観ると怖いわけではなく、モンスター役はお猿さんなわけですけれど、実験のせいなので何だか可哀想。
主人公も最初はお猿さんがいないと俺はダメなんだ!ってなっていたのが、どうやらお猿さんが人殺しをしていると知ると掌を返しますからね。
最後も割とヒドイ(汗)
新しい人間の恋人ができたからお猿さんの事はもうどうでも良いのか・・・

お猿さん、というか主人公の怒りにふれて数人の犠牲者がでますが、グロさは皆無です。
そういったビジュアルでみせる作品ではなく、主人公を含む人間の身勝手さが結局は悲劇を生んでしまう過程を重視した作品。
いまだったらバッドエンドにしても面白いかもしれませんね。
主人公は事故ったのは可哀想だし自暴自棄になるのも分かるのですが、ちょっと共感しかねる場面が多かったです。

あと、気になった点は2つあって。
主人公とヒロインがたくさんのお猿さんに囲まれた場所で初セックスに挑むのですが、ケイト・マクニール演じるヒロインが意外とワイルドでした(苦笑)
あんなにお猿さんがキーキー鳴いている中ではしたくないなぁ〜。
人間に近い動物なだけに、公衆の面前でセックスしているみたいで・・・
あ、もしかして、だからこそ燃えていたのか(苦笑)

それと、これ「アップグレード」の製作でリー・ワネルが影響受けたんじゃないですかね?
それもいうのも、四肢が動かせなくなった主人公が何かしらの力を得て復讐するって基本プロットが似ている気がして。
超AIか、お猿さんか。
お母さんに身体を拭いてもらう場面がどちらにもありましたしね。


恋人を奪う天才医師の役でスタンリー・トゥイッチが出ておりましたが、別にこれといって活躍することなく、お猿さんによってあえなく成敗されてしまいました。
患者の恋人を奪っちゃダメ!という教訓なのでしょう。
また、ヒステリックなお手伝いさん役でロメロ夫人で(後に離婚)「ゾンビ」にもチョイ役で顔を見せていたクリスティーン・フォレストも出演。
いつもの間にかいなくなってしまって見せ場が少なく残念。
もっとヒステリックに騒いで欲しかったですね。


全体的におとなしめなので最近の過激な描写がウリのホラーやスリラーと比べると牧歌的ですけれど、お猿さんのことを思うと切なくもなる、人間って身勝手だなと思ってしまう作品。
ゾンビじゃないロメロ作品も観たいな、という時のチョイスにうってつけですし、ホラー初心者にも優しい。
ただし、110分以上の尺はこの内容としては些か長いと感じました。
izu

izuの感想・評価

3.7
ジョージ・A・ロメロ監督作。
お猿さん暴走スリラー

不慮の事故で半身不随となり人生に絶望し自殺未遂までした大学生アラン。
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エラはアランに献身的に世話を焼き、次第に心も通じ合っていく。しかし、徐々に不吉な事が起こり始め...

言わずと知れた【ゾンビ】のジョージ・A・ロメロ監督作。
112分と地味に長く、それなりの長さは感じるもののしっかり面白い所は面白かった。

展開は思ってたのと少し違って、エラとアランの心がシンクロしていて、アランは半身不随で動けないが「あいつうぜぇ!」と思ったらエラがその人間を殺しに行くという仕組み。
使えない家政婦、お節介すぎる母、手抜き手術をした医者...
いろんな人間にイラつく主人公。
それなりに人は死ぬけど殺しは結構マイルドでグロもそんなになくて残念。手のひらバッサリは結構好き ※鳥さんは無事じゃないので注意

終盤のとあるブンブンシーンは流石にシュールすぎて笑った。
さらにラストのあのシーン、めちゃくちゃビックリした...
終盤から結構動き出す映画なので詳しくは書けませんが、ここら辺の年代のホラーが好きな人には普通にオヌヌメできます。
ラストのあのシーンも好きだけど、タイトルもジャケもめちゃくちゃ好き
こんな猿では無いけど...

視聴 2023年1月23日
Haman

Hamanの感想・評価

4.0
単純にお猿さんがクソかわいいジョージ・A・ロメロのモンキーパニック。
事故で全身不随になった男の身の回りお世話係としてスーパー介助モンキーを雇う話。この猿は投薬によって知能指数を爆上げした実験動物なので案の定のやつ。

投薬注射を繰り返すうちの副作用かテレパシーの様もので主人公と猿が精神的に同化していき、主人公の抑えられない怒りが猿を殺人へと駆り立てる。信頼関係と共依存の大暴走。
そこから主従関係の逆転劇にまで発展するのだけど、この映画の人間対人間も猿山の大将よろしく、誰もが誰かを支配したい構図が見てとれるから猿だろうが人間だろうが大した差はない。むしろ人間のエゴで生まれた猿のほうにどうしても純粋さを感じてしまう。というか猿がかわいすぎる。

文明的な手段で人間を殺める獣とそれに対して獣のように反撃する人間の対比にとってもときめいてしまったのdeath。

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配給:

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