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『シネマ☆インパクト Vol.3/止まない晴れ』に投稿された感想・評価

R41
4.9
# 止まない晴れ ―― 心の中で続いている、あの日の青空

人は喪失を乗り越えるものだと言われる。

時間が解決する。

少しずつ前を向けるようになる。

いつか受け入れられる。

そんな言葉を私たちは当たり前のように口にする。

だが、『止まない晴れ』を見ていると、本当にそうなのだろうかと思う。

人によっては、失ったものを手放さないことで生きている時間もあるのではないか。

そんなことを考えさせられた。

主人公の女性は、事故で夫のシゲルを失っている。

しかし彼女の日常には、今もシゲルがいる。

会話をする。

隣を歩く。

何気ない話をする。

周囲の人間には見えない。

もちろん観客も、それが現実ではないことを知っている。

だが不思議なことに、この作品は主人公を否定しない。

現実逃避をしている人としても描かない。

むしろ静かに、その世界の中へ観客を招き入れる。

私は最初、この作品の題名である『止まない晴れ』を、外の世界のことだと思っていた。

空は晴れている。

人々は笑っている。

同窓会は開かれる。

世界は何事もなかったように進んでいく。

だから主人公だけが取り残されているのだと。

しかし見終わった後、むしろ逆なのではないかと思った。

止まない晴れとは、主人公の心の中にある晴れなのではないか。

シゲルがいた日々。

何気ない会話。

一緒に未来を信じていた時間。

本来なら事故の日に終わったはずの幸福な日常。

その晴れが、彼女の中では今も続いている。

だから「止まない」のだ。

もちろん彼女は現実を知らないわけではない。

誰よりも知っている。

シゲルがもういないことを。

だから苦しい。

だから悲しい。

それでも心は、シゲルと過ごした晴れの日々を終わらせることができない。

いや、終わらせないことで自分を保っている。

そんなふうに見えた。

作品の中で印象的なのは、同窓会会場での注文の場面だ。

「生ひとつ」

「いいえ、生ふたつ」

「生ひとつ」

たったそれだけのやり取り。

しかしその会話は、主人公の世界と現実の世界が交差する瞬間になっている。

店員は何も知らない。

ただ注文を確認しているだけだ。

けれど主人公にとっては違う。

シゲルはそこにいる。

だから二人分を頼む。

しかし現実は一人分しか受け付けない。

そのズレが胸に刺さる。

ただ興味深いのは、主人公がその事実に驚いているようには見えないことだ。

彼女は知っているのだ。

シゲルがいないことを。

毎日知っている。

毎日思い出している。

それでも隣に座らせている。

そうしなければ、自分が今日を歩けないからだ。

だから私は、この作品を「現実を受け入れられない女性の物語」だとは思わなかった。

むしろ、

「そうすることでしか生きられない時間の物語」

に見えた。

同窓会で突然始まる乱闘騒ぎも同じだ。

あれは実際に起きた出来事ではなく、主人公の心の風景なのだろう。

平穏だった世界が一瞬で壊れる。

何が起きたのかわからないまま人生が変わる。

事故とはまさにそういうものだ。

彼女の中では、その瞬間が今も終わっていない。

外から見れば平和な同窓会。

しかし心の中では乱闘騒ぎが続いている。

そんな人がいる。

この作品は、その事実を描いているように思えた。

そして、その苦しみは誰にも見えない。

友人のアカネも心配している。

違和感も覚えている。

けれど主人公の心の中までは入れない。

人は共感することはできる。

寄り添うこともできる。

しかし同じ気持ちにはなれない。

だからこそ映画が必要なのだろう。

映画だけが、一時的に他人の見ている世界を見せてくれる。

アカネにも見えないシゲルを。

誰にも見えない乱闘騒ぎを。

主人公の現実を。

観客はその世界に三十一分だけ滞在する。

そして帰る。

理解したとは言えない。

苦しみを共有したとも言えない。

それでも、

「あなたの見ている世界を、一度こちらも見てみました」

とは言える。

それがこの作品の優しさなのだと思う。

『止まない晴れ』とは、悲しみが終わらない物語ではない。

失われた幸福を心の中で生かし続けながら、なんとか今日を生きている人の物語だ。

周囲から見れば曇り空に見えるかもしれない。

けれど本人の心の中では、シゲルと過ごした晴れの日々が今も続いている。

その晴れは、きっといつか終わるのかもしれない。

あるいは終わらないのかもしれない。

ただ一つ確かなのは、その止まない晴れの中で生きている人がいるということだ。

この作品は、そのことを静かに見つめた映画だった。
2.0
上手いと評判の熊切和嘉監督の小品である。どうしたって途中でからくりに気付いてしまうのだが、主人公の彼女の切なさを描き切れていないと思うのは僕だけだろうか。コミカルな感じで映画は進んでいくが、その答えに気付かせるのが目的なのか、それとも単にどんでん返しを狙った映画であるのか、理解に苦しむ。場面の一つ一つが暗いし、どうしようもなく冗長だしで、正直なところ観続けているのが辛い。このエピソードは多分10分では描き切れないとは思うが、もう少しテンポよくコンパクトにならないのか。まあ、それでも、主人公に寄り添う優しい男の役を関寛之がとても上手く演じているので、彼の存在を知ることが出来たことだけでも良かったとしよう。
夜中眠る前に、ちょっとサブスクを開いちゃって、短編映画とか見る夜もあるんだけど、たまぁ〜に時間を返して〜って思う作品を見ちゃったりすするんだけれども、この作品を観て久々そう思えた。
男女のささやかな日常を描いているシーンは嫌いじゃなかった。
だ、だけど…同窓会のシーンから、なんだか雲行きが怪しくなってきて、ある驚愕な事実が隠されていたのには「え!」ってなったけど、その後の流れが全くよく分からない。なんでそーなるのか?ゴースト的なお話なのだね。でもなんで周りがああなるの?着地点がよく分からん。誰か引き取ってください。
まぁいいや〜ちょうど日付変更線も超えたし、眠くなったから〜おやすみなさい( -ω- )zZ

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