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海の沈黙
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目次

海の沈黙の作品紹介

海の沈黙のあらすじ

レジスタンス文学の最高峰といわれるジャン・ヴェルコールの同名小説にメルヴィルが感銘を受け映画化した本作。 ドイツ占領下フランスの田舎町。自宅をドイツ軍将校の宿として提供している家族。芸術家肌の将校は、フランス語を使い家族とコミュニケーションを計ろうとするが沈黙で抵抗し続けるフランス人に歯がたたない。3 人の登場人物がほとんど会話を交わさず独白とひとり言のみで進行する異色の心理劇。戦時下での理想主義が挫折していくさまを処女作と思えない端正な映像で表現したこの作品は J・コクトーに高く評価され、メルヴィルの出発点として今なお必見の一本である。

原題
LE SILENCE DE LA MER
製作年
1947年
製作国
フランス
上映時間
87分
ジャンル
ドラマ戦争

『海の沈黙』に投稿された感想・評価

4.3
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-707
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋2010年に初めて日本で公開されたんですよね。とても素晴らしいフレンチ・フィルム・ノワールです。戦争の映像が全くなく、またナレーションを除いて台詞はドイツ将校のほぼ1人、これで反戦を謳いあげる、そのオリジリティに満ち溢れたアイデアがほんと素晴らしいです!!

🖋ドイツ占領下のフランス、一つ屋根の下で暮らすことになったフランス人の老人と姪、そしてドイツ将校の3人が織りなす複雑な心理劇、その心情が全て伝わってく心理描写が圧巻です。静かで美しい陰影の強いモノクロ映像の中かに秘められたそれぞれの熱い想いや葛藤がリアルに伝わってきます。

🖋本作は、フランスの名匠ジャン=ピエール・メルヴィル監督の長編デビュー作です。ヌーヴェル・ヴァーグに多大な影響を与えたと言われる作品なんですね。原作はヴェルコールによるフランス・レジスタンス文学を代表する傑作で1941年に刊行されたこと自体がほんと勇気がいったことだと思います。

🖋出演者もほぼ3人、当時34歳のジャン=マリー・ロバンが寡黙で意志の強い老人を、そしてハワード・ヴァーノンが理知的で実直な将校を、ニコール・ステファーヌが清廉で将校に淡い想いを抱く姪をそれぞれ三者三様に見事に演じています。

🖋静けさからラストの心の慟哭へと展開していくそのプロットはとても素晴らしいです。反戦映画の傑作かもしれません!!

😊Story:(参考:yahoo movies )
※※※

🔸Database🔸
・邦題 :『海の沈黙』
・原題 :『Le Silence de la Mer』
・製作国 : フランス
・初公開 : 1947
・日本公開 : 2010/02/20
・上映時間 : 86分
・受賞 : ※※※
・監督 : ジャン=ピエール・メルヴィル
・脚本 : ジャン=ピエール・メルヴィル
・原作 : ヴェルコール
・撮影 : アンリ・ドカエ
・音楽 : エドガー・ビショフ
・出演 : ニコール・ステファーヌ、ハワード・ヴァーノン、ジャン=マリー・ロバン

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「ギャング」「仁義」などの傑作フィルムノワールで知られるジャン=ピエール・メルビル監督がベルコール原作の同名小説を映画化した長編デビュー作。1941年、ドイツ占領下のフランス地方都市。一人の老人とその姪が暮らす家に独軍将校ベルナーが同居することに。彼はフランス文化に造詣が深い作曲家で、独仏の文化的融和を2人に説くが……。巨匠メルビルが被占領下での人間の誇りを描いた戦争ドラマ。日本では2010年2月にデジタルリマスター版で劇場初公開。
今日はフランス映画界の巨匠ジャンピエール・メルヴィル監督の43回目の命日。

70年も前に制作された彼の長編デビュー作でありながら、現在もなお我々の心を揺さぶり続ける「海の沈黙」は、今一度"人の深淵"を覗かせてくれる逸品です。

国家間レベルの主従関係と対比させた個人レベルの内情を際立たせ、その矛盾とジレンマから成る情景を見事炙り出した本作。

ナチスドイツ軍に占領されたフランスの地方で、老人と姪の住む家にかつてドイツ将校エーブルナックが居候していた半年間が老人の回想によって語られます。

熱烈な親仏精神から日々友好的に二人へ語りかける心優しき将校と、ドイツへの敵愾心から沈黙という抵抗で会話を拒み続ける二人。
一方的なディスコミュニケーションの中でもこの異様な共同生活は成立し、次第に立場を越えた"人としての真意"が個々の心を捕らえていきます。

両国及び彼らの共生を「美女と野獣」に置き換えて語る将校がとても印象的。
そしてその空間で唯一沈黙の均衡を破るのは、常時規則正しく打ち続ける時計の秒針音のみ。

抗えぬ将校としての義務を背負い、戦争に対峙していく姿は本当に切ない。
「Adieu」の言葉に身震いし、アナトール・フランス著の一節に打ちのめされるであろう、静閑なる傑作です。
4.2
ひたすら続くフランスの沈黙。
立ったまま一方的に喋り続けるドイツ人将校と頑なに沈黙という形で抵抗を貫くフランス人の老人とその姪。
フランス文化の断絶を目論むドイツ軍の思惑とは異なり、フランを羨望する将校の熱い思いと、主人公の姪に対するほのかな想いとそれと逆行する将校の日に皮肉な運命がじわじわと迫ってくるような絶妙な演出に唸る。

政治的なものを背負いながら自らの信念に背く行為に困惑する将校の苦しみの吐露が、時代に老人とその姪にいくつかの同情心と共感を与え始め、敵対関係の壁が少しずつ溶け始めるのが分かる、老人の心の独り言。
姪の心にも密やかな気持ちの動きが見受けられる、「あなたのことはわかった」と言いたげな目で彼の渇望した「さようなら」を発する姪の静謐で研ぎ澄まされた演技は脳裏に焼き付いている。
初めは、その存在を認めることすら許容し難い嫌悪感を将校を「無」することによって、拒絶をしていく老人と姪。
これは惹かれている相手に取られるもっとと屈辱的な対応であることは間違いない。
とにかくこのフランス人の完全なる拒絶に、真っ向から向き合う将校のフランス愛、しいては姪へのラブコールは狂気にも近い。
戦争は国同士のものであり、個の存在は完全に否定される。
しかし将校にとって、文化的に尊敬するフランスを支配し、フランス文化を踏みつけなければいけない立場の自分の矛盾を埋めるためには、たとえ屈辱的にシカトされながらも語り続けることが、唯一の精神を保つ術だったのだろう。
私も喋り続ける彼に苛立ちを感じつつも、彼のどうしょうもない永い言い訳に、憐れむようになった。

メルヴィルの初期の作品ということで、おそらく低予算の作品ではあるのにも関わらず鑑賞者に与える重圧感は若き監督が作ったものとは到底思えないほど既に完成されている。
こんなに美しい「アデュー」は初めて聞いた。

レジスタンスの最高傑作とされる原作は読んだことはない。
しかしこの作品の存在もまた文学的で、繊細な詩情を感じる良作だった。

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