影の軍隊の作品情報・感想・評価

影の軍隊1969年製作の映画)

L' ARMEE DES OMBRES/ARMY OF SHADOWS

製作国:

上映時間:140分

ジャンル:

3.8

あらすじ

「影の軍隊」に投稿された感想・評価

仲間の為にドイツ軍に命張って挑む人達。捕まって、逃れてまた捕まって。
悪いことしてるから捕まるのはレジスタンスの定めなのか⁉︎
戦時中での、その悪い行いってのが何なのかが今ひとつピンとこなかったし、もう一回は観る価値ありそうな映画。
banchou

banchouの感想・評価

3.8
組織を守る為なら冷徹な態度で。
ラストシーンにレジスタンスの悲しみとクールさが最高潮に。
延々と続く地味な映像がこの映画の空気感を更に高めていますね。
Imapotato

Imapotatoの感想・評価

4.5
記録映画のように、淡々と物語が進んでいく。メロドラマ要素はゼロ。

メルヴィル映画を見ると、サソリとカエルの寓話を思い出す。自分の思想や性格に忠実で曲がらないキャラクターが多いからだろうか。
継

継の感想・評価

4.5
第二次大戦中, 占領下のフランス.
ナチスに逮捕されたレジスタンスの闘士ジェルビエ(ベンチュラ)は, ゲシュタポ本部へ連行される途中に脱走に成功, 自身を売った仲間を始末する。
レジスタンスの牙城・リヨンで抵抗活動を再開し, ロンドンで亡命政府を率いるド・ゴールと合流するが, 盟友のフェリックスが逮捕され急遽フランスへ戻る事にー。



画面いっぱいに撮らえた凱旋門。
シャンゼリゼ通りに軍靴を響かせ, フランスのプライドを踏みにじるように行進するドイツ軍が強烈。
“戦争が終わればフランス人もこんな映画が観れる” と, ロンドンで観る『風と共に去りぬ』を平和の象徴のように語るのが “人種差別を助長する” と吊し上げを喰らう今日からみると隔世の感を覚える。

序盤の収容所プロットからジェルビエの独白が所々挿入される作り。
それ自体珍しいわけじゃないけれど, 特徴的な青みがかった色相と共に, 呟くようなその低音のモノローグが暗く重く垂れ込むような本作の雰囲気を形作る。

ジリジリと忍び寄るようにドイツ兵の背後へ回るカメラ🎥, その腰の鞘から素早くナイフを引き抜いてアッパーカットのように喉元へ突き刺す... 元ボクサーのキャリアが伊達じゃない所を見せるベンチュラ, 緩急の効いたシークエンス。
夜間空襲に見舞われるロンドンで (慣れているのか)それを意に介さずダンスに明け暮れる英国兵達の喧騒を映したかと思うと, そこから一転してフェリックスがゲシュタポに拉致される緊迫のシーンへ飛ぶ。緩急, 静と動, そしてメルヴィルは『いぬ』同様にここでも帽子🎩に, 台詞では表現出来ない「何か」を語らせる。

実際にレジスタンス運動に参加し, イギリスで自由フランスの一員として活動したメルヴィルが実体験に基づいて描くのは, “国民が一致団結してナチスに抵抗した”と表向き賛美されるフランス・レジスタンスの, その内実。
↑上述『風と共に…』の台詞をはじめ, ベンチュラが演じる主人公や登場人物の多くは実在したレジスタンスやその言動をモデルに造形がなされ, 虚構のストーリーには真実味が漲(みなぎ)る。
ソフトの解説書を読んでいたらマチルド(シニョレ)のモデルとなった女性レジスタンスのエピソードにドキュメンタリーを観たばかりの “クラウス・バルビー” の名が不意に出てきて背筋が寒くなったり(→『敵こそ我が友~』レビュー参照ください),
恭(うやうや)しく紹介されるレジスタンスのリーダー(表向きは哲学者)の著書を, ゲシュタポに暗殺された数理哲学者の闘士・ジャン・カヴァイエスの著書名から拝借してたりと, その徹底ぶりに驚いてしまった。


邦題『影の軍隊』は, 原題をそのまま訳したもの。
メルヴィルがストレートに【résistance】としなかったのは, 英国等の支援も受けて武装し“戦っている”という自負からデモや非武装の平和裏なニュアンスも含む【抵抗】に違和感を覚えたからだろうか?あまりパッとしないタイトルはインパクトに欠け, その分損をしているかもしれないが, 作り手にとっては過不足ないものなのかもしれない。


本作のレジスタンスはナチスの占領への抵抗が報われ, 幸いにパリは,フランスは解放されたけれど,
占領や侵略のみならず, 広義に権力の横暴への【抵抗】と定義するならば, レジスタンスは今も世界中でその運動を続けています。
彼等は自分の意思と信念で権力に挑む無名の市民たちでその多くはあまりに非力だけれど, かつてのレジスタンス同様に解放を信じている、、必要としてる国際的な支援が広がる事を願ってやみません。
方眼

方眼の感想・評価

4.1
1969年”L' ARMEE DES OMBRES”。渋すぎるレジスタンス映画。逆張りの007と見れば、マダムがボンドガール。騙して騙されて。組織のために死ぬことも辞さない。この時期の作品にしては攻めた編集、音声を食い気味に入れてくる。パラシュート下降のくだりはちょっと可笑しい。二次大戦物では脇役で描かれるレジスタンスを主役にして、個人の鉄の意思を浮かび上がらせる。
メルヴィルプレゼンツ、沈黙のイングロリアスバスターズ。

ゴダールの『勝手にしやがれ』劇中でインタビューを受ける監督ことジャンピエールメルヴィルによるナチスドイツ占領下に暗躍したレジスタンス映画。メルヴィル監督はどうやら自らがレジスタンス運動に参加してた過去があるらしく、いわゆる実体験ベースな恐ろしいバイオレンス、狂ってくモラルが拝めそうな作劇を感じた。

ところが本作、ひたすら沈黙を死守しドライに状況が語られる。
ノワール好きなメルヴィルらしく地味な描写が淡々と、グレー系色に統一された映像美なんかにも陶酔しながら過酷なレジスタンス活動が語られる。
しかし次第に、その"沈黙"こそに神経がすり減らされ、突発的にやってくる死はアッサリと済まされる。
つまりメンバー全員が死の覚悟を持つので誰が殺されるか、全く予想がつかない異様な怖さが漂うのです。

そして密告、裏切り、拷問をじっくりと描きミクロの観点でレジスタンス達の恐怖を紡ぎ出す。これこそがメルヴィルの経験したリアルな実態だったのだろう。
生死の分かれ目が瞬時に入れ替わる戦場とは違い、本作の印象的な『死の瞬間』を引き伸ばされる絶望感。
特に死刑場のくだりで、あえて死を見せない凄惨な演出にはハッとさせられました。

レジスタンスという一見、聞こえが良さそうな反政府活動に置いて、実はボスのためなら命を差し出す、"ウォーボーイズ"さながらな精神でイメージがガラッと変わってしまう作品でありました。
ゆき

ゆきの感想・評価

4.2
まずは映像に魅せられた。グッとよる画面や端的な映像。暗くて静か。
フランス。ドイツ占領下。収容所からの脱出からはじまる。レジスタンス運動。

Lバンチュラはグッとした表情が良い。
眼鏡をガムテープでとめてパラシュートで飛行機から降りるなんていう、個人的におぉ!となったシーン以外は、意外と行動的で冷静。
JPカッセル(ヴァンサン カッセルのお父様)が飄々とした唯一の若者。
女性の同志(Sシニョレ)が素晴らしい!

少しのシーンでもどの俳優も印象的なのは、映像の捉え方なのか。
akrutm

akrutmの感想・評価

4.0
第二次世界大戦中のナチス・ドイツ占領下のフランスにおけるレジスタンス活動を描いた、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の代表的な作品。同じくレジスタンスを描いた同監督の『海の沈黙』が哲学的、思索的な内容だったのに対して、本作では一貫してレジスタンス活動そのものを叙述的に描き出しているのが印象的。ストーリーらしいストーリーはあまりなく、主人公の戦士フィリップを中心に、同士たちの友情や裏切りと制裁、ゲシュタボの拷問、収容所からの脱出などがフィルム・ノワール的な暗い映像で表現されていく様は圧巻である。ジャン=ピエール・メルヴィル督監は実際にレジスタンス活動に参加していたので、その経験も生かされているそうである。『海の沈黙』で描かれるレジスタンスと対比して観るのも面白いであろう。

主人公でレジスタンス組織のボス的存在のフィリップを演じるのは、ギャング役でスターとなったリノ・ヴァンチュラ。彼の見せる演技一つ一つが渋くてかっこいい。潜水艦でロンドンに密入国したり、パラシュートでフランスに戻ったりするシーンや、ゲシュタボに逮捕され、余興のように射殺されそうになる寸前で仲間たちに救われて脱出するシーンが特に印象に残る。なお、リノ・ヴァンチュラがジャン=ピエール・メルヴィル監督の作品に出演するのは『ギャング』以来2度目であるが、『ギャング』の撮影中に仲違いしたために、本作の撮影時には二人はほどんと会話をすることがなく、監督からの指示は助手を通じて出されたそうである。

他に印象に残ったのは、紅一点のレジスタンス戦士であるマチルドを演じたシモーヌ・シニョレの存在感。ただし、マチルドをめぐる最後のストーリーが少しおざなりな感じになっているのは残念である。ジャン=ピエール・メルヴィル督監の『いぬ』での演技が印象的なセルジュ・レジアニが床屋役でちょこっと出演している。

レジスタンス組織の大ボスであるリュック・ジャルディはインテリで哲学や数学に関する著作がいくつもある(フィリップがそれらの本を眺めるシーンがある)という人物造型がなされているが、このモデルとなっているのがジャン・カヴァイエスという実在の哲学者である。ジャン・カヴァイエス自身もレジスタンス活動を行っていて、ゲシュタボによって殺害されている。映画で出てくる本のタイトルは、実際にジャン・カヴァイエスが書いた本から取られている。
LX

LXの感想・評価

5.0
戦争映画といえば、アクションも交えて娯楽として楽しめるようも作るのが普通に思える。あのダンケルク、ディアハンターですら多少はそうだった。

今作はド派手なシーンが殆どなく、退屈なまでに、裏切り者を殺したり、駆け引きに奔走したり、仲間を助けられなかったりと静かに進んでいく。
セリフやBGMも抑えられているので、緊張感と死の影が凄い。

でも、これが本当の戦争なのだろう。
派手な戦争の裏では名もなき者達の地道な努力と犠牲があるのだ。
冷徹ながらも、要所要所に人間の弱さや優しさを描いている点もこの映画の魅力になっている。

最後の無動作な説明には「ただの作り話じゃねぇからな」という製作者達の想いを感じざるを得ない。

司馬遼太郎しか読んだことのないようなどこかのバカ共にみせてやりたい大傑作。
メルヴィルのフィルムノワールな演出がレジスタンスの暗躍を描いた内容とマッチしていて良い。
派手なシーンは無いが緊張感が漂っていてスリリングで見応えがあった。
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