小さな兵隊の作品情報・感想・評価

「小さな兵隊」に投稿された感想・評価

1960年作品。DVDにて鑑賞。

60年代ゴダールの中では語られることが少ない映画だが、アンナ・カリーナ6部作(?)の最初の作品。

当時の政治的背景を知らないと分かりづらい映画かもしれない。また、組織の名称を簡略化し、アラブとフランスの2単語で片付た字幕も分かりづらさに拍車をかける。

端的に説明するとスイスのジュネーヴにおけるフランス側の右翼テロ組織(OAS)とアルジェリアの解放戦線(FLN)の諜報活動を描いており、個人的には、スピルバーグの「ミュンヘン」以外に類似の(実在した組織をモデルにした)映画を知らないので、興味深かった。

諜報活動と書いたが、実質やっていることは、テロと殺人である。劇中では残虐な拷問シーンは登場しないが、台詞の中で「目蓋がない死体」への言及とか、惨殺死体の写真を使った脅迫行為など、間接的な描写はある。


なかなか登場人物に感情移入し難い作品だが、本作も恐らくかなりの低予算で撮られており、手持ちカメラの多用も相まって、ある意味「B級映画」と考えた方が良いかもしれない。その視点から見ると、ラストの呆気なさ、ストーリーの単純さ、舞台装置の少なさ(多分ほぼオールロケ)にも納得がいく。

役者はやはりカリーナの可愛らしさに目がいくが、主演のミシェル・シュボールの陰鬱さも悪くない。

撮影は、ラウール・クタール。特に夜景のショットは、黒が強調され、ヘッドライトや街の灯りが印象的だ。この当時のジュネーヴの風景が存分に満喫できる映画でもある。

短いながら、かなり単調な映画なので、ゴダール=カリーナ・コンピ作品としては、最初に見るべきではないかもしれないが、「はなればなれに」や「アルファヴィル」などのモノクロ作が気に入っている方には、十分オススメできる。
yui

yuiの感想・評価

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2018.12
ゴダール長編監督二作目、
アンナカリーナ初出演作品
わかりやすくてよかったけど、かなしかった
内容は戦争ドキュメンタリー的かつ恋愛私小説的
あのポーズで別れるシーンはナイス
McQ

McQの感想・評価

3.9
もはや薄っすらした印象しかないけど「勝手にしやがれ」に続く長編二作目にしてアンナカリーナ初登場。

アンナを捉えたカメラを通してのゴダールの熱い眼差しを想像すると眩し過ぎて目を覆いたくなる!笑

主人公のナルシストキャラはちょっと鼻につく所はあるけれど、アルジェリアの独立を阻もうとする秘密軍事組織についての実態を暴かんとするドキュメント要素が盛り込まれてる所は非常に興味深い!(その関係で公開が63年まで延期されたという曰くつきとのこと)

ターゲットにされた男はどんだけ鈍感なんだ!と激しくツッコミたくなる部分もある。
ムーンライダーズの『カメラ=万年筆」のジャケ、この映画のオマージュって初めて知ったよ、、、(話が脱臼するけど、“カメラ=万年筆”ってアストリュックの理論ってことも今更知った)

このレビューはネタバレを含みます

授業
・拷問シーンにアクション性が欠落していて美しい(特に布と水のシーン)
・毛沢東「小さな火も荒野を焼き尽くす」 本の表紙の登場 行動に重きをおくゴダールらしさ、アルジェリア戦争を当時盛り込む果敢さ
・いきなり結末もなく終わる→ヌーヴェルヴァーグ的
ゴダール監督の『気狂いピエロ』と2本立てDVD鑑賞。

アルジェリア戦争(1954年 - 1962年)という時代背景が説明なしにメインになっているので、最後までよく分からないままでした。 アルジェリア戦争やドゴール暗殺計画は知っていても、OASという秘密組織を全く知らなかったので、架空の設定なのかとか考えていて…更に独特な見せ方についていけず…。
しかし、Wikipediaで詳しく載っていて『小さな兵隊』のページと、OAS(秘密軍事組織)のリンクを読むと、映画のストーリーに納得しました。



ヌーベルヴァーグをゴダール監督と共に代表するトリュフォー監督も、連日で3作品見ました。
新しい映画手法などのヌーベルヴァーグ。特に全盛期付近の直球のような感じは、今の私には好みが合わないようです。ヌーベルヴァーグ以前の作品や時代がマイブームで好きなので。
nicoden

nicodenの感想・評価

3.5
邪魔が入らなかったが、殺せない。
なんだかわかるし、ここが好きだった。
第二次世界大戦後、フランスの植民地であったアルジェリアでは独立の動きが高まったことでフランスとバチバチしていた

そんな時アルジェリア戦争という題材を扱わない映画界に疑問を持ったゴダールは、
誰もやらんのなら俺が撮るわい〜〜
と果敢に挑戦したのでした👏🏻

脱走兵という主人公の立場が、兵役逃れをしていたゴダールと重なっており
さらにはそのセリフセリフが当時のゴダールの脳内をベラベラ喋ってくれる 笑

その言葉には疑問を持ったり納得したりだが、とにかく時代の離れた人々が映画と歴史の言葉に耳を傾けるだけでゴダールも万々歳だと思う
あ、アンナカリーナに5分で惚れるってセリフはめちゃくちゃ同意だぜ!!


・好きなとこ
主人公が確固たる信念とか持ってないスパイなとこ 笑
スパイ映画もゴダールが撮るとこうなるのかという、ハリウッドには作れん何かコレ、コレが好き

・好きじゃないとこ
拷問シーンが全然苦しそうじゃないとこ
ゴダールって結局軍に行ってないのかな?やっぱ兵役についてリアリティ追求した方がいいのでは(暴論)
まつこ

まつこの感想・評価

3.0
この時代にアルジェリアのこととかに言及しているのがすごいらしいけれど今となっては伝わりにくい。

アンナカリーナを見ているだけで幸せになれた。このアンナカリーナに恋しない人なんていない!って言葉には共感しまくり。頭つかまれてカクンってなっても顎のラインが美しい。
ouch128

ouch128の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

2018.09.08

アンナ・カリーナが可憐なのは言うまでもないが、ブリュノの姿勢や佇まいが格好良かった。拷問中のあの済ました表情、視線、思考はなんなんだ...。
人生は往往にして反発と諦観のサイクルの繰り返しだと思っていて、設定では26歳のブリュノがその境地に到達しているのは、凄く共感できる。いいね。
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