短文感想 64点
パゾリーニの生の三部作最終章。デカメロン、カンタベリー物語ときて、中東のアラビアンナイトですからね笑 『千夜一夜物語』といえばあまり馴染みはないですが、アリババの盗賊やランプの魔人の話といえばかなり馴染みがありますね。ただし、パゾリーニが描くのだから、そんな子ども向けの話ではありません笑 なんかもう感覚が麻痺しちゃってるのでしょうか、前2作より描写はマシだったような。評価すべきところは、しっかり中東の国でロケをしているところですかね。イランでなんか、革命前であったからこそ撮影できたもんですね。到底一般的に薦められるものではありませんが、流石パゾリーニといったところでしたね。

パゾリーニ監督の“生の三部作”最終章。
前作の「カンタベリー物語」でのスカトロジー描写が自分的にはややキツく少し迷いはしたものの、乗りかけた、どころか乗ってしまった船・・ということで思い切ってレンタル鑑賞。

意外にも三部作の中では一番見やすい！
全裸、男性器の露出なんかは前二作で十分に慣れているし、何と言っても、パゾリーニ特有のエグ味が少ないので、三部作の中では一番一般ウケするのでは？

個人的には中盤以降のエピソードが面白かったし、ジャケ写にもある、シリーズの常連俳優ネット・ダヴォリ演じるキャラクターがペニスの張り型の矢尻を女性器に向けて射つシーンは映像的にも美しいと感じた。

前二作もそうだが、本作でも原作を尊重したイラン、イエメン等で敢行されたロケ地そのものが持つ魅力が存分に活かされている。広大で荒涼とした砂漠の風景、特にブルータイルの装飾美が圧巻のイマーム・ムスクの荘厳さと言ったら！

原作の時代背景に基づきながらも、王が被る冠がツタンカーメンの黄金のマスクのパロディのような豪華絢爛かつ遊び心溢れる衣装・小道具の数々も素晴らしい。

男性器の描写が役者の顔まで見えるやや引いた画角だとモザイク無し、性器そのものの接写はモザイクが入るという映倫の判断基準もそれはそれで面白いと感じた。

ペニス型弓矢打ち込んだりする挿話がうっすら感動でひと段落する良さ