今から備える必要があるんだよ。
どうせ来週の今頃は選挙結果に打ちのめされてるはずなんで。
手を変え品を変え国民の窮状を救うために税金を使いません、負担を軽減するつもりありません。と発信し続け、ひたすらお仲間達に利権を配るだけの政権なのに君らときたら「悪夢の民主党政権が～」とか「野党が頼りないから～」とかリアリズムの皮を被った迎合主義で庶民に取って害でしかない政権を支持するんでしょうから。
個人の税の負担率が最高になり保障を削り続ける。得にならないどころか生活を脅かす政府を支持する君らのストイックなまでの権威主義のせいで絶望的な気持ちにさせられるのは分かってるからな。

自分の正気を保つために、今のうちから迎合しない者達、権力に毅然と立ち向かう者達の話を観て気概をチャージして置く必要がある。
そして反権力と言えばパンク、その中でも音楽から生活に至るまで反権力を実践したCRASSは別格なんだよ。

このドキュメンタリーは敬虔なパンクスだから劇場公開時に観てる。その時、上映時間かなり短いな、と思って今回確認したら67分だった。語りどころが多いのにえらいコンパクトだよな。

他のバンドドキュメンタリーにある当時のシーンの流れやCRASSがいかにセンセーショナルだったかを説明するくだりがなく、影響を受けた人達のコメントもない。中心人物、ドラムのペニー・リンボー、ボーカルのスティーブ・イグノラント、ビシュアル担当のジー・バウチャーのインタビューから当時彼等が何考え、思い、行動していたが語られる。知ってる人じゃないとCRASSの凄さが伝わらない作りなってる。何か勿体ないと思った。

でも、これを観る人でCRASSを知らない人はいないだろうし、これはこれでよかったのかとも思う。

改めて観て思ったCRASSの偉大さは、パンクを思想に高めたことだと思った。ピストルズやクラッシュの所謂初期パンクのバンド達は政府や資本に中指を突き立てたわけだけど、過激な言動はあったものの、メジャーレーベルからあっさり音源をリリース、各々マネジャー付けプロモーターと連動してライブを行う、彼等が批判したそれまでのロックスターと変わらない活動形態だったのに対してCRASSは自らレーベルを運営しそこから音源をリリース、自分達と同じアナーキズムを核に持つバンド達の音源もリリースし、ライブも自分達で企画する。アルバムのジャケからフライヤーも自分達でデザインした。完全なD.I.Y.スタイルを確立。以後、世界中のハードコア・パンクの活動の基本を作った。

そしてライブで訴えるだけではなく積極的に反戦、反政府デモに参加、レイプ被害者支援センター等の苦しい立場の人を救う機関への積極的な支援、目についた不条理に対して可能な限り全ての抗議行動を行った。極端な言い方をすると初期パンクのバンド達が歌詞とパフォーマンスだけで行っていたシステムとの戦いを生活レベルでやっていた。
プロテストする対象も自国の政府、戦争、人種差別、女性差別、核（長崎の原爆投下を題に取った曲がある）、動物実験、資本主義等多岐に渡る。要するに全ての支配、抑圧、不条理にNoを叩きつけたわけ。

あと、CRASSと言えばパンクを個人主義と明確に定義したことも大きい。自分も他人も個人として尊重しろ。一人一人が独立した個人として考え行動しろ。国家や資本に利用されるな。
以後、パンクスの基本姿勢になる。
CRASSがいなかったらパンクはグランジやグラムロックのようなムーブメント、下手したらへヴィメタルのような過激なエンタメになってしまっていたと思う。思想になることはなかったと断言できる。

そんなわけで改めて感銘受けて久しぶりにCRASS聴いてるんだけど、CRASS、音楽性はそんなに好きじゃないかも。
音楽としてパンクが好きなのはボーカルのスティーブ・イグノラントだけでドラムのペニー・リンボーは世代的にもメンタリティーもヒッピーだし、もともとコミューンを主催しそこで詩や小説なんかを書いてたアーティスト。バンドはスティーブがやりたいと言ったから協力したってことだし、音楽スタイルのパンクには関心ないみたいだから歌詞は深くて知的なんだけど楽曲がフリーフォーム過ぎて聴けないのが多い笑
そもそもCRASSはペニーのコミューンにスティーブが訪ねることで始まる。
抑圧的な両親に「労働者階級が本なんか読むな」と自身を否定され傷ついていたスティーブの話を一回り以上年上のペニーがしっかりと聞いてくれたことで二人の信頼関係が生まれる。「生まれて初めて自分を人として扱ってくれて感動した」と語るスティーブの眼は少年の頃のようにキラキラしていた。
ちなみにペニーは中産階級のインテリ。年齢差に階級差、そしてベースにヒッピーがある。この色んなギャップがCRASSを唯一無二にしてる要因でもある。

でも、やっぱりおれはアナーコ・パンクは元祖であるCRASSより弟分的な conflictの方が好きだな。 直線的でアグレッシブでエモいから。conflictのドキュメンタリーも撮ってほしいな。

• #再鑑賞

「三島由紀夫vs東大全共闘」、そして本作を見て改めて感じるのは、知性の下地の厚みだ。
小手先の感性だけでは、厳しい現場を乗り切ることは出来ないし、思索なり議論なり鍛錬なりある程度の絶対量を超えてこない表現は然るべき場には出てこれない。

今も活きた言葉を吐く老いたメンバーの姿には汚れがない。

信じられないような政治が続き、それすらも日常風景と化した日本。
道徳精神からお勉強が必要な幼稚な国となってしまった。

〜〜

今日の一曲

SUEDEHEADをこれまでちゃんと認識していなかった。
↓
スウェードヘッドとは1970年代前半にオリジナルスキンヘッズから派生して誕生したカルチャーです。
政治的な思想よりもファッションを追い求めたスキンヘッズ達の中で、スキンヘッドより髪を少し伸ばしたスタイルが流行します。
この髪型が皮革のスウェードに似ていた事からその名が付けられました。
ルードボーイから影響を受け、レゲエやスカ、ソウルミュージックにも精通していたスウェードヘッドたちはハリントンジャケットやタータンシャツなどフレッドペリーを代表するクラシカルなウェアを愛用していました。

Suede - Beautiful Ones

https://m.youtube.com/watch?v=xqovGKdgAXY

CRASSとは対極の商業ロックで甘ったるい曲だけどカラオケで歌うと気持ちいい。

• #スウェードヘッド

己が若かった頃の憧憬とか。。。

私がピヨピヨ🐣の青二才だった1970～80年代に活動していたアナーコパンクバンド“CRASS”のドキュメンタリー♪

当時、別段パンクに傾倒していた訳じゃあないけど、イキがって洋楽ばかり聞いていた私。
このバンドさんも名前とロゴマーク（←ロゴはかっこいい👍）ぐらいは記憶にあるくらいの知識で鑑賞。
なんだか、、、今観ると、ミュージシャンと云うより、思想家さんという印象。
その己の思想を実現させるための行動は凄いなぁと思う。
共感できる、できないは置いといて。。。

“豊かにすべきは生活じゃなくて人生だろう！”
この言葉にはグッときた。
厨二気味青二才だった当時の私にはこういうメッセージが響いた気がして、懐かしくてむず痒くなった。

だけど、、、今観ると、共感できないと感じるトコロも多々あって、私も歳をとって角が取れてきたのかしらとちょっぴり寂しくもなった。


ちょっとだけ、ほんのちょっとだけど、ベッカムの着てたTシャツ欲しいと思っちゃった💧
私の、資本主義社会に毒されているのかもなんて感じて複雑。。。。

もっとライブ映像♪が観たかったな・・・