ピアノの練習中に眠りに落ちた少年が見る夢を描いた絵本作家で知られるドクター・スース原作脚本作詞担当のファンタジーミュージカル。

カラフルなセットと人間達で構成された夢の世界はかなりシュール。現実世界で少年に対し高圧的なピアノ講師は夢の中でも一番偉い存在で、少年は現実でも夢でも配管工の青年と協力して講師に立ち向かう・・というのが一応ストーリーと言えそうですがそれは有って無いようなもの。

それ故展開からもたらされる面白味はあまり無いんですが、ヒゲが繋がったローラースケート老人コンビ（狭い道を二人で通り抜けるのが凄い）、「カリガリ博士」にも相通じるような妙にぎくしゃくしたセット、目まぐるしく変わるBGMに合わせて変わったデザインの管楽器等で演奏を披露する緑色の人間達等個性的な要素が目を惹き、長いピアノを演奏する為に集められた子供達が揃う様はひん曲がったコールセンターみたいで圧巻。

夢と思いきや・・なエンディングもありがちながら悪く無く。ちょっとカルトな佳作かもしれません。

これはウワサ通りというか(笑)。まずファミリー映画というより、カルトファンタジーという造語ジャンルが一番しっくりきます。ピアノを弾く指だらけの幾何学世界が前衛的で、誇張されたメトロポリスは『やぶにらみの暴君』ぽい。あとステファン・ヒーレンバーグは絶対この映画の好きだろうしモロに影響受けてる。

絵本作家として有名なDr.スースが、原作の他、自ら脚本と作詞を手がけた唯一の長編映画で、
ロイ・ローランド監督による、カルトな【ミュージカル・ファンタジー】。


母親の命令でDr.ターウィリカー（ハンス・コンリード）からピアノを習っているバート（トミー・レディング）は、レッスン中に居眠りして、夢を見る、、
恐ろしいピアノ教師Dr.Tと5000もの鍵盤の巨大ピアノに苦しめられるバートの悪夢…。


5000とは、ターウィリカー学院の生徒500人の指の数。

リアルでの、ピアノの練習に厳しいターウィリカー先生と、ママのエロイーズ＊と、バートの味方の配管工、サブラダウスキのメインキャストのそのまんま夢への移行で、善悪キャラが分かり易い。

ストーリーは、一般的な【悪 対 善】の普遍的プロットと何ら変わりない。
世界を仕切ろうとする悪人、阻止する正義、囚われの大切な人、そして助っ人、、
それを子供にも安心なミュージカルに転換しただけ。
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ダンジョン（拷問部屋）が有ると、、ワクワクしたものの、、
そんなん、ファミリー向けに出てくる筈も無く、ただの檻で、危機感も無く、って当たり前か。

ヘンテコな歌（歌詞）、衣装、展開は兎も角、
予算掛け、しっかり製作されたカラフルな 様々なスタジオセット のデザインは、素晴らしい見どころ。
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【スポンジ・ボブ】に出てくる遊園地、グローブワールドにインスパイアした、とは、フォロワーのコウキ君談。

クライマックス前のターウィリカーに向けた装置？の発明が、テキトー過ぎる〜オシャレ感も無い。
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式典で、その装置が大活躍、
最後は夢から覚め、、
ラストは、2人のリアル、、をニヤリ仄めかせて締める。

観終わって、ファミリー向けでありながら、異色のカルト作。


＊注記
＊ママ役、希少なメアリー・ヒーリー（35）が、綺麗。
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