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SAINT LAURENT/サンローランの作品紹介

SAINT LAURENT/サンローランのあらすじ

「僕たちは20世紀後半の2大アーティストだ」とアンディ・ウォーホルに称えられたイヴ・サンローランだが、新しいデザインを生み出すプレッシャーに苦しんでいた。ブランドのミューズ・ルルやお気に入りのモデル・ベティ、危険な愛人ジャックと刹那的な快楽を追い求めているうちに、遂にイヴは1枚のデザイン画も描けなくなってしまう──

SAINT LAURENT/サンローランの監督

SAINT LAURENT/サンローランの出演者

原題
Saint Laurent
製作年
2014年
製作国
フランス
上映時間
151分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ギャガ

『SAINT LAURENT/サンローラン』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

4.0
 ホテルのロビーを撮った印象的なロング・ショット、足音も立てずにカウンターまでたどり着いた男は受付係に対し、「スワンという名前で予約しているんだけど」と静かに柔らかい口調で話しかける。男はゆっくりと予約していた部屋に入り、ベッドに腰掛ける。寝るために部屋を取ったんだと何者かに電話で話しながら、ゆったりとベッドに腰を落とすが、いったい誰と話しているのかは見当もつかない。真っ白な磨りガラス越しには、フランスの象徴であるエッフェル塔のシルエットが透けて見えるのだが、窓を開ける気配はない。男はなぜ偽名を使い、エッフェル塔が見える絶好の見晴らしを遮ってまで身を隠すのか?それは後々明らかになるが、この曖昧模糊とした暗喩的イメージの羅列は、今作の本質を突いている。イヴ・サン=ローラン(キャスパー・ウリエル) - ココ・シャネル、クリスチャン・ディオールやポール・ポワレと並ぶ伝説的なファッション・デザイナー。19歳の時にクリスチャン・ディオールのアシスタントとして雇われ、彼の急死に伴い、僅か21歳の若さで当時のディオールのチーフ・デザイナーに昇格。その後25歳で独立し、ブランド「イヴ・サンローラン」を立ち上げる。まさに順風満帆に見えた彼のデザイナー人生だが、いきなり人生の苦い挫折の瞬間が物語をキリキリと駆動させる。1960年、どこかの精神病院、彼は徴兵制で戦地に駆り出されてまもなく、神経衰弱により除隊され、精神病院に送られる。奇しくもフランソワ・トリュフォーと同じ理由により、彼の男としての誇りはズタズタにされる。その翌年、彼は自らの子供と云うべき「イヴ・サンローラン」を立ち上げるのだった。

生涯のパートナーとなったピエール・ベルジュ(ジェレミー・レニエ)とは映画ではもう既に出会っている。次々に産み落とされる衣装デザイン、それを寸分違わぬ衣装として縫製するのは衣装部のお針子たちの仕事に他ならない。彼は実際に衣装デザインを完璧に再現した衣服をモデルに着せ、イメージに忠実かどうかしばし模索する。「もっとシンプルでなければ・・・」頭の中にあるイメージを実際の服がどれだけ越えてみせるか?女性が実際に身につけた際のテクスチャーやシルエットに神経を尖らせた男は、いきなり袖をばっさりと切り落とす決断をする。モデルも周囲の人間も困惑する中、躊躇せず伐採した彼は手応えを口にする。そこで鏡にゆっくりとピエール・ベルジュが姿を現わすのである。ここでのジェレミー・レニエはまるでトリュフォーのルックスのようなクラシック・スタイルを隠そうとしない。ポマードを塗りたくった8・2分けの髪型、シックなスーツ姿、およそここにはダルデンヌ兄弟の作品群で見せた現代的な若者の姿を見つけることが出来ない。彼はさながらイヴ・サン=ローランの女房役のような立場を引き受け、天才に華麗な手綱捌きを施す。かくしてマルグリット・デュラス、カトリーヌ・ドヌーヴ、ヌーヴェルヴァーグらとの共同作業は次々に成功を収め、彼は時代の寵児として祭り上げられる。あのPOP ARTの伝説の巨人アンディ・ウォーホールまでもが彼への賛辞を伝え、次々にサンローランの店をオープンさせ、商売は軌道に乗るかに思えた。しかし71年の新作コレクション、それに続くまさかの男性用香水のヌード・モデルが物議を醸すことになる。

今作は「モードの帝王」と呼ばれた才人の成功する姿=光の部分ではなく、闇の部分にスポットライトを当てる。栄光と挫折で言えば、挫折、その先に見える退廃的な暗黒期をも照らし出す。ピエール・ベルジュとのある種倒錯した愛情世界、夜の街の彷徨、異性との友情以上の発展のない愛情関係、ナイトクラブの喧騒とその後訪れる寂しさ、ドラッグ中毒になった焦燥感。あえてピエール・ベルジュはイヴ・サン=ローランを秘密のベールに包み込む。その秘部では、天才であるが故の葛藤に悶え苦しむアーティストの姿があった。優れた人間の自伝でありながら、同時期に製作された俳優のジャリル・レスペールの監督作『イヴ・サンローラン』がサンローラン財団の公認を得たのに対し、今作に許可が下りることはなかった。 イヴ・サン=ローラン本人も2008年に71歳で死に、財団の協力も取り付けられなかったことで、監督であるベルトラン・ボネロは非公認の自伝という行為を逆手に取り、天使と悪魔の間で引き裂かれた創造主イヴ・サン=ローランというデカダンスの権化を作り上げる。後半、彼の前に現れるジャック・ド・パシェール(ルイ・ガレル)はさながらイヴ・サン=ローランの合わせ鏡のような男として主人公に立ちはだかる。

ナイトクラブでの視線の交差、夜の街での怪しい隠れんぼ、情熱的なキス、口移しのカプセル・ドラッグなどの幾つかの強烈に官能的な錯綜するイメージの羅列が、やがてイヴ・サン=ローランの愛犬ムジークの悲劇を生むあたりの方法論は芸術的教養を刺激してやまない。フレームの中に突如現れた赤色の年号のスタイリッシュさ、ヌーヴェルヴァーグと5月革命、ヤン・パラフの自殺と対照的な歴史映像とデザインの2分割画面による対比、クライマックスの76年のショーの場面に登場したダイナミックな5分割画面の革新性は、今作の根底にある抽象画家ピエト・モンドリアンのコンポジション・シリーズへの映画的挑発に他ならない。冒頭の「スワン」という偽名に込められたマルセル・プルースト『失われた時を求めて』への思い、後半ふいに現れるヘルムート・バーガーが全身に漂わせた映画的記憶が、イタリアの巨人ルキノ・ヴィスコンティをも想起させる。それどころか今作にはイヴ・サン=ローランの母親として、あのドミニク・サンダも登場するのである。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、マリア・カラス、ヘンリー・パーセル、夜の舗道でのスモーキングによるマスキュリン・フェミニン・スタイル、シースルー・ドレスが醸し出す時代錯誤的な強烈なデカダン、この圧倒的な自己流スタイルこそが真に最前線の映画のルックを形成する。その語りのスタイルは難解を極めるが、個人的には2016年、トッド・ヘインズ『キャロル』と双璧を成すあまりにも印象深い作品である。
“モードの帝王”と呼ばれた男、
イヴ・サンローランの10年間。
彼が最も輝いていた時期の作品。

世界で最も有名なファッションデザイナー。
女性の生き方も変えてしまったデザイナー。
成功の裏に隠された闇を抱えたデザイナー。

それこそイヴ・サンローラン。

才能だけで生きてきたサンローランは、
人知れず多大な問題を抱えている人物。
重圧に押し潰されるような周囲の期待。
それに応えようとする彼の葛藤と苦悩。

演じたギャスパー・ウリエル。

写真でしか見た事がないが、
本人にソックリと言えます。
メガネをかければそこには、
イヴ・サンローランがいる。

彼が信頼する二人のミューズ。

ルル・ドゥ・ラファレーズ。
レア・セドゥが演じている。
セリフがなくても格好いい。
いるだけでも存在感がある。

ベティー・カトルを演じるのは、
エメリーヌ・ヴァラーデである。
出演作は少ないが本作は印象的。
立っているだけで充分格好いい。

サンローランの出資者ピエール・ベルジェ。
ジェレミー・レニエが巧みに演じています。

サンローランの恋人ジャック・ド・バシェール。
ルイ・ガレルはいい意味でゲイにしか見えない。

伝記映画は主人公と知らないと、
何が起きているのか分からない。
特に本作は専門用語が連発され、
きちんと名乗らず人物が登場し、
勝手に物語が進んでいくのです。

それにほとんどが淡々と進んでいき、
結局は山場のない低空飛行で終わる。

こういう作品は主人公が好きじゃないと退屈。
教えてくれる作品というよりは語る作品です。

個人的には退屈でしたが、
全体的にオシャレであり、
その演出を強調していて、
体を張った演技はスゴイ。

こんな感じで150分の上映時間。
長すぎる上に専門用語が出まくり、
聞き慣れないフランス語にも疲れ、
伝記映画は人を選ぶと再認識した。
JIZE

JIZEの感想・評価

3.7
フェミニンな70年代"モードの帝王"と名高き時代が創造した艶麗な怪物の人生で最も輝き堕落した約10年間を追うファッション業界の天才物!!イヴの"繊細な美意識(栄光)"と"脆弱な精神(孤独)"の対比を賞賛!!モンドリアン・ルックやポップ・アート続くイヴのカリスマ性を改め実感!!最後の芸術を披露するファンファーレも豪勢で感服!!LOOKが完璧すぎて痺れた..優美に飛び交う色彩も絶頂期の余韻に浸り世界観に呑まれる..まず先にもう1本サンローランを題材に製作されたジャリル・レスペール監督版『イヴ・サンローラン(2014年)』はほぼ同時期に両者撮影が敢行されたそうでレスペール監督の方はあくまで伝記映画の骨格を誠実に踏襲した構造。で本作は伝記映画の骨格を脱構築しイヴが対価を払う"葛藤"や"犠牲"に比重をフォーカスし内情の掘り下げが丁寧に縫い合わされていたと言える。サンローランというファッション業界のカリスマ的な怪物を陳腐な存在に魅せたくなかったんだろう。イヴが地位,名誉,富を得て現在のファッション業界に絶大な居場所を置く経緯が諸々省かれた構成は少々HARD気味に思えたが葛藤と犠牲の先に伺える幾千もの光をイヴが内なる思考の元で模索し彷徨う様はハッキリ表現し寡黙だがそれ以上の静寂に包まれた興奮が後から次々に押し寄せる。イヴが"サンローラン"に這い上がる機微を浮き彫りに描いた構成はやや娯楽性に乏しく映画的な"遊び"削がれ未消化感もないわけでないが逆を申せばイヴ・サンローランの奥底に潜む孤独や秘密を赤裸々に映し出す衝撃度は事前に資料など通じ把握してても妖艶な雰囲気に唸らされ過激な嗜好の裏に潜む天才資質を併せ持つ彼のビジネスに賭けた想いは果てなく感動。

概要。フランスのデザイナー"イヴ・サンローラン"絶頂期の光と影を描いた伝記映画。監督は『メゾン ある娼館の記憶(2012年)』のベルトラン・ボネロ。主演には『ハンニバル・ライジング(2007年)』のギャスパー・ウリエル。共演には『美しいひと(2006年)』のレア・セドゥー等が名を連ねた。また本作は過去に同じ題材で製作された制約を崩しイヴが世界的注目を集めた直後の10年間にスポットを当てるという伝記映画で異例なアプローチが成されました。

では本作結論を申せば,やはりイヴ・サンローランの異様な雰囲気を背負う人間離れした考察力,価値観,動作,作法,発言に現実とハッキリ乖離感を滲ませ理解出来ない故に内情の底知れぬ非情な闇が肥大化し徐々に自己規制が効かなくなる様は諸に不穏漂い惹き込まれた。要はイヴ自身の虚(異常)と実(正常)が曖昧に乱れ錯綜し時に本質を貫く他者が到底追いつけない達観視点の魅せ方が見事。麻薬の過剰摂取で愛犬ムジークを亡くす場面も彼と唯一"現実を繋ぐ対象"が去り虚が彼の内面を更に覆い堕ちゆく雰囲気も他者が到底理解できない程に観客すらも呆れイヴは快楽に溺れる。あと終盤で画面比率が最大6分割する演出もお洒落感が醸され生地が舞いモデルが舞台中央を堂々と更新する映画の持ち味も画角の撮り方で誠実にアプローチされていたと思う。

この映画の特色。要は上半身が裸や全裸の描写が随所に挿入され目線の矛先が諸に困るんですが,中でも"フォトセッション"撮影技法。劇中2度この撮影方が用いられ1箇所はサンローランがヌード被写体になる場面で残り1箇所は衝撃的な絵的にフキそうになった場面で要は夜のパリ路地で"スモーキング"を身に付ける女性と全裸の女性モデルが2ショットで撮影を敢行する異様な光景に度肝抜かれた。この場面だけでも是非劇場のスクリーンを通じ実際に観て苦笑してもらいたい。

結局は麻薬の過剰摂取やジャック・ド・バシェールとの性愛に溺れる日々の2極を軸にイヴの葛藤,挫折,犠牲が割と寡黙で最近観た映画の中でも非常に重苦しい雰囲気で映し出される。映画内で描かれり各時代の背景を隔てた断片的な脈略のない印象的な描写を数珠繋ぎに時代のアイコンと混ぜ合わせ巧みに編集した事でLOOKの格好良さは勿論,サンローランが内に秘める自ら抱え込む"怪物"との対峙も苦悩する様を機微に抽出され見事に映し出している。イブが放つ台詞では「自分が創った怪物と闘わなくてはいけない」や「競争相手がいない事が悩み」等イヴの姿勢自体は毎度軽妙な姿勢で指摘し最高を求めるプロ視点であり故に時たま己の歩む岐路に対しシニカルな視点で葛藤し孤独感を透き通らない表情と共に哀感を込めドライブさせる。常に変化を恐れず障害を受け止め解消し前進する姿勢は尊敬に値した。彼の黄金期は激動すぎた10年間である。

音楽面では予告でも陽気な旋律で流れるThe Metros Sinceの「I Found My Baby Northern Soul」がディスコ場面などで劇中でもかかり1番痺れた。役者陣の演技でもレアセドゥの高飛車で挑発し1歩秀でた目線込みで高得点を個人的には叩き出した。ディスコでクラブミュージック音色に合わせ踊り狂う場面も最高。イヴがレア演じるルルに身に付けている服装をどこで購入したか尋ねる場面でも次第に話はズレ「そのソバカスは?」「その気取った表情は?」などイヴとルルのバディ感も序盤から中盤に向けイヴがより人間らしく画角に映るグルーヴ感も醸されてました。あと麻薬のカプタゴン(呼称)をアレほど飲み干し精神にほぼ異常をきたしていないのは..などご都合主義が表立たない訳でないが,やはりそれよりもイヴ・サンローランがファッション業界のトップに身を置き時代を変革する"生身の人間に迫った"構成が余計な演出抜きでこの映画を結局の所で肯定できた。また補論で衣装,舞台,小道具の光沢や色彩も英国的な品の良さに溢れ細部の注意を伺える。

イヴ・サンローラン絶頂期の輝きから失速,そして..な同性愛だろうと内に秘めた問題と果敢に集中し向き合い最後まで信念を貫き通す意識は職人成らずともこの地道な努力の積み重ね方を万人に観てもらいたい。石像の矛先を観客に委ねた演出や最後のラストカットも皮肉が効き実に憎い(褒めてます)..観終わった直後はピンと来ず改め思い返すと題材に実直で佳作だった!年末で優秀な映画に出会えた!天国と地獄を通じトップを走り続けた天才の葛藤と孤独を劇場でお勧めです!!

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