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ヴィオレット ある作家の肖像の作品紹介

ヴィオレット ある作家の肖像のあらすじ

ボーヴォワールに才能を見いだされ、作家となるヴィオレット。初めて“性”を書いた女性作家として文学界を揺るがすが、社会には受け入れられない。ボーヴォワールはそんな彼女を支え続けるが…。

ヴィオレット ある作家の肖像の監督

マルタン・プロヴォ

原題
VIOLETTE
製作年
2013年
製作国
フランス
上映時間
139分

『ヴィオレット ある作家の肖像』に投稿された感想・評価

3.9
マルタン・プロヴォ監督作品鑑賞4本目。
『セラフィーヌの庭』は貧しい女性画家の伝記ドラマで大感動しましたが、こちらは女性作家ヴィオレット・ルデュック(1907-1972)の半生を丁寧に描いています。

初めて聞いた作家でしたが、著名な作家で哲学者のシモーヌ・ド・ボーヴォワールによってその才能を見出された作家でした。

女性として初めて"性を語った女流作家"であり、当時は世間から拒絶されながらも、現実に妄想を膨らませ、時代に逆らい真っ直ぐに書くことが生きることと言わんばかりに筆を走らせ、『破壊』で社会から認められました。

その背景にはボーヴォワールの深い理解があり、曰く「孤独で貧しいけど、精神は瑞々しく豊か」と公に強く推し、自分の名前を出さずに出版社からとして毎月の生活費をボーヴォワールが用立てていました。


ヴィオレットは私生児として生まれ、男を渡り歩く母親の愛情に飢え、その愛憎の想いを小説に書き始め、1946年に処女作『窒息』を出す。するとボーヴォワールだけでなく、カミュ、サルトル、ジュネら錚々たる作家に絶賛される。香水メーカー・ゲランの経営者からも認められていた。

しかし、社会に受け入れられずに精神を病み、南仏プロヴァンスに移り住む。そこの空気と風景に心身共に癒され、代表作となった『私生児』の執筆に取り掛かる。
母との確執、報われぬ愛、ボーヴォワールとの絆。自分の全てを書くことに打ち込んだ。


キャストは実力派が揃っていて、落ち着いた演技を堪能出来た。
ヴィオレットには、エマニュエル・ドゥヴォスが本人に似せるため、付け鼻をつけて挑んでいる。

ボーヴォワールにはサンドリーヌ・キベルラン。細身で凛とした出立ちで始終カッコ良かった。

ゲラン経営者ジャックにはフランス映画に欠かせないオリヴィエ・グルメ。割と普通の役だったけど、なんやかんやで彼は15本目の鑑賞になりました。

ファッションや美術、カメラワークにもセンスを感じました。
emily
3.7

1940年後半パリ、実在した女性作家ビオレット・ルデュックの半生を描く。サルトル、カミュ、ジュネなどに大絶賛され「窒息」を出版するも、自身の性生活を赤裸々につづった物語はなかなか受け入れてもらえず、徐々に心を病んでいくヴィオレット。しかし心の毒をそぎ落とし、プロヴァンスの自然の中で「私生児」の執筆を始める・・

 自身の性生活を赤裸々に綴る。それは彼女が生を保つために重要な作業であった。文章を綴る事で自分を保つ。その人格は今でいうメンヘラそのもので、その才能がなければ誰しもが”できることなら関わりたくない人種”であろう。彼女の性生活は男女の垣根がない。それはどちらかと言うと、人と人との距離の測り方が分からず、誰から構わず依存してしまう性格からきてる。自分自身の存在価値を自分の中に見出す事が出来ず、それを相手に求めてしまうがために、多くの物を求めてしまい、またその態度が自分自身をも追いつめてしまう悪循環に苦しまされる事になる。

 ヴィオレットを演じるのはエマニュエル・ドゥヴォス。つけ鼻をしてその妬みと嫉妬をあらわにした表情が絶品の演技を見せてくれる。また彼女の良き理解者でありながら、一定の距離感を保ちながら常に書くことを強いてきたボーヴォワールを演じるサンドリーヌ・キベルランの中立的な立場はそのまま女性の強さと結び付き、才能を認めながら、彼女を良い意味で追いつめなんとか執筆に向かわせていく。ある意味ボーヴォワールの「とにかく書きなさい」と言う励ましはヴィオレットの執筆人生の大きな支えになったに違いない。

 ヴィオレットはボーヴォワールに執拗に近づき、勝手な被害妄想から理解不能な言動に出るが、それでも見捨てる事はない。それはヴィオレットの才能に惚れているからだ。ヴィオレットは彼女を愛しながら憎み、そしてやはりこんなに憎い愛しい人はいないであろう。書くことは生きる事。書くことでしか自分自身を見いだせない。彼女の書く作業は自身と向き合うことだからだ。書くことで平穏を取り戻し、書くことで自分に戻る。そう生まれながらにして作家以外なりえなかった人物である。暗い室内の中ペンが動く。そこから広がる世界観、自身の記憶をたどる旅の中で、言葉が感情が文字に変換されていく。それは苦しい旅である。しかし自分が自分であるために彼女につっては必要な工程であろう。

 自分が自分らしく生きる事。女性が自分らしく生きること。それはたとえ苦しい過程であっても、自分自身に誇れる生き方のはずだ。
3.9
パリ文学界に実在した女性作家の半生を描く映画。

主人公は非嫡出子という自身の出自や性を真正面から描いた鮮烈な作品(処女作)を描き上げるも、世の中からは受け入れなかった。
衝撃が大き過ぎたのか、女性が性を語ることに否定的な時代にそぐわなかった(早すぎた)のか?、拒絶された。

そんな彼女を支えたのは、書くことに対する彼女を駆り立てる欲望(自己実現?)と、師匠のような関係の女性作家の存在であった。
師匠は鬼教官のような存在で、「心の全てを書いて吐き出せ」と叱咤激励を止めない。
この唯一無二の指導が功を奏したのか、主人公は書き続ける。
そして誰にも愛されない(師匠にも)気持ちを自分自身にぶつけて書き続ける。
そして集大成としての小説を発表する。

時代が追い付いてくるまでの苦節なのか・・・
観ていてゾクゾクする高揚感が抑えられない映画でした。

名画座にて2本立て(「偉大なるマルグリット」との)、字幕にて鑑賞。

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