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授業料
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目次

授業料の作品紹介

授業料のあらすじ

映画は水原華城とのどかな田園風景を背景に、厳しい貧困下で病気の祖母を看ながら健気に生きる子どもの生活と心情を丹念な演出で描く。

原題
TUITION
製作年
1940年
製作国・地域
韓国
上映時間
80分

『授業料』に投稿された感想・評価

小
4.0
日藝生企画・運営の映画祭「朝鮮半島と私たち」にて鑑賞。模範的な朝鮮小学生(11歳)の男の子と善良そうな日本人男性教師によって、心温まる話になっているけれど、どこか漂う違和感。

それは中国やイランの映画、北朝鮮のドキュメンタリー映画とかを観て感じる違和感に通じるのかもしれない。上映後の解説にもあったけれど、本作は物語を楽しむというよりも、監督が物語の裏に込めた思いは何なのかを感じ取るべきなのだろう。

朝鮮総督府検閲下の韓国映画。「京日小学生新聞」で朝鮮総督賞を受賞した小学4年生の作文が原作。出稼ぎ中の両親からの送金が途絶えるなか、病気で寝込んでいる祖母と2人で暮らす少年。滞納した家賃の取り立てもあり、授業料が払えないことを苦にして、本当は行きたい学校へ行くことができないという絵にかいたような不幸。

他には裕福な家もあり、町全体が貧困というわけではなさそう。少年は学業は優秀だし、我がままを一切言わず、祖母のことを第一に考えているとても良い子。道徳の物語だとしたら報われて当然なのに、何故ここまで極貧の状態に甘んじなければならないのか。

日本人教師は一見いい人そうだけれど、波風が立たないよう振う、事なかれ主義な"善人"で根本的な問題解決を避けている。つまるところ生活の厳しさに対し、朝鮮人の自助努力を促すだけという日本による朝鮮統治の無慈悲さをわかりやすく描いているのだと思う。

上映後の解説にあったけれど、当時の日本で「非一般映画」(今で言うところのR15指定かな?)に指定されたのは、そういうことらしい。ちなみに日本では結局、非公開になったのだけれど、それは『オリンピア』の成功で上映館の余地がなくなったからとのこと。

面白くはないけれど、朝鮮だけでなく日本の歴史を知るうえでも、貴重な作品なのだろうと思う。
菩薩
3.6
確かに清水宏っぽい子供達の闊達さがあるし終盤バスが出てくるあたりもめちゃくちゃそれっぽい。日本統治下の朝鮮映画とあってプロパガンダ色は強いが同時に日本語教育の徹底や日本が中心となるアジア史観の押し付けなどの実態が垣間見えるのも資料的価値がありそう。内容は超絶貧困映画、しかも子供の貧困とあってなかなか厳しいストーリーであるが、それをまた周囲の善意で救おうとするのも日本人の幻想の中にある「日本人」のイメージに合致しそうである。優秀であるにも関わらず授業料未納を恥じ学校に通えない少年、体調を崩し働けない祖母、出稼ぎに行ったきり便りのない父母、食うものにも困り始め6里の道を遥々歩きで叔母に助けを求めにいく。如何にも日本人受けを狙った様な内容なのでそれなりに楽しめるので困ってしまうが、あくまで参考映画くらいの距離感で受け止めておきたい。
4.0
日本の朝鮮統治下に高麗映画という映画会社にて作られた作品。
この朝鮮統治下に制作された作品はほとんど残っておらずこの「授業料」も2014年に発掘されたらしい。

ストーリーはものすごく貧しい少年、この少年の両親は長らく行商に出かけて不在、病気の祖母と二人暮らしで家賃は滞納しその日の食事にも事欠くありさま。
当然学校に納める授業料も払えず、負い目となって不登校になる。
それを優しい日本人教師が授業料の足しにとお金を渡すのだが、そのお金はたまっていた家賃として家主に持って行かれてしまう。
そしていよいよ困った少年はひとり徒歩で水原から平沢まで、約40キロの道のりを徒歩で叔母の家までお金を貰いに行く。というプロット。
この貧しい少年を中心に、当時の朝鮮の子供たちが清水宏のようなドキュメンタリータッチで描かれ、なかなか良い。
もっとも日本統治下の制作なので、どことなくプロパガンダっぽい風味はあるが、当時の小学校が、校内では日本語での会話で校外ではいきいきと韓国語で子供たちが会話をしている、という皇民化教育の実態がわかるなど、資料的価値は高い。
そもそもが、これは徳富蘇峰の経営する「京城日報」という新聞に投稿された朝鮮人少年の作文を映画化したもの。ここからして道徳の臭いがするが、日本本土では1900年から小学校は授業料が無償化されていたことから見れば、授業料で悩むというこの映画自体が日本の朝鮮半島への差別的経営がわかる。

少年が平沢へひとり歩んで行くとき「愛馬進軍歌」を歌い涙するところはなかなかジーンと来ます。

YouTubeのKorean Classic Film にて鑑賞。

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