将軍様、あなたのために映画を撮りますの作品情報・感想・評価・動画配信

「将軍様、あなたのために映画を撮ります」に投稿された感想・評価

くりふ

くりふの感想・評価

3.5
【映画やめますか?それとも人間やめますか?】

あの拉致ん坊将軍が、韓国の実力派?監督を誘拐し自国の映画を作らせていた…という事件を追ったドキュメンタリー。ほんとうにあった『ミザリー』国家規模版。まさにホラーです。

かの国の当事者には取材できないから、映画としては偏った視点にならざるを得ないですが、それがより、ホラー度を増しておりますね。

将軍様が映画マニアとは知られた話ですが、高じて映画製作に関する著書も出版するようになり、するとその著書が聖書となってしまい、自国の映画は皆、聖書通りに作られ同じものばかりになったとか。独裁国家のジレンマですな。

でもそこでスグ、「じゃ、隣から才能拉致して来い」となったのでしょうね。その速攻ぶりが目に浮かびます。

拉致られた申相玉監督にとっては、映画作家としては、夢のような環境ではあったのでしょうね。制作費は使い放題で、好き勝手させてくれたそうなので。自国では自社経営うまくいかず借金もあったというのに。

申監督はすでに他界され残念ですが、ぜひ現在の本音を聞いてみたかった。誠実な人物であるほど、二重人格を演じるような苦しみがあったのではと。

帰っても仕事はままならない。いれば好きなだけ創作できるが心は奴隷。

まさしく、映画やめるか人間やめるか? と問われるような毎日だったんじゃなかろうか。…現実逃避し、ひたすら映画にトリップしていた可能性もあるだろうけど(笑)。

それでも脱北できた時のため、証拠として…亡命という嫌疑もかけられていたそうなので…「同録」をしていたというのがスゴイ。元奥さんも一緒だったからできたのでしょうが、これ決死ですよね。将軍様との会談などを密かに録っていた。

その一部が本作で聞けますが、めっちゃお宝度高いぞ将軍様の生声(笑)。

印象的なのは、映画への想いを口にするも、同じ口から隣国への憎しみが漏れるところ。監督拉致は、復讐心からでもあったことが透けています。

しかし将軍様も人の子、やがて死を迎えるわけで。

その壮大な葬儀の様子も映されますが、弔問に列をなす人民たちの、凄まじき号泣ストーム…そう演技しないと懲罰の対象になるから…をみていると、現実でこれだけの人間騙せたのに、なーんであそこまで映画の嘘を欲しがったのだろう?と不思議な気持ちにもなるのでした。

<2016.10.20記>
ゆ

ゆの感想・評価

4.0
韓国の映画監督と女優(元夫婦)が拉致され、北朝鮮で金正日のために映画を作っていたという映画のような本当の話…
金正日は映画好きだったらしい。北朝鮮版のタイタニックは素直に気になる
プルカザリという北朝鮮製怪獣映画に日本のゴジラ撮影班が参加していたエピソードは有名で、この作品の監督のドキュメンタリーだと聞いていたので観てみた。
なんとも、映画みたいな話でした。
ちゃんと金正日の心に触れたつもりになれるのがすごいな。北朝鮮版タイタニックの映像が何でか妙に泣ける。
07

07の感想・評価

3.4
北朝鮮に拉致された韓国の映画監督と女優のドキュメンタリー。

金正日が映画製作に力を入れるため韓国から拉致。

北朝鮮も結構映画を作ってることを初めて知りました。

監督が資金が豊富だから好きに映画を作れたと言っていたのが印象的でした。
なんだか色々不思議が募るドキュメンタリーでした。

2022-12
北朝鮮に拉致されて映画を撮らされてた監督と女優のドキュメント。インタビューと盗聴テープと監督の映画をモチーフに話が進む。孤独な将軍様はフォックスキャッチャーを連想した。監督が好きに映画撮る自由を選んだのはよく分かる
U-Nextで鑑賞。韓国の黒澤明と言われた申相告監督と妻で女優の崔銀姫が北朝鮮に拉致され、韓国に逃げ帰るところまでを描いたドキュメンタリー。
北朝鮮に脱南していた映画監督が韓国に脱北してきたと報じられたことを覚えています。数年後に二人による著書「闇からの谺」も読みました。著書のウィーンのアメリカ大使館に逃げ込むところはハラハラドキドキだったのを覚えています。その点本作はサラッと片付けられ物足りなさがありました。ドキュメンタリーなので大げさに描く必要はありませんが。
果たして申監督は拉致されたのか、北へ亡命したのではなかったのか、本作でも疑問視されていると語られていますが、そのとおりだと思います。
個人的な自由は制限されていたものの、韓制作費を湯水のように使えた環境で創作意欲は大いに満たされたでしょう。「拉致」される前、金に困っていたというのに脱北後なぜビバリーヒルズに居を構えられたのでしょう。金正日も含め関係者が皆鬼籍に入っているので謎のままですが。
シン・サンオクは、「プルガサリ」の監督だったのかと思い出す。本作見ながらドキュメントの世界で北朝鮮というのは、もはやジャンルなんだと。韓国の人気監督と美貌の主演女優の拉致と北朝鮮での映画製作そして帰国と波瀾万丈だ。韓国で人気はあったが失脚したため北朝鮮での映画製作は金の心配がないと言うアンビヴァレンツな脳内構造に堕ちる監督。気持ちはよくわかるが…インタビューでの構成が多く映像的でないので少し退屈でした。
mikuty

mikutyの感想・評価

2.8
途中寝てしまったが、自国の映画がつまらないからと金正日が韓国の女優&監督を拉致して映画をつくらせるというのは、いかにも北朝鮮らしい話だと思った。

別れた夫婦が拉致された先で再会し逃亡の機会を得るまで作品を撮りまくる、というのが一番ドラマチックで映画みたい。
『プンサンケ』から興味を持ってこの映画を観た。
 北朝鮮の🇰🇵カラー映像と金正日の拉致を支持した証拠の肉声が聴ける、貴重なドキュメンタリー。映像の中で、「実質この時代は金正日が政権を取っており、金日成は拉致の実態を知っていなかったのではないか」という事を言っていた。彼らのように自由に各国に行けても亡命するのは相当難しいのだから、今も北朝鮮に住む拉致被害者は高齢でさらに難しいだろう。映画監督と女優だからこそ、撮ることができ、実態を見ることができた。
『プンサンケ』あるわけないだろ〜、と思う人は、このドキュメンタリーを見たら信じるだろう。
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