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Adelheid(原題)
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『Adelheid(原題)』に投稿された感想・評価

フランチシェク・ヴラーチル監督。

本作の舞台となるのは爾来、本作で間接的に取り上げられるドイツ人追放まで、定住ドイツ人が大多数を占めたチェコ外縁部、ズデーテン地方である。
即ち、本作で出て来る"ナチス幹部及びその家族"とは、ドイツ本国から出向して来た人々では無く、この地域に代々暮らして来た人々である事を念頭に置いて鑑賞されたい。
本作の発表は1969年であるが、当時は未だドイツは統一されておらず、旧東独と間のみ『問題は無かった』とされていた時代である為、ヴラーチルのこの作品は国内で大きな物議を醸し出している。

内容に移る。
先ず本作は、戦争映画によく在るドイツ人優位の関係では無く、終戦直後である為現地チェコ人優位の関係である事が目新しい。
ドイツ人居留地から許可も得て下働きに来る娘と、館の管財人となったチェコ人中尉との間での人間ドラマである。
この二人には言葉の壁が存在し、各々独白に似た会話で物語は進む。
対立から共存へと、ヴラーチルのカメラは繊細に丁寧に、会話にならない会話を追って行くが、二人の平穏な暮らしは外界である女性の父の動向の報せ、酒飲みの警部、そしてロシア帰りの兄によって絶たれる。
これは其の儘、館=国であり、戦争に因って荒廃した国土(ここではチェコ)を建て直そうとするチェコ人及びゲルマン人、それに不必要に干渉する諸勢力と見立てる事も出来よう。
故にその行く末は、当然の如く悲劇に帰結する。

作品その物としては、前中盤が冗長であり、興を削がれた面もある。
が、朝日に佇むアーデルハイドの孤独な影が、中央ヨーロッパに於ける民族的栄枯盛衰を思わせ、妙に心に残る作品である。

尚、余談であるが、本作でアーデルハイドを演じたエマ・チェルは、私の中で『ナチス高官を演じさせれば随一』である、ハワード・ヴァーノンにそっくりである。
特に誤って掛けられたナチス行進曲に於いて彼女が見せた立ち姿、表情は真に彼と瓜二つである。
何らかの血縁関係が有るのか無いのか…、少々気に掛る点である。
[分断と内省についての物語] 80点

フランチシェク・ヴラーチル長編五作目、初カラー作品。前作『ミツバチの谷』と同じくヴラディミル・コーナーの同名小説を基に製作された。荒野を縦横無尽に駆け巡っていた『マルケータ・ラザロヴァー』や『ミツバチの谷』とは異なり、大屋敷を舞台とした心理劇である。イギリスでレジスタンスに参加していたチェコ人中尉ヴィクトルは、戦後に報奨として接収された丘の上の大屋敷を貰う。そこに捕虜収容所からドイツ人の女がメイドとしてやってくる。彼女は前の屋敷の持ち主でこの地域の支配者だったナチス高官ハイネマンの娘アデルハイトだった。ヴィクトルはドイツ語を学び始め、僅かながらコミュニケーションが取れるようになるが、二人の間にある性別/言語/文化/階級/勝者と敗者/歴史の分断を超えることは出来ない。二人の視線も交わることなく、だだっ広い屋敷を漂うばかりだ。

やがてふたりの間に橋が出来始めた頃、ロシアで戦死したはずのアデルハイトの兄ハンス=ゲオルクが帰ってくる。ヴィクトルは彼と対決するが、その勝敗の決め手となったのはアデルハイトだった。ここで二つ目のテーマが浮上する。"内省"である。映画が製作された1970年当時であれば、ナチスの子供世代や孫世代が世に出てきているはずだ。ヴィクトルはアデルハイトの親の罪と本人の罪を分けて考えていたし、彼女にドイツ人全員の罪をなすりつけることもしなかった(イギリス帰りという設定は戦争を知らない世代のいた1970年と1945年当時ですら統治下の故国を知らなかったという時代的な分断を埋める為だろう)。アデルハイトはどうだったのだろうか。連合軍の罪を父親を殺した罪をヴィクトルに着せたのだろうか。彼女がハンス=ゲオルク(ナチス)とヴィクトル(連合軍)を殺そうとしたのが全ての答えである。

アデルハイトの自殺も地雷原を歩くヴィクトルもある程度最初の方で想像出来る。彼らの自殺によって未回収の視線は永遠に回収されることなく、広く深い分断は少しも縮まることのないまま放置され続けている。映画で超えられなかった分断を超えられる日が来るのだろうか。

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