【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
　○: 観客の緊張感を煽る
　○: 超常現象なし

◆作品名:
バクラウ 地図から消された村 (2019)
◆サスペンスの要素:
・他所者から村を防衛

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・村の長老・老婆カルメリータが亡くなったことをきっかけに、テレサは故郷の村バクラウに戻ってきた。しかし、テレサが戻ったその日から、村で不可解な出来事が次々と発生。インターネットの地図上から村が突然姿を消し、村の上空には正体不明の飛行物体が現れる。
・さらに、村の生命線ともいえる給水車のタンクに何者かが銃を撃ち込み、村外れでは血まみれの死体が発見。めったに訪れることのない他所者が村を訪れたことをきっかけに、暴力と惨劇が幕を開ける…。

〈見処〉
①「血と暴力に彩られた現代の寓話」は
　ブラジル版「ミッドサマー」！
・『バクラウ 地図から消された村』は、2019年にブラジル・フランス合作にて製作された西部劇映画。
・人工衛星が浮かぶ宇宙から見た地球から、ブラジル東部の架空の町「バクラウ」にズームアップするシーンから始まる本作は「今から数年後」の近未来が舞台。近未来SF、ホラー、西部劇など、様々な映画ジャンルを混在させた本作は「現代の寓話」として批評家は高く評価。第72回カンヌ国際映画祭では、審査員賞を受賞(最高賞パルムドールは『パラサイト 半地下の家族』)。バラク・オバマ元アメリカ大統領はベストムービーの一つとして挙げているそうだ。

②ブラジル、闇の歴史
・本作では直接的な描写はないものの、架空の町「バクラウ」は、17世紀末までにブラジル中に点在した、逃亡黒人奴隷による孤立集落「キロンボ」がモデルになっている。
・人口4％ほどの大農園主が支配する超格差社会にあった当時のブラジルの「キロンボ」では、義賊団「カンガセイロ」による自衛に頼る、まさに「西部劇」そのものの無秩序な世界。
・「近未来SF」と思いきや、ブラジル闇の歴史を背景とした社会格差をバイオレンス描写を通じて描いた作品である。

③結び…本作の見処は？
◎: UFOまで登場するキテレツな中盤を経て、ラスト一秒まで、ストーリーがどのように帰結するか想像出来ない展開。「口アングリ」鑑賞を体感出来る。
○: ストーリーの骨子は、勧善懲悪の「西部劇」そのもの。ウエスタン好き鑑賞者には好意的に受け入れられる内容。
▲: 村人が服薬する謎の錠剤など、伏線おきざりの演出は「名作」と「迷作」の本作評価の境界線を曖昧にさせている。
▲: 上映時間131分は長い。ラスト30分までは、少々退屈なシーンも散見される。

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『バクラウ 地図から消された村』
原題Bacurau　　R15+

製作年2019年。上映時間131分。
伯剌西爾(ブラジル)、仏国合作。

村の長老・老婆カルメリータが亡くなったことで、テレサは故郷の村バクラウに戻る。
しかし、テレサが戻ったその日から、村で不可解な出来事が次々と勃発。
Google Mapから村が突然姿を消し、村の上空にはチープなUFO(仕掛けアリ)。
さらに、村の生命線ともいえる給水車のタンクに銃で弾をぶち込まれ、村外れでは血まみれの死体が発見される。めったに訪れることのない他所者が村を訪れたことをきっかけに、暴力と惨劇が幕を開ける。。。

蝿が物凄く出演されてるので、虫、蝿が苦手な人は注意して下さい。
日本とはかけはなれた村なのに、作中でその蝿のたかる食事で映画の舞台はより一層リアル感はでてましたが。。。小生はバクラウでは暮らしたくはないかな😅
前半は、観光客向けの旅行広告の様に話は進む。
正直、穏やかすぎて眠くなる🥱。
前半はマジに村の印象付け的な映像ばかり。
興味はあるが。。。
気合い入れて😠
多分時間軸は今よりもチョイ近未来かな。
そこはブラジルの北西部地域。
奥深くにある人里離れた村は経済的に豊かとは云えない架空のラテンアメリカンコミュニティって感じかな。
肘掛け椅子に座る革命家が、チープな赤ワイン片手にとち狂う瞳にワックスをかけるのが好きな社会主義の楽園みたいな感じ。
破れ本と腐りかけ食物を持って町にくる腐敗した政治家は、町民の嘲笑と呪いに遭遇するが意に介さず用件がすんだらさっさと引き揚げていく。
村の情報はトランシーバーを介して広められ、バクラウの人達は、小規模ながらも繁栄しとる性風俗産業を愛情を込めて見守っている。
等々、ゆったりとしたペースで進み、まるで絶滅の危機に瀕してるライフスタイルを記録してるかのようにアンサンブルドラマを観てるみたい。
鑑賞を進めると、穏やかな物語を変える兆候がポツリポツリと現れてくる。
何か出そうで出ない。
なんやろこの感覚。
なんやろこの映画は。
ディストピア系ストーリーを花が咲く前みたいやけどスローに説明してくみたいな展開に、
最後の30分位に来た～ぁ
2時間強のまるで荒行のような流れはこのドンパチへのアプローチやったんかぁ。
クライマックスは革命的なカタルシス。
この作品はお蔵入りするはずだったそうです。
2009年～2020年のブラジルの激動の時代変動によって復活したそうっすよ。
そして、それはブラジルのボルソナロ政権の誕生にほかならず、彼の極右の考え方により多くのブラジル国民が暴力による国内の混乱を強いられることを皮肉っている。
バクラウに住む人々はまさにボルソナロ政権下で起きたブラジルの激動に翻弄される人々そのものを描いているんやろし、反旗の意思表明とも取れる作品なんかなぁ。
先日、新聞でブラジルのボルソナロ政権で閣僚や軍幹部の離反が相次いでいるってヘッドライン斜め読みで見たけど、
バクラウのプロットは米国の権利と資本主義、そして植民地テロの交わる点からの多くアイデアが詰め込まれてると思ったかな。
後半のある種衝撃的なクライマックスは緊張よりも知的に刺激を感じたかな。

▪️JPTitle :「バクラウ　地図から消された村」
ORTitle:「Bacurau」
▪️First Release Year : 2019
▪️JP Release Date : 2020/11/28
▪️Production Country : ブラジル・フランス
🏆Main Awards : 第72回カンヌ国際映画祭
審査員賞
▪️Appreciation Record : 2022-129
🕰Running Time : 131分
▪️Director : クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアーノ・ドルネレス
▪️Writer : クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアーノ・ドルネレス
▪️MusicD : マテウス・アウヴェス、トーマス・アウヴェス・ソウザ
▪️Cast : ソニア・ブラガ、ウド・キア！バルバラ・コーレン、トマス・アキーノ、シルベロ・ペレイラ、カリーヌ・テレス
▪️Review
展開が読めない少し変わったブラジル作品ですね。1980年代ぽい流麗なオープニング曲と宇宙の映像に“えっ！”となり、そんな作品なのと思うと、前半1時間は淡々と田舎村の風景、人々の風習を不穏な空気感と共に描いています。何かふうつの村とは違うぞと。。。そして後半に入り一気に物語が動き出します。村人達を襲う不審な人物達、そしてそこから急激に面白くなります。なぜそうなるのかが分からずにストーリーが展開していくのがまた独特の感覚で本作のテイストなんでしょうね。そしてラストにようやく物事の顚末がわかる、そんな作品です。
上映時間の約半分を使ってじっくり醸成した不穏な空気を後半、一気に開放していく構成の本作、カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞したのもなるほどです。
さらに現代ブラジルにおける社会政治的な問題（貧困、格差、そして政治によって主導される同胞たちの分断など）を描き、メッセージ性のとても強い、そしてシュールな見応えのある作品になっています。
出演陣も、名優ソニア・ブラガ、ラース・フォン・トリアー作品の常連としても知られる怪優ウド・キアら国際色豊かな出演陣がより物語の説得力を高めています。特にウド・キアの演技は最高の悪役ですね。

物語は。。。
村の長老である老婆カルメリータの死をきっかけに故郷の村バクラウに戻ったテレサ。しかしその日から村では不可解なことが次々に起こり始めます。突然、村はインターネットの地図上から姿を消し、上空には正体不明の飛行物体が現れます。村の生命線である給水車のタンクに何者かが銃を撃ち込み、村外れでは村人が血まみれの死体で発見されます。めったに現れないはずの他所者の来訪、それは血で血を洗う暴力と惨劇の幕開けでした。。。

▪️Overview （映画. comより）
「アクエリアス」で注目を集めたブラジルの新鋭クレベール・メンドンサ・フィリオ監督が手がけ、第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した作品。村の長老・老婆カルメリータが亡くなったことをきっかけに、テレサは故郷の村バクラウに戻ってきた。しかし、テレサが戻ったその日から、村で不可解な出来事が次々と発生。インターネットの地図上から村が突然姿を消し、村の上空には正体不明の飛行物体が現れる。さらに、村の生命線ともいえる給水車のタンクに何者かが銃を撃ち込み、村外れでは血まみれの死体が発見される。めったに訪れることのない他所者が村を訪れたことをきっかけに、暴力と惨劇が幕を開ける。「アクエリアス」から引き続きフィルオ作品への出演となる「蜘蛛女のキス」のソニア・ブラガ、ブラジルを代表する若手女優バルバラ・コーレンのほか、「奇跡の海」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の怪優ウド・キアらが顔をそろえる。