15歳のラース・フォン・トリアーが撮ったモノクロの短編。
植えた花を愛でる少年の命が戦闘機の襲来によって無惨に散る物語です。
編集イメージを想定したカット割には映像制作のこなれ感が感じられますが、メッセージの表現方法としては直接的すぎて青臭く、ハレルヤも安直な気はしました。

ダンサーインザダークやハウスジャックビルトなどで知られるラースフォントリアーが15歳の頃に撮った短編映画。核戦争で枯れる一輪の花の話。

トリアーにまだフォンがついていなかった頃の作品ですが、しっかりとメランコリア的な破滅の香りがして安心しました。今作のテーマは反戦ではないかという指摘もありますが、どちらかと言うと、メランコリアやアンチクライストのように知らない間に壊滅的な状況になっていることが大事な気がします。今作は音響とか凄く悪いし、お世辞にも撮影は褒められたもんじゃない作品だけど、何かとんでもなく憂鬱な衝動を抱えた少年こそが、ラースフォントリアーのようになることは確かなのかもしれません。

普通に反戦してるのでは？