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袋いっぱいの蚤
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『袋いっぱいの蚤』に投稿された感想・評価

Stando
2.8
「天井」との2本立てで鑑賞。

最初は本物のドキュメンタリーかと思ってしまうほど、映像の生々しさと臨場感が凄まじい。実際の工場労働者を起用しているからか、会話や悪ふざけ、笑い声まですべてが自然だった。

主観視点的なカメラワークも印象的で、自分まで女子寮へ紛れ込み、一緒になって退屈なルールへ反抗しているような感覚になる。若さ特有の衝動が、そのままスクリーンから飛び込んでくるようだった。

ヴェラ・ヒティロヴァの自由奔放な感性が、この時点ですでに強烈に炸裂していた。
5月に鑑賞。「ひなぎく」のヴェラ・ヒティロヴァ監督の学生の作品「天井」と併せて観たがこちらのが出来がいい。
(その後、本アプリにはないが、1963年に制作された同監督の「何か別のもの」(原題:O něčem jiném / 英題:Something Different)』を観る機会があったので記録しておく。)


紡績工場を舞台に女子労働者たちのリアルな日常がシネマヴェリテとして描かれている。
それだけに留まらす音楽、小道具が上手く使われ、日常かはラストのダンスまで蚤の如く生き生きと語られているのに魅せられた。

作品としては紡績工場というと「あゝ野麦峠」や「ガールウイズニードル」などに近くなるところ、本作はそうはならない。
むしろ、日本映画の名作「櫻の園」のように限られた時間のでの女性の日常か美しく切り取られたところが本作の魅力。また、共通してタバコで体制側から問題になるという展開まで似ていたことに驚いた。「ひなぎく」が「櫻の園」と同時期に日本公開された事実からも、日本に共通したスビリットが共感を生み出したと考えると興味深い。

このアプリには掲載されていないが、1963年に公開された「何か別のもの」(原題:O něčem jiném / 英題:Something Different)』を見る機会があったので記録しておく。本作はチェコスロバキアに実在した、オリンピックの体操金メダリスト「エヴァ・ボサコヴァ」本人の日常と普通の主婦の日常を交差させるストーリー。エヴァのシーンはドキュメンタリーで主婦はフィクションを組みわせるというかなり尖ったコンセプト。物語が進むにつれ、2人の人生はそれぞれ別の形で限界(天井)を迎えるが、たくましさを描くことで肯定的に描かるところ後、本作の魅力。
アスリートの女性は「普通の自由な生活」に憧れ、主婦の女性は「スリルのある特別な人生」に憧れる。一見違うもの同士だが、ラストは見事。金メダリストのドキュメンタリーを取り込む辺りもまさにシネマヴェリテ。(平均台など体操シーンもこれまで見たことない角度から撮影もグッドポイント。レニ・リーフェンシュタールを意識しているかも?)
天井、本作、第3作と初期天井三部作としてみても面白く、尖り具合だけならフランスヌーヴェル・ヴァーグ以上にもみえた。す。
最後にGoogleAIになぜ彼女がカイエなどでそこまで評価されなかっまか聞いてみたところ、恐ろしい回答が提示されたので掲載しておく。これもまた歴史か…。

《フランスの人々が彼女を批判、あるいは過小評価したのは、彼女の映画が「西側の左翼知識人たちが抱いていた、社会主義や女性に対する都合のいいファンタジーを、生々しいリアリズムとアヴァンギャルドな映像で容赦なく粉砕してしまったから」です。》
3.5
女子寮ドタバタコメディ

ヴェラ・ヒティロヴァの初期中編。
紡績工場で働き始めたエヴァ。彼女の眼を通して、女子寮で巻き起こるトラブルを写し撮った作品。

主人公のエヴァの視点がそのままカメラワークとなっていたり(そのためエヴァは画面にはほとんど映らない)、ナレーションのように彼女のつぶやきが差し込まれたりとドキュメンタリー的な手法を取り入れている点が非常に面白い。

構成としては女子寮でのくだらないやりとりと、女子寮イチの素行不良少女ヤナの処遇がどうなるかがメインだけど、くっきりはっきりとしたストーリーはない。
奔放かつ自立した女性を描いているのはいつものヒティロヴァで実家の安心感。

フォアマンの「ブロンドの恋」とかもそうだけどこういう女子同士のわちゃわちゃが描かれる作品は終始ニヤニヤしてしまう。
絶対人と一緒に観れない。
なかなか起きずにベッドで項垂れてるヤナとブシュカがほほえましくてかわいい。

それとエヴァちゃんよ、「熊手みたいに痩せこけてる」って友達に使う表現かね?

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