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カゾクデッサン
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目次

カゾクデッサンの作品紹介

カゾクデッサンのあらすじ

元ヤクザの剛太。今は恋人のバーで働いている。そんなある日、剛太のところに元妻の息子、光貴が現れる。「母が交 通事故にあって意識が戻らないんです。よかったら声をかけてみてもらえませんか」10数年ぶりの再会。剛太は声をかけてみ るが意識は戻らない。過去への思いにとらわれる剛太。まだ心の傷は癒やされていなかった。剛太のことをこころよく思ってい ない光貴の父は、二度と会うなと息子に言い聞かせる。しかし光貴は剛太に魅力を感じ始めていた。翌日、光貴と父は些細なこ とから親子ゲンカ、そのことが引き金となり光貴は自分の出生の秘密を知ってしまう。動揺する光貴はふとしたきっかけから友 人を殴り、暴力の魅力に取り憑かれてしまう――。

カゾクデッサンの監督

今井文寛

原題
製作年
2019年
製作国
日本
上映時間
98分

『カゾクデッサン』に投稿された感想・評価

志と出来ばえが、感動的だ!!

プロット 100点(完璧)
ストーリー 92点(良い)
撮影・照明・美術 93点(酔えたとこも)
演出全体&編集 87点(full of 工夫)
大人たちの演技 平均76点(まあまあ)
主演少年の演技 58点(良くはないが、善い)
キャスティング 32点(大不満!)
主題歌 90点(蓑田峻平さん)
 
冒頭からの、決め決めな反射・合成をはじめとしたクリアーでクレバーでキャメラ愛な完璧以上感は、“私と踊ってくれてる” 感じ。こういう気が利いてる芸術は、とても信頼できる。

つまずき発生。主演少年の「じつは、母が……~してもらえませんか」の棒読みがちょっとね。そこ最重要なのに。「じつは」というヘンに事務的な副詞ありの台本がまず悪い? 思春期の男の子が意識不明の母親を思ってやまない慕ってやまない心配してやまない、という実感が、欠・け・て・た。「これより父子の葛藤ドラマに入っていきまぁす」のナビゲーター宣言にしかなってない。以後も、“父ズ” への移ろう気持ちの表出やクラスメートらへの対応リアリティーに比べて母への思い寄せが不自然に凪すぎた。
と書いておく私は、、、十八歳をちょっと越したぐらいのおっさんがムリして中学男子を演じてるんでしょ、どこからこんな素人臭いおっさん俳優を連れてきたのよ、と思いながら観ちゃってた。
後で調べたら、撮影当時、大友一生くんは本物の現役中学生だったそうな! えっ!? 眼鏡を外した時のヤバい目とか、殴り方とか、父へのいろんな言い方とか、前言撤回、拍手に値するね。(エドワード・ヤンのやたらな人気作『クーリンチェ』を私が酷評する理由の一つが、主演の大根少年へのイライラだったので、未成年相手でもとりあえず私は容赦しない、ということで。とりあえず、あの時のチャン・チェンよりは本作の大友くんを支持。いつでもどこでもフェアな私!!)
で、若ぁい大友くんへの結論。「よく頑張りました!!!」
ただし、キャスティング的には、べつに大友くんじゃなくてもほかの若い子を使ってもよかった、と私は裁きつづける。なぜなら、脚本が秀逸だから。この物語なら、どんなキャストが来ても佳作になりうる。

うん、いい話だ!!!!

しかし、一番の問題点は、もう一人の主演者(“じつの父親” 役)である水橋研二さんのキャスティング。
「眼光だけで相手をビビらせることのできる、元ヤクザ」
「大友くんとの血のつながりを感じさせる外見」
「中村映里子さんの元カレっぽさ(つりあいよさ)」
「瀧内公美さんの今カレっぽさ(つりあいよさ)」
以上の四つが、全然欠けてるんだ。童顔で丸顔で常識的で優しげでナイーブげでちっぽけなふうな地味さをもつ水橋さんには。彼がすばらしい演技者であることは認めるし、本作を観て彼への私の好き度は増したとまでいえる。しかし、合わないんだよ、彼の外形や佇まいや普通さが、ヤクザ歴&大友&中村&瀧内に。大友くんとの関係性は、それ自体が変化球だからまあ許容範囲内かもだけど、中村さんや瀧内さんみたいなスラッとした大人げ女性を好んで選んでゲットもする男性、という設定ならばもうちょっと違うタイプの、強さが強くて(またはカッコよさが強くて)老成度の高い男優がベターだろうね。
水橋さんは確かに主役にふさわしい丁寧なすばらしい演技をしたけど、彼じゃなくても別の男優さんがそれを担ってもよかったはず。なぜなら、、脚本が第一に秀逸だから。

ほんと、予定調和じゃない後半の変化球の軌道にグッと来た! 温かな涙が湧きそうなぐらいだった。

問題点をあと一つだけ。
母役・中村映里子さんの甘い穏やかさの演技が、そこだけテレビドラマっぽくて、私はイヤだった。彼女をも私は好きだし、本作で彼女を嫌いになったということは断じてない。でも、せっかくそれまで全俳優が映画の演技をしてきたのに、中村さんひとりが甘い香りの芸能人臭を運び込んじゃってた。
声の出し方はイヤだったけど、意識不明姿と病院屋上たおたおシルエット(全身の弱く優しい感じ)はとてもよかったね。
それと、病室での “好きな曲” のところのマジックリアリズム、全然問題なかったよ、観てて幸せになった。

しつこい終わり方も、よかったよ。“好きな曲” を謎にして堂々と近づいてきたエンディング主題曲(ロッカバラード『alone』)も、俗っぽさ含めて美味しかった。

みんなが一丸となっての傑作性の構築が何よりも感動的だったよ。良いものを創ろう、っていう素直な愛。今井監督を表彰だ。

ここまでいろいろ書いたとおり、確かに途中でいくつかの要素を容認したくないって気持ちが高まってそのままだったけれども、不思議に私がこの作品への味方であろうと決めたきっかけは、「藤尾先生」の登場。死相漂う彼のカッコよさに一番ときめいた!
藤尾先生役、あなたのおかげで私はこの映画が本心から好きになれたよ! ありがと!! キャスティング係さん、私に初めて褒められてよかったね!!!!!(藤尾ラヴ宣言)

おわり
非常に成熟した手腕と素人的な拙さが同居した不思議な味のある作品。例えば序盤で光貴(大友一生)が剛太(水橋研二)と遭遇する四ツ辻での場面、カメラの旋回の目覚ましい効果に対して光貴が見せる類型的である意味凡庸な演技。光貴と言えばその後で地下のバーに入り剛太に名前を告げるところのセリフ(台本)もありきたりで、ちょっと悪い意味でテレビドラマ的な箇所があるのが気になる。ぎこちないパンニングなんかもちょっと苦笑するしね。

反面、あの鉄橋の下(のみならず全体に殺伐としたロケーションとそのカメラによる切り取り方が素晴らしい)における乱闘シーンやバーの中での鏡やカウンター駆使した剛太、光貴、美里(瀧内公美)三者の関係性の表出、やはり剛太は光貴の実父だったか、思わせて実は…といった辺りのファーストショットの反復による抑制された、しかし観客にそれとなく気付かせる明確な演出なんかは良かったですよね。病室で光貴、剛太、美里と貴美(中村映里子)がタガが外れたように踊り狂うシーンも秀逸。お腹に子を宿した美里とその父、剛太の抱擁を背後から撮ったラストシーンでは屋内のベッドに唐突にデッサン人形が登場するが、言うまでもなくタイトル及び作品テーマの反映。デッサン=素描はようやく始まったばかり、「カゾク」が「家族」になるのはこれから、という予兆と希望のメタファーかな。

ともあれ監督の今井文寛の作品は今後も追いたいと思います。
atsuki
4.0
照明部出身だから照明がすばらしい。その光(と、かげ)によって家族は立体的になっていく。カーテンの揺れとトンネルの記憶がそれを顕在化させ、拳の痛みという生々しさを得る。=バーにある横長の鏡と病室にある縦長の鏡。洗顔から鏡のなかに取り残される。眼鏡を外して暴力に取り憑かれていく。高架下の喧嘩etc。ほんとうに屋上のロングショットは感動した。

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